【おことわり】

当記事では第16回対校戦に出場される大学各位を著者個人の独断と偏見によって勝手に評価してしまっている箇所が多々ございます。該当される大学さんにつきましてはこの場をお借りして予めお詫び申し上げます






 4部から2部まで一通り紹介し終えていよいよオオトリの1部。近年常に『問題の』という枕詞を添えて語られるこの部は過去15回に渡り熾烈を極める界隈の覇権争いが繰り広げられた、正真正銘の頂上決戦の舞台でもある。今回もどこが勝つのか見当もつかない、またどこが降格したとしても衝撃の結末となる事は間違いない。


 今回この1部は、永らく界隈の頂点を極め、牽引し続けてきた偉大なる最強古豪にして『対外戦システム』の生みの親である海南大学の最期の対校戦という特別な回でもある。記念すべき第1回大会は今から大体2年半ほど前に遡るが、その時に初めて集った大学が8校。通称『オリジナル8』と呼ばれる8校のマッチアップから対校戦、延いては我らが駅伝王者界隈の歴史は始まった。謂わばこの駅伝王者に於ける最初の対外戦の存在が、駅伝王者の集まりを明確に定義し集結させた。その意味で駅伝王者対校戦とは、界隈の頂点を決める以上に駅伝王者界隈の象徴という大きな意味を持つ大会でもあるのだ。

 そんな圧倒的な輝きを放ち続けた海南大学もとうとう対外戦活動を終えるというのだ。無論対校戦シリーズの運営を始め、界隈自体には残るがそれでもこの大きな存在と正面切って戦う機会が今シーズン限り、というのは設立当初から共に歩み続けてきた戦友としてはとても寂しい限りである。上述のオリジナル8も今や海南・西洋・覇桜学院の3チームを残すのみ(お前は2回降格しただろとか言わない)。恐らくは西洋大学とて同じように一言ではとても表現しきれない想いがあるはずである。

 

 最期の門出を迎え撃つ7校は最後に絶対王者と戦う権利を得た7校である。まるでウサインボルトの最後の100mに臨んだロンドン世界陸上の100mファイナリストのような、そんな特別な一戦が幕を開ける。それでは以下で出場8校を紹介していこう。




【海南大学】〜絶対王者のラストシーズン〜

 前回王者にして最多優勝記録保持者。上述の前置き部分の大半はどう考えてもここで書くべきだったと思ったが、思った時には遅かった。

 過去最強を自他共にゆるす布陣で臨み見事雪辱を晴らした前回、今回はそこより少し落ちると曰う中でオールBとBCBのオンパレードと言う有様…どう考えても前回と同等かそれ以上のような気がするが…。前置きで散々惜しんだ通り今回で対外戦活動は終了となるが、最後にどんな置き土産を残して行くのか、伝説は最後まで伝説であり続けるのか…王者海南のラストシーズンがいよいよ始まる。





【西洋大学】〜絶対的に崩れぬ紺色武者〜

 前回2位にして鉄紺の横綱。第3回大会で史上初めて海南崩しの初優勝を飾ったり、常に表彰台と言うラインを死守し続けるなど高次元での安定感は他の追随を許さない。覇桜学院から一方的にライバル視されていたのも昔の話、あの当時は亀仙人の下で修行を積む悟空とクリリンの関係だったのが今や宇宙を救うスーパーサイヤ人である。

 とは言え同じオリジナル8の最古参組として海南大学とは常に鎬を削り合った仲、今回の去就報告には最も複雑な心境があるに違いない。しかしだからこそ最後にもう一度全身全霊の正面対決を、そんな闘志が大学史上きっての大エースを登壇させる。





【光明大学】〜誇り高き4校目の載冠者〜

 2部で和気藹々としていた光明大学は遥か過去、今や2度の総合優勝と言う経歴まで引っ提げた紛う事なき最強豪の一翼である。その実力を円卓駅伝と言う巨大コンテンツを管理・運営しながら未だ研ぎ澄まし続けているのが更に驚異的な所である。

 因みにその過去2回の総合優勝は第10回と14回、10回はオフ会を兼ねたリアル集会という記念の大会での出来事で何かと縁起がいい。連覇を狙った前回は強大過ぎる海南西洋に敗れたが、それでも3位を堅守した姿は『自分も1部校である』という尊き誇りを感じる。今回も誰もが当落線上を綱渡りする大会となるだろうが、その中で天才軍師っぷりは発揮されるだろうか。





【得下琉寺大学】〜シン・スピードスターズ〜

 初の1部となった前回は4位。『叩き上げ』などと言う陳腐な表現では到底足りない程に精錬され尽くしたスピード軍団の布陣は芸術性さえも感じさせる仕上がり具合。今回もその例には漏れないが、他の大学もかなりそのスピード性能を研ぎ澄ませて来ている分前回と比較すれば相対的には多少その存在感は鳴りを潜めているといえるだろうか。

 因みに読み方は『エルゲルージ』。かの有名なキングオブマイルことヒシャム・エルゲルージがモデルであると考えられよう、つまり結構な世界陸上ファン。陸上バカの著者にとってはもうこの時点で好感度マシマシの二郎系ラーメンと言える。





【弘華大学】〜超進化を続ける蒼き巨星〜

 もうすっかり1部が定着してきた依然実力暴騰中のチーム。まだ1部での表彰台を経験していないが他の対外戦では数々の栄冠を総なめにし、今シーズンは真田杯も手にかけようかという勢い。『ジェノサイドアビス』などと揶揄した前回大会だがいよいよそれも面白半分の愛称の域では無くなりそうである。

 一時期何故か一方的に覇桜学院を『師匠』などと呼んでくれていた事があったらしいがそんなものはとうの昔、ドラゴンボールで言えば悟空とクリリンを指導する亀仙人の頃である。果たして亀仙人が魔人ブウともどんぱちやり合う孫悟空の相手になるだろうか。いや、ならない。今日も今日とて弟子の凄まじいまでの進化っぷりを目の当たりにするのである。




【目黒大学】〜正確無比なシステムプレイヤー〜

 史上5校目の対校戦覇者。ストレート昇格以降表彰台も量産し、対校戦シリーズでは常にトップ争いを展開。例え選手層に難を抱えていたとしても、その中で最上の結果を導き出す算出力は唐の名将である李靖を彷彿とさせる。駅伝王者のゲーム内時間にして数十万ないしは数百万年という悠久の蓄積の中で培われた経験と計算は『育成』という分野にて幾度となくその威力を見せてきた。そんな目黒大学が今回は『降格しなければいい』と随分控えめだが、案外良い意味で彼の分析は的を外すことになるかもしれない。




【鎌倉国際大学】〜湘南に翔ける音速級集団〜

 こちらも例に漏れずストレート昇格組、今回が初の1部となる。『音速』と比喩する通りスピード育成の威力は最速級、得下琉寺大がスピード軍団として1部に乗り込んできたのにそのアイデンティティを争う存在となってしまった。スタメン育成の方が得意と語る大学各位が5000.10000の組み合わせ続きにゲンナリする所以はここにもあるのかもしれない。

 3.4年生に一線級のスピードを持たせて送り出した辺りで既に上位進出の機運は高め。とは言え迎え撃つ既存勢力もただでは行く手を通してはくれない、歴戦の七雄が彼に1部の恐ろしさを手解きすることなるだろう。




【覇桜学院大学】〜不撓不屈の雑草軍団〜

 ごめん正直また1部に戻る羽目になるとは思ってなかった(泣)。他7校と比べて圧倒的な場違い感を醸し出すのはこのところ毎度の事ではあるが今回はエントリーが判明してからというもの、ちょっぴり自信があり。

 因みにこの対校戦の記事を4部から一通り読んでもらえればそれだけで十分伝わると思うが、基本的に界隈における普段の発言の九割九分九厘は下らないジョークであり、心身共に下らんジョークで出来ていると言っても過言ではない。そんな様を常に(生)温かく見守ってくれている界隈だからこそ自分もここまで長くいられたのかもしれない。








『10000m』




 毎度思う事だが1部はもうインフレを極め過ぎててどっから触れて良いかで非常に悩む。リストを開けば紅色桃色のお花見模様、その中にC以下をぶち込もうものなら観衆の好奇に留まるのは一瞬である…ワシだ。因みに2部の記事では日暮里体育大学の3年生をして『最近の1部ではそこまで珍しくはない』と評したが、得下琉寺大学と覇桜学院大学以外の大学が投入した3年生を俯瞰するとそれすら1部に対する評価としては控えめだった事が分かる。鎌倉国際大学の堀口は多少スピード型に寄せたとは言え328、王者海南に至ってはなんと驚異の333。3年以下の対校戦歴代エントリー選手で言えば空前絶後の数字ではないだろうか…?そしてその傍で西洋大学がひっそりと340と言うステータスの4年生芦田を投入している。そろそろ彼らが『ゴリラ』から『キングコング』へとランクアップする日も近い。

 そして1年生対決は今回も今回とてABBかオールB後半のバーゲンセール、最早何の疑問も感情も湧かなくなってきた所に自分の感性の末期症状を覚えるところである。1年生はこの10000mに6人が集中、1人どう足掻いてもダントツビリは避けられない奴を除けば横一線と言えるだろうか。








【5000m】

 頼むから誰かどっから触れたら良いのか教えてくれ。あの10000mの叩き上げ方をしたチームから何でスピード120超えがそんなに出てくるのか…まず海南大の大江は春の時点で何故そうなるのか、スピード育成苦手じゃなかったのか、真田杯行くのか君は。スタミナ82というのも絶妙で2年生の榎本と併せて多分ハーフには一切出さずにゲーム内の駅伝だけでここまてま上がったのだろう。まあこれは得下琉寺大と鎌倉国際大にも言える事だが…。

 因みにスピード値100を切っているのは1年生となった西洋大学の黒崎と目黒大学の合田のたった2人だけで、残る14名のスピードスターの中でも120未満はたったの6人。更に言うと130越えの大台に乗っている選手さえ4名を数えている。前回は13:00が表彰台の当落線となったが、今回はこれが上位8名の当落線となりそうである。








『総評』

 端的に力関係を表すのはかなり難しい。10000mの展開は見たようにしかならないと思っていて、覇桜学院を蚊帳の外に各校自慢の3.4年生と1年生対決の鍔迫り合いである程度得点が分散、その予想が正しければ寧ろ真の勝負は最後の最後に待ち受ける5000mにこそある。前述の通り13:00の可能性がある選手は少なく見積もっても恐らく8人、ただしこれはあくまでもステータスに基づいた目安であり、実際は『まず何人が13分ジャストで来るのか』から勝負が始まる。その臨界点に到達する選手によって得点はかつてないレベルの変動性を孕む事になるだろうし、早い話大江という大砲を持ってして海南大学が8点しか持ち帰れない可能性とて0ではない。因みに言うと、覇桜学院は『そこ』に勝機を見出している。この戦略が意外と正鵠を突いているかもしれないと言う考えは、エントリー発表時のとある1部校が思考を漏らした事でより確信に近づいた。なんにせよ振れ幅としては全大学が優勝から降格まで横一列、ステータスや学年配置の域すら超越した『乱数制御』レベルの究極のサバイバルバトルとなる。