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無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

 小湊鐵道が6月27日に公表した有価証券報告書によると、列車無線を導入するようです。これで、関東の私鉄で列車無線未導入の会社は野岩鉄道だけになります。
 現段階では詳細は不明ですが、規模からして150MHz帯のアナログ単信式になるのではないでしょうか。総務省無線局等情報検索でも、今のところヒットしません。
 余談ですが、小湊鐵道の上総中野駅で接するいすみ鉄道には、すでに列車無線が配備されています。しかし、今まで受信報告がないせいか、周波数は判明していません。

 どのような無線機が設置され、いつから運用されるのか、気になるところです。
 東京メトロ丸ノ内線は、誘導無線に不具合が発生したため一部区間で運転を見合わせているようです。公式の運行情報では「設備点検」となっているようですが、NHKの報道では以下のとおりとなっています。
丸ノ内線 運転見合わせ

東京メトロ丸ノ内線は、列車無線に不具合が生じたため、午後2時48分から茗荷谷駅と銀座駅の間の上下線で運転を見合わせています。

 以前にも、丸ノ内線は誘導無線の不具合で運転を見合わせたことがありました。区間的にも、前回と同じ場所のようです。
 一連の不具合が、列車無線の更新の契機になるのでしょうか? 更新するとなれば、デジタル化の可能性があるかもません。今後の動向を見守りたいと思います。
 エーオーアールから、新型受信機が発売されました。AR6000を名乗るこの受信機は、昨年のハムフェアで出品されていたものです。

 気になるスペックは、9kHz~6GHzの広範囲を受信し、電波型式はSSB、CW、AM、FM、WFMで、FMステレオにも対応。メモリーチャンネルは、50ch×40バンクの計2000chです。
 外観はAR5001Dを踏襲。性能的にも、AR5001Dの発展版といえそうです。

 価格は、オープンプライス。民生用とはいえ、オプションでラック取り付け用パネルを用意していることから、完全に業務用途で販売しているようです。一般人が、おいそれと買えるような代物ではないのかもしれません。

 エーオーアールの受信機は、AR-miniが販売終了となり、AR8200MK3AR8600MK2がいまだにラインナップに並んでいます。そろそろ、一般人でも手が届く価格での新型受信機、特にハンディ受信機も開発してほしいものです。
 5月7日に、相模鉄道(相鉄)が今年度の設備投資計画を発表しました。この中で、「既存車両について、ATS-Pおよびデジタル列車無線の整備を実施」するとしています。
 引き続き、JRとの直通に向けての対応を行うようです。この内容から、誘導無線からデジタル列車無線への移行はまだ先と読み取れます。
 JRとの直通は、当初見込んでいた2015年度から2018年度に延期されました。デジタル化も延期されるのか、今後の動向が注目されます。

 一方、本日は京浜急行電鉄(京急)が今年度の設備投資計画を発表しました。この中で、気になる記述があります。
 「変電設備の更新をはじめ,列車無線の改良により保安度の向上をさせるなど,電力・信号・通信など諸設備の更新,改良を行います」とあるのです。現在、京急はいわゆる「1号線規格」の誘導無線を導入しています。これを、更新しようと計画しているのです。
 誘導無線をやめて空間波無線になるのか、アナログなのか、デジタルなのか、これだけの発表では判断できません。京急の更新をきっかけに、直通他社局の都営浅草線、京成電鉄北総鉄道芝山鉄道に波及するのかも未知数です。こちらの動きも、目が離せなくなってしまいました。

 今後、鉄道各社で相次いで今年度の設備投資計画が発表されます。列車無線の記述があるかどうか、内容を注意深く見ていく必要がありそうです。
 本日、東京メトロ丸ノ内線の誘導無線に不具合が発生、一時運転を見合わせました。
無線設備トラブルの丸ノ内線、運転再開

 24日午前5時31分頃、東京メトロ丸ノ内線で無線設備のトラブルが発生した。

 この影響で、同線は一時、全線で運転を見合わせたが、同5時54分、運転を再開した。
 これだけでは詳細は不明ですが、公式の運行情報によると池袋―茗荷谷間で障害が発生した模様です。

 東京メトロは、初電が動き始めた直後に司令所が各列車を呼び出して通話試験を行います。このときに、何か不具合があったのでしょうか? 音声系は問題なくても、データ系での不具合も疑われます。ただ、現時点での公式発表がないため、推測の域を出ません。
 いずれにせよ、今回の件がきっかけで、LCXを用いたデジタル化の布石にならなければ‥‥と余計な心配をしてしまいます。
 アルインコから、新型受信機が発売されることになりました。その名は、DJ-X81です。

 周波数は0.1~1300MHzをカバーしますが、一部周波数はブロックされています。おそらく、受信改造を施せばフルカバーできるのではないでしょうか。
 電波型式はFM/WFM/AM、そしてワンセグの音声を受信可能。地デジ化してから、広帯域受信機でテレビの音声を受信することができませんでした。しかし、DJ-X81でワンセグの音声を聞くことができるのです。
 また、緊急警報放送の信号を受信すると、自動的にFM放送に移行。非常時の備えとして活用できそうです。
 そのほか、DJ-X8の機能をほぼ継承。ただし、録音機能はない模様です。

 発売は、4月末を予定しているとのこと。気になりますね。
 前回お伝えした富士急行の列車無線導入で動きがあったようです。こちらのブログによると、ついに周波数が判明したとのこと。同時に、試験通話を捉えることに成功したようです。
 周波数は出典元を参照していただくこととして、これまで関東総合通信局では鉄道無線として割り当ててこなかった周波数になっています(注:過去に大手私鉄の列車側周波数として割り当てられていました。訂正します)。というよりも、鉄道無線用としての割当になっているものの、現在は関西の大手私鉄にしか割り当てられていないようです。
 この周波数で、「ふじきゅうしれい」という基地局が通話試験を行った模様。今後、本格運用になるものと思われますが、富士急行沿線の人にとって要チェックの周波数になること間違いなしでしょう。
 こちらのブログによると、富士急行で列車無線導入の動きがあるようです。車両にはホイップアンテナが設置されているほか、運転台にはスピーカーとハンドマイクが据え付けられている写真が掲載されています。

 富士急は、これまで列車無線を導入していませんでした。バスやロープウェイでの割当は存在していますが、鉄道(大月線、河口湖線)での割当はありません。JRからの直通列車も多く、特急を運転するような路線で、いままで列車無線が未整備だったのが不思議なくらいです。ようやく、列車無線の導入を決断したのでしょうか?
 気になるのは周波数ですが、先のブログの写真を見ると150MHz帯の単信式に見て取れます。ほかの車両への設置状況や運用開始が気になります。

 周波数を含め、今後の動向に注目でしょう。
 朝日新聞の報道によると、3月4日にJRきのくに線(紀勢本線)で列車無線に不具合が発生、1時間半ほど運転を見合わせた模様です。
無線交信に不具合 JR紀勢線一時運転見合わせ

 4日午前10時10分ごろ、JR紀勢線の和歌山―御坊間で、無線交信に不具合が生じ、同区間は上下線で運転を見合わせていたが、同11時40分ごろに再開した。

 JR西日本和歌山支社によると、一部区間で列車と指令所の無線交信ができなくなったという。

 この記事だけでは詳細はわかりませんが、車両側ではなく基地局側に不具合が生じたようです。もし一部区間だけではなく、広範囲にわたる障害だとすれば、指令所と基地局を結ぶ回線に何か問題が発生したものと思われます。
 走行中の列車にとって、唯一の連絡手段となる列車無線。原因の解明と再発防止に努めてもらいたいものです。
 前回お伝えした、日本経済新聞の報道による小田急電鉄の列車無線デジタル化。本日、NECニュースリリースを発表しました。

 それによると、全面稼働、すなわち完全デジタル化はやはり2016年7月を予定しています。この時期は、5月31日にアナログの救急無線が停波したあとです。
 総務省が策定した「周波数再編アクションプラン(平成24年10月改定版)」では、150MHz帯の列車無線は「平成28年5月31日で使用期限を迎える消防無線の空き周波数も利用して、デジタル狭帯域化の実施による多チャンネル化を進める」としています。ということは、現在の救急無線の周波数にデジタル波が割り当てられる可能性があるのです。
 すでに147MHz帯の割当は逼迫しており、周波数を移行しようにも空き周波数が皆無となっています。そこで、救急無線のデジタル化で空いた周波数を利用しようとしているのでしょう。

 さて、今回小田急に納入されるシステムの最大の特徴は、SDR(Software-Defined Radio/ソフトウェア無線)を採用したこと。細かな仕様の違いをソフトウェアで対応しています。
 首都圏の私鉄では、今や直通相手は1社だけにとどまりません。今年3月16日からは、東京メトロ副都心線を介して東武東上線、西武池袋線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線の5社が直通運転を開始する予定。誘導無線である東京メトロ以外、ほかの4社はNEC式列車無線を採用しています。
 一応現状でも共通の操作機ですが、SDRにより装置全体のさらなる小型化が可能に。例えばこの中で1社でもデジタル化したとしても、ソフトウェアでどうにでも対応できることになります。

 今回の小田急への導入を機に、SDR無線機によるデジタル化が進むかもしれません。今後の動向に注意が必要でしょう。