続きです
道の駅あがつま峡を出て橋の上から吾妻渓谷の景色を1枚。
奥の方に斜行道路が…
うわぁ〜あそこ登るのかよ…
と思ったら、自転車・歩行者専用通路に迂回できる。
そっちから登って上から見ると…
インターチェンジみたい。ここを自転車が走ってたら危ないわ。
交通弱者専用通路の頂上に待ち構えていたのは、
トンネル
+
スノーシェルター
+
トンネル
全長約2.6kmの長い長いトンネル。
この道は八ッ場バイパス。
八ッ場ダム建設のために整備された。
ここを抜けて、八ッ場ダムを目指す。
ライトを点灯して走り出す。ほんの僅かに上り勾配。歩道の幅は推定3m近く確保されていて走りやすい。対向自転車とのすれ違いも余裕。
ダム工事を見学できる展望台!
前から、つまり坂の上から来た2人組のローディーに手を挙げて挨拶したら「うぇーい♪」みたいな声を上げて応えてくれた。
アチラはもう下るだけだから、テンション高いんだろうな。
コッチもつられてモチベーションが上がってくる。
安全にトンネルを抜けるとそこには
ダム工事を見学できる展望台!
いいじゃんいいじゃん♪
よく見ると、堤体の壁面に色が変わっているところがある。
その高さ、なんと59mアップ。
駐車場の脇には八ッ場ダムの年表が。
さてと…帰るか。
…あれ?
本来の目的地はここじゃなかった!
気を取り直してもう少し登る。
【道の駅八ッ場ふるさと館】
改めて思う…どうして
八ッ場と書いて
やんばと読む?
wikiを漁ると色々出てくるけど、
wikiのトップの画像が、台風19号で満水になった姿なのがエモいね。
【がんばれやんばくん】
〜創作ダム噺〜
やんばくんは「台風の洪水被害を減らすためにキミを作るんだ、がんばるんだよ」と、エライ人たちに期待されてダムになることにしました。
昭和の中頃の話です。
ところが、計画当初から
「ワシらの村を沈める気か〜!」
「お前なんかいら〜ん!」
と地元の人たちに反対されてしまいます。
やんばくんを応援する人たちは諦めずに村人たちを説得し、村人たちも納得して自分の土地をやんばくんに提供…
計画が立ち上がってからすでに何十年も経っていました。
平成になってようやく工事に着手、やんばくんの周囲の道路や設備が出来始めた頃…。
新しく国のエライ人になったグループが
「やんばくん、やっぱキミいらん子ね」
と言い出して、工事は中断してしまいました。
その結果、やんばくんが作られるはずだった場所を見ようと、皮肉にも過去最多の観光客が訪れたのでした。
数年後、エライ人のグループが再び交代して、
「やっぱりやんばくんは必要だよね」
ということになり、工事は再開されました。
工期も、中断していたぶん後倒しになり、令和の年になってやっとやんばくんの体が出来上りました。
本格的にお仕事を始める前に、まずはやんばくんの体に穴が空いていないか、不具合がないかを確認する「試験湛水」をします。
少しずつ体に水を貯めていくやんばくん…
「ぼく、大丈夫かなぁ…」
心配しなくても、3〜4ヶ月かけてゆっくり水を貯めて確認するから大丈夫だよ、やんばくん。
ところが、やんばくんに試練が訪れます。
台風がやってきたのです。
季節外れの雨台風です。
「ふぇぇ…どうしよう…」
降り続く雨、上がり続ける水位…
そして…
司令官は決断を下した。
「試験運用は中止!
現時刻をもってやんばを実戦配備に切り替える!」
「し、司令!
試験湛水は始まったばかりで不具合箇所の有無も確認出来ていないですし、試験データ採取も不十分です。
やんばを実戦投入するのはまだ時期尚早では…」
「では聞くが、この難局を打開できるものが、やんばの他に居るとでも…?」
「…分かりました。
総員、配置に着け!
やんばはこれより実戦湛水を開始する!
これは訓練ではない!
繰り返す!
これは訓練ではない!」
…そんなやりとりがあったかどうかは知りませんが。
民主党政権時代の「脱ダム政策」で工事が一時中断し、その結果このタイミングで空っぽだったやんばくんのお腹。
3〜4ヶ月の予定が、たった1日で満腹。
もし予定通りに完成していたら、あの未曾有の降水量を受け止め切れなかっただろう。
なにより、不具合がなくて良かった。
ダム決壊なんていったら、それこそ未曾有の大惨事だ。
変な創作小噺を考えるほど、モチベーションは上がっている。
そして、そんな小噺のせいか、文字数制限。
続くー!