いざ本州へ




札幌から函館まで無心でアクセルを回す。車でも果てしなく長く感じるあの長万部ストレート。

原付鈍行では気が狂う。

全身の感覚が体から昇華する。魂が抜けるような感覚。

たまにふっと我に帰り、また遠のき…これをウン百回繰り返した…


5号線、大沼を抜けたところで「フェリー35km先 ↑(直進)」とある。


長かった。


看板に従い5号を離れる。そのまままっすぐいくのは旅人しかいない。フェリーのための、乗り場まで伸びたまっすぐな道。

通るヤツの顔ぶれは様々だ。


本州に待つ顧客への荷の運送を頼まれたトラック野郎に北海道旅行の終焉を迎えた者。

いづれの人々もそれぞれ大義を背負ってフェリー“ターミナル"へと向かう。


今日の私はその仲間の一人だ。今から始まる旅に期待を膨らませる。

でも大間行きは明日の朝9時半。

とりあえず今日はもう、寝ることにしよう。








——— 翌朝。目覚めは良い。

数人の日本一周バイカーと乗船を待つ。


これからどうなるんだろう。少し緊張しているのか期待しているのか、鼓動は胸を強く打つ。目指すは大間、1時間半。