クッッッッッッッッソ主観まみれ
主な評価基準は
①自己ベスト
②世界選手権・五輪の実績
③他種目の実績
④レースの対応力&レースのバラエティ
当然ながら特に①と②は比重が大きめ
10位:サラ・ヒスー
貴重なケニア&エチオピア以外の長距離世界記録保持者一時期だが10000mにてゲブレセラシェから世界記録保持者の座を奪い、世界選手権・五輪で銅メダルも獲得した。この時代では珍しい5000mも強いランナーで、こちらはセビリア世界選手権で金メダルの実績がある。
10000mの自己記録も26:38と、今見ても相当な水準なのだが如何せん同時代には後述するゲブレセラシェ、テルガトや同じモロッコでもエルゲルージというレベチがいたので大層な実績を引っ提げながらどうにもマイナー。Googleや国際陸連のホームページ等でも画像が出てこなかった…。
9位:ヨミフ・ケジェルチャ
8位:ベリフ・アレガウィ
7位:ポール・テルガト
ケニア長距離界の父と呼ばれる男
10000mで史上初の26:30切りの世界記録を達成し、当時の10000m戦線では極めて異例の5000m12:50切り&3000m7:30切りと言うスピードも携えたランナーだった。世界選手権では95年イェーテボリ~99年セビリア大会と3大会連続で、五輪もアトランタ&シドニーと2大会で銀メダルを獲得している。
不運にもゲブレセラシェと世代丸被りだったばかりにトラックでのタイトルこそ乏しいが、逆にそれ以外のランナーは悉くテルガトの後塵を拝した程彼は強かった。彼の樹立した10000m世界記録も、1度ゲブレセラシェが打ち立てたものを破ったものだったので、1度もゲブレセラシェに勝てなかった訳でも無かった。
またトラックだけでなくロード・クロカンも強く、特にクロカンに関しては、毎年開催とは言え世界選手権5連覇という驚異の実績を持つ。ロードでもハーフマラソン・フルマラソン共に世界記録を樹立しており、フルマラソンは史上初の2時間5分切りを達成。2000年代始め頃はアメリカのハヌーシ&エチオピアのゲブレセラシェとで当時のマラソン界の勢力を三分していた程であった。
6位:ゼルセナイ・タデッセ
エリトリアの英雄
知る人ぞ知る集団走クラッシャーで兎に角自らハイペースを作ってガンガン揺さぶりをかけるレーススタイルが非常に特徴的なランナー。
アテネ五輪とベルリン世界陸上はこの手法で表彰台に立っており、特にベルリン世界陸上はケネニサベケレ以外の名だたる26分台ランナーや世界大会のメダリストを振り落とした。自己ベストも26:37を数えるなど、この自らハイペースを作れる所が最大の強み。
とは言え世代がベケレやシヒネらと被ってしまったばかりに表彰台に立てそうで立てなかったレースの方が多い印象、そういう意味では第2のポールテルガト的な存在とも言える。
まず当時圧倒的な世界記録だったサムエルワンジルの58:33を10秒更新、その後NIKEがズームXシリーズを開発するまで破られなかった。
世界ハーフは2度の連覇を含めて5回優勝。その他コペンハーゲン、リスボン、グレートノースランと言ったマラソンで言うところのWMMシリーズに匹敵する諸大会にてタイトルを総なめにしてきた。
なんと言うか、吉田沙保里さんがいるから仕方なく階級を上げたらめちゃくちゃ無双しちゃった女子レスラーがいたが、あれの長距離ランナーバージョンがタデッセだと思ってもらえればいいだろうか。
5位:シレン・シヒネ
エチオピアが誇る最強のシルバーコレクター
等と紹介するように世界選手権・五輪では常にと言っても良いほど銀メダルを獲得している。例によって彼もケネニサベケレと言う天才の犠牲者と言うか、その影に隠されてしまった不運な男なのだが、反面ベケレ以外には基本的に一切負けなかった。自己ベストも26:40を切っているし、5000mも12:47を持っており世界選手権銀の実績まである。
ただ、どうにも日本ではマイナーらしい…国際千葉駅伝にも出てたりしたので割と知っている人いそうなものだが…。因みに奥さんは女性版ケネニサベケレとも言うべきティルネシュ・ディババ。
4位:ジョシュア・チェプテゲイ
5000.10000両方でベケレの世界記録を塗り替え、10000mでは鮮烈なスパートを武器に世界選手権3連覇中。五輪もパリにて悲願の金を獲得して今や死角なし。結構自分からハイペースをどんどん作っていくレースも出来るタイプなのでその意味ではベケレ、タデッセのスタイルも感じる。
ただし、これより先は長距離2種目共に絶対的な強さを持つ選手が顔を揃えており、如何に世界記録保持者とは言え世界陸上・五輪で5000mと兼ねた実績が殆ど無い点は4位と言わざるを得ない。まあその辺はウガンダ陸連の意向が少なからず関係しているので気の毒っちゃ気の毒だが…
因みに彼の持つ5000m.10000mの世界記録は何れもスコア換算で1300点を越えているが、実はトラック長距離種目での1300点越えと、中長距離種目を専門とするする選手で2種目以上で1300点越えの自己ベストを達成した史上初の選手だったりする。
3位:ハイレ:ゲブレセラシェ
アディスアベバが生んだ長距離の神様
記録・強さ・息の長さ・種目の幅広さ
全てに置いて歴代最高クラスの水準と言う、長距離どころか陸上競技全体で見ても有数の偉人。
10000mに置いては世界選手権4連覇、五輪2連覇の実績があり、世界記録も2度更新した実績がある。前述の通りケニア屈指の偉大な10000mランナーだったテルガトを常に破り続けての連覇と言う凄まじい戦績である。他にも5000m、ハーフマラソン、マラソンでも世界記録を更新。ハーフは58分台、マラソンは2時間4分切りを史上初めて達成した。
ベケレ出現まで永らく10000mで時代を席巻し、その後もロードでかなり長い間最前線を走ってきた。遂に老いには勝てなかったが、御歳51歳にして割と最近まで現役だったというとてつもない御仁であった。
2位:モハメド・ファラー
英国史上最高の陸上競技選手(多分)
ランキング10人の中でも自己ベストは1番遅いが逆に言えば非の打ち所はそれだけ。世界選手権・五輪で2大会連続長距離2冠を達成し、世界選手権は5000m10000m共に3連覇。この2種目の強さは異常と言うレベルだった。
多分ラスト1周のスプリント力は歴代最強。しかもそのスパートを確実に決めるための位置取りとスプリットの刻み方がとてつもなく上手い。かといって自己ベストを上回るようなハイペースを選手権で発動されてもしっかり余裕を以て付いていき、お決まりのスパートを炸裂させて勝つ。このファラーのスパートの安心感は本当に凄かった。
自己ベストも記録更新を狙う機会が全く無かっただけで、ロンドン世界選手権の26:49というペースで自分のレースをした走力や1500m3:28というスピードなら世界記録近くは普通に狙えたと思っている。何より皇帝ゲブレセラシェがそう太鼓判を押すのだからきっと間違いない。