グラウンデッド・セオリーの主な目的が「データから理論を生成すること」にあるという点は大変魅力的です。

 

「研究者は現実に即して、参加者やその分野の専門家からも明確な理解が得られる範囲で、自由に自分の理論をつくり上げることができる。」(テキストp.151)

 

この「現実に即して」がポイントです。

つまり、「現場を知る」者によって新しい理論がつくられるということです。

 

また、グラウンデッド・セオリーの基盤であるシンボリック相互作用論においては、人間のモデルを以下のように捉えています。

 

「受動的というよりもむしろ能動的であり、創造的である。個々人は行為を計画、考察、創造し、また修正する。」(テキストp150)

 

ここで述べられている受動と能動は表裏一体で、不可分です。

一連の創造的プロセスは、客観的な「観察」だけでは到底窺い知れないものです。

 

一方、数多ある収集データの重要性を判別する「理論的感受性」には、現場を知る者でしか獲得し得ない性質のものが含まれるのではないでしょうか。

そこが「飽和」の見極めに少なからぬ影響を及ぼすものと考えます。