医師という人種を分析する②
医者って変わり者多くない??
医者って常識ないよね??
とよく言われます。
私としてはまったくそんなことはない気がします。
むしろ医師のほうが、突発的な謎行動や言動をする人は少ないように思います。
規範や慣習が医療業界とそれ以外とで異なることが多いために、知らなかったり馴染みがなかったりするということはあっても、医師は基本的に真面目でルールを大きく逸脱する方は少ない印象です。
どの業界だって、業界色はある。
とは言うものの、今日は医師が変わり者や常識知らずと言われる所以について深掘りしていきます‼️
今回も小難しい話で、すみません…
①医師の思考
②医療機関の指示系統
③他職種との交わり
④医師に関わる法律の諸々
順番に説明しますね
①医師の思考
医師に診てもらう時、色々聞かれますよね。
お腹の調子が悪ければ、どのあたりが痛いか?どういう風に痛いか?押すと痛いか?何を食べたか?などなど・・・
患者さんからの答え一つひとつから、可能性のある病気を絞り込んでいきます。
目星をつけた病気の治療法がいくつかある場合は、そのなかで何を選択するか、また質問を重ねます。
患者からすれば「なんでこんなこと聞くんだろう?」という質問も、医師にとっては意味のあること。
治療を始めてからも、上手くいったか?効果が無い場合はなぜ?と理由を推測して検証。
日々、その繰り返し
②医療機関の指示系統
基本的に、病院やクリニックのトップは医師です。
(最近は、医経分離といって、医療と経営を役割分担しているところも増えてきましたが)
たくさんスタッフがいるなかで、医療的な判断を下して指示をするのは医師。
看護師も薬剤師も技師も医師の指示に基づいて動きます。
看護師が自分の判断で動いているように見えていることも、医師が事前に予測して「こういう場合はこうして」と指示を出しています。
それは看護師の能力が低いとかということじゃなくて、法律でそう定められているからです
③他職種との交わり
医学部を卒業したら、ほとんどの人は国家試験を受けて、その大半が医師免許を取得して、臨床医になります。
医師になってからは現場で他の医療職や医療クラークの方と一緒に働きますが、医師には医師だけの部屋があり、就業時間前後や休憩中は大抵そこで過ごします。
学生時代の友人もほとんどが医師なので、仕事以外の時間も医師と過ごすことが多い。
製薬メーカーや医療機器メーカーの方が営業に来たりもしますが、職場で医療職以外と接するのはそれくらい。
あとは患者さんと、そのご家族です。
色んな業界の人と接して、色んな価値観に触れる機会が少ない職業です
④医師に関わる法律の諸々
医師に関わる法律では医療法や医師法などがあり、それも一つひとつ見ると結構特殊なんですが…
特殊の代表は、全労働者に関わるはずの労働基準法だろうなと思います。
医師の世界でも働き改革は進んでいますが、医師の例外は次元が違う。
たとえば、「勤務医の時間外労働の年間上限は原則960時間」ですが、原則とある通り例外があり、例外の最大は上限1860時間です。
1860時間って、365日働いても1日5時間の残業時間ですよ
なので、医師と接するなかで
「細かく色々聞かれるのが面倒くさい」
「分析されているようで嫌だ」
「いつも指示されている気がする」
「いつも私のほうが合わせている」
「物知りのはずなのに、一般常識が通じない」
「忙しい忙しいって、何がそんなに忙しいの」
と感じたら、それは仕事上でついたクセですし、医療業界の悪しき慣習などによるものです
なので、決して医師個人を責めないで。
理解して寄り添って、徐々に一般常識や価値観をインストールさせてあげましょう。
きっと、「この女性は他の女性とは違う」と感じてもらえます