暑すぎず寒すぎず、夕日が綺麗に見られるマラソン日和の今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。パクセーのラオス・日本大橋では、夕方になるとマラソンランナーが意外に多く集まってくる。走っているラオス人なんて滅多に見られるものではありません。お腹を下していても、マラソンをすると治ってしまう自分の身体にも涙目。


 さて、今日は寝不足です。昨晩、夜登山!?をして寝るのが遅くなった上に、朝の6時半、突然の大家さんからの電話で起こされたから。


大家さん「サバイディー!今、家に居るの?迎えに行くから托鉢に一緒に行くわよ。」


俺「おはようございます。何時ごろ来ますか?」


大家さん「5分くらいよ。」


俺「はい、わかりました。。。パジャマで行ってもいいですか。。。」


 と、いうわけで眠気眼をこすりながら托鉢へ連行されてドナドナ。


 話を詳しく聞くと、托鉢だけではなく、どうやら何かのお祭り?があるらしいことが判明。しきりに「ブン・カティ、ブン・カティ!」と言うのですが、「カティって何?」と聞くと、「カティはカティよ。意味はないわ。」とのこと。ふ~ん。


 連れて行かれた先は、いやいや、連れて行って頂いた先は市内の保健局。大家さんは保健学校の先生だからね。

 オフィスには、中央に派手に飾られたお供え台が設置され、すでにお坊さんたちがお経を読んでいました(写真左)。う~ん、やっぱり何のお祭りかわからん。

 一通りの式が終わると、みんなで朝ごはん。カオニャオ(もちごめ)やカオプン(辛口ソーメン)やゲーン・ノーマイ(筍スープ)などお決まりのお祭りメニュー。お腹いっぱい食べて、さぁ帰ろうと思っていると、何やら動きが!

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 今からみんなで24km離れた村のお寺まで行くらしい。何で?

しかもお供えの台をトラックで運びだした(写真上・右)。

何で、何で?
 
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  お寺に着くと、村中の人々が集まってきて、お供え台をみんなで大歓迎。トラックに紐を結び、その紐をみんなで引っ張りながらお寺の中へと入っていきます(写真上・左)。紐を持った人々がお寺を囲むと、みんなで小さな金の塔に拝み始めた(写真上・右)。


この塔、何?お墓ではないし、ただの塔でもなさそう。


う~ん、さっぱり。


 と、思っていると、何とこの塔が宙に浮かび出した!


浮いた!飛んだ!たまげた~!(写真下・左)


 横には「KOMATSU」とかかれたクレーン車(笑)。塔を持ち上げると未完成のお寺の門のてっぺんへ(写真下・左)。みんなが見守る中、てっぺんに設置完了(写真下・右)。みんなとっても嬉しそう。


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 ここにきて、ついに納得!この塔は、パクセーの保健局などの寄付金により造られたもので、今日の儀式の全てがお寺の門の完成を祝うこの瞬間のためにあったのだと。なるほど。



 保健局は、毎年異なるお寺に寄付をして、貧しい村などに慈善活動をしているそうな。ラオス流のスワイ・カン(助け合い)であり、慈悲の徳を積む大切な行事なのだとか。なるほど、なるほど。
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 行事が終わるとバナナとご馳走を食べる時間。やたらバナナがあった。。。ご馳走は全部、村の人たちが用意してくれたもの。何も知らずにほいほいついてきただけの僕にも、村の人たちは「ありがとう、ありがとう。」と言って感謝してくれるのです。

 ラオスに来て、何度かこういう場面があったけど、何度味わってもこの瞬間は心がとても温かくなるのを感じます。完全格差社会の中で、誰に指示されたわけでもなく、ラオス人同士が自然と、このような活動をしているのは本当に素晴らしいことだと思います。


 都会は溢れて、田舎は足りない。それとも逆か、似たようなものか。


 社会に流されない、大切なものを知っているラオス人の心を、いつまでも大切にしていって欲しいと願った一日でした。