東洋経済オンライン・・・的場さん記事を抜粋。
2023年末からロシアによる、ウクライナの主要都市へのミサイル攻撃が激しさを増している。
毎日のようにロシアからミサイルが発射されている。それも、超音速からドローンまで多種多様である。
しかし、不思議なことに都市の住民の建物をことごとく破壊したという話はあまり聞かない。
ロシアは住宅への直接攻撃を避けているのだ。
一方、ウクライナのドローン攻撃も2023年12月30日にあった。
ウクライナの北の国境から30キロメートル先にある都市ベルゴロドへの攻撃だ。
このドローンは軍事施設やインフレを狙ったものではなく、町の広場を狙ったものであった。市民の犠牲者も出た。
しかし、ロシアはこれに対して、報復攻撃として住宅への攻撃はできるかぎり避けている。
ひたすら軍事施設とインフラ攻撃を繰り返している。それはなぜか。
ここで理解しておかねばならないのは、ロシア軍の冷静さである。
あたかも何年も前に計画された行動にしたがって沈着に行動しているようだ。
ある意味、報復をするような感情の起伏があってもいい。
しかし、それを持たない極めて冷徹な反応は、恐るべしというべきかもしれない。
これについてスイス陸軍の元大佐であるジャック・ボー(Jacques Baud)は『戦争と平和の狭間のウクライナ』(Ukraine entre Guerre et Paix, Max Milo, 2023)の中で、このロシア軍の冷静な行動について分析している。
ロシアは周到に作戦を立てて行動しているという。
またウクライナに武器や援助を与えたNATO諸国も、その結果自らが行った経済制裁や援助のブーメラン現象を受け、経済的に息切れを起こし景気の衰退が生まれている。
それがNATO諸国の不安をいっそうかきたて、ロシアへの脅威を増幅させているともいえる。
そして、それがますます停戦を困難にさせ、戦争を迷走経路に導き、引くに引かれぬ戦いの場となっている。
前出のジャック・ボーは、先の書物でウクライナとロシアのプロパガンダの違いを指摘している。
ウクライナは虚偽の情報を流し、ロシアは不利な情報を隠す。ともにプロパガンダだが、内容は異なる。
もっぱらウクライナの情報に従っているNATO諸国は、この情報によってこの戦争に簡単に勝利できるものだと支援を強化したが、それが真実ではなかったことで、大混乱に陥っているというわけだ。
戦争中の日本のように、うその情報が出てくると、それを払拭するのは簡単ではない。
ロシアの残虐性や非道性への非難が拡大するだけで、戦況や相手の意図がわからなくなる。
ロシアはロシアで、情報が入らないことで、相手の言い分が入ってこない。国民はいたずらに勝利に向かって愛国心を燃やすだけである。
要するに、停戦を生み出す理解がお互いに得られなくなっているのだ。戦争が終われば、両国民さらには世界が、この戦争の現実をしっかりと知ることになるだろう。
だが、今のところプロパガンダに振り回され、敵意をむき出しにして、終わるところを知らない。
ウクライナに限っていえば、戦争の決着はすでについているといえる。後は、第3次世界大戦という愚かな戦争へ至らないための政治的決着をどうするかが残っているだけなのだ。
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私の見解・・・・
東洋経済の的場君、なかなかやる分析である。
長いので一部割愛させていただいた。
ほぼ同意。
日本の報道しか見ていない人々は、全くこれを理解できない。
だから、31万人のロシア側の死傷者数の犠牲者という発表に
異を感じていた。
いくらでも誤魔化しは出来るのがアメリカ側の情報機関の
プロパガンダである。
死者にしても主にウクライナ側兵士の10分の1程度とイスラ
エルの分析が正しいと思う。
主にロシア軍は砲撃が主体であって、だから、動員を再度する
必要性もなかったのだ。
今は試験的にこれからの戦いの組み立てをするために犠牲者も
必要となっているのかも知れないが、部分的に無理をする必要
は無いのだ。
ただ大統領選挙前後は有るかも知れないが、今はその時では
ない。
その時は一気呵成に東部地域を取りに行くのだろう。