無線室 -4ページ目

無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

 台風18号が日本列島に接近しています。風雨が強くなることが予想されることから、外に設置したアンテナなどが飛ばされないよう、ねじ類に緩みがないかチェックしてください。
 もちろん、情報収集も忘れずに。消防無線や防災行政無線を始め、各種の無線をワッチして身を守りましょう。
 三才ブックスも、毎年恒例となった『航空無線のすべて』の最新刊を発売します。タイトルは『航空無線のすべて2015』で、価格は税込み1620円です。『ラジオライフ2014年10月号の広告では9月19日の発売となっていましたが、10日延期され9月29日となりました。

 公式サイトでは、現時点では未掲載。しかし、Amazonではすでに予約が可能になっています。
 内容は、やはりパソコンとの連携で航空無線の楽しみ方を特集している模様です。それ以外の内容は『ラジオライフ』に掲載の広告に記されていますが、ネットではCQオームメールマガジンでも見ることができます。

 奇しくも、『航空無線ハンドブック2015』と発売日が同じになってしまいました。両方買うもよし、片方だけもよし、航空無線の最新事情を資料としてそろえてみましょう。
 以前お伝えした、新潟地区のJRデジタル化。総務省無線局等情報検索で、デジタル列車無線の基地局が免許されていることが判明しました。

 検索結果を見ると、7月18日付で10局の基地局が免許されています。電波型式は「5K80G1D」「5K80G1E」で、400MHz帯に出力4Wの3波が割り当てられました。これを見る限り、首都圏のデジタル列車無線と同じといえるでしょう。
 一方、基地局の所在地を見ると、長岡市、見附市、三条市、加茂市、南蒲原郡田上町、新潟市秋葉区、新潟市江南区、新潟市東区に設けられています。これらの市区町村を沿線としているのは、信越本線です。特に、以前ご紹介したブログでは、追記を含め東光寺駅(三条市)、古津駅(新潟市秋葉区)、亀田駅(新潟市江南区)、越後石山駅(新潟市東区)の少なくとも4駅にデジタル列車無線用と思われるマストが建設されたとあります。まさしく、上記の所在地に符合するのです。
 これらの状況を勘案すると、信越本線のうち長岡─越後石山間がデジタル化すると判断できます。なお、越後石山までとしたのは、デジタル列車無線基地局が新潟駅の所在地である新潟市中央区に存在せず、最も新潟寄りでも東区にしかないためです。もしかしたら、実際には上沼垂信号場でデジタル・アナログを切り替えるかもしれません。

 なぜこの区間だけという疑問は残りますが、周波数はどうなるのか、いつから運用されるのか要注目でしょう。
 8月から9月にかけて、無線関連書籍が相次いで発売されます。毎年発行されているものの最新版ばかりですが、発売日順に取り上げてみました。

  • FB2015・周波数バイブルマガジンランド/税込み800円)
  •  前回お伝えしたとおり、大幅値上げとなった『周波数バイブル』の2015年版です。8月26日の発売から1週間がたったにもかかわらず、公式サイトには一切言及がありません。従って、上記のリンクはAmazonのものです。
     今回は水色の表紙となっており、都道府県別の周波数順で掲載。お目当ての無線局の周波数を調べるより、受信機をサーチして引っかかった周波数を調べるのに適しています。『ラジオライフ』付録の『ラジオライフ手帳』よりも幅広いジャンルを網羅しているので、手元に置いておいて損はないでしょう。
     ただ、毎年のことですが表紙がカールしてしまうのはいただけません。本棚に収納するなり、何かの下敷きにすればカールする心配はなくなりますが、1冊だけ単独で置いておくと数日で表紙が丸まってしまうのです。この点だけは、ぜひとも改善を望みます。

  • おもしろ無線受信ガイドver.15三才ブックス/税込み1500円)
  •  8月28日に発売された、さまざまなジャンルの無線の聞き方を指南する『おもしろ無線受信ガイド』の最新版です。巻頭に、2013~2014年の無線界の動きを特集。以後、受信機レビュー、各ジャンルの聞き方、アンテナのレビューと続きます。最新の周波数データを掲載した『周波数帳ミニ2014-2015』が付録です。
     中身としては初心者向きではあるものの、自分が普段聞かないジャンルを改めて見ればノウハウがわかりやすく書かれています。デジタル化が進みつつある中、何を聞けばいいか参考になるでしょう。

  • 『航空無線ハンドブック2015』イカロス出版/税込み1850円)
  •  9月29日発売予定の『航空無線ハンドブック』2015年版です。今のところ公式サイトにもAmazonにも掲載されておらず、『エアライン2014年10月号の広告にしか記述がありません。広告には綴じ込み・別冊付録は明記していますが、特集などの具体的内容は書かれていないのです。現在鋭意編集中といったところでしょうか。例年通りなら、受信機やアンテナのレビュー、ACARSやADS-Bなど「目で見る」エアバンドの紹介、特定の便を出発から到着まで追っかける仮想交信ドキュメントなどが掲載されるものと思われます。

     手元の書籍を最新版にアップデートして、無線界の現状を知ってみてはいかがでしょうか?
     マガジンランドが毎年8月に発行する『周波数バイブル』の最新版が、今年は8月26日に発売されるようです。公式サイトには言及がありませんが、Amazonではすでに予約を受け付けています。

     2015年版は、mixiコミュニティによると「FB2015の掲載方針について」として都道府県ごとの周波数順で掲載されるようです。余談ですが、このコミュニティでは『周波数バイブル』の修正も掲載されています。
     Amazonで予約を受け付けていることは先に書いたとおりですが、価格に注目です。2014年版は571円+消費税(5%時は税込み600円、8%時は税込み616円)となっていました。ところが、2015年版は800円と書かれています。Amazonの価格表示は税込みとなるため、およそ3割の大幅値上げとなるのです。

     デジタル化や受信機のラインナップの減少で、受信趣味は厳しさを増す一方といえます。それでも、アナログで聞ける無線を記した書籍を発行してくれること自体を評価すべきではないでしょうか。値上げはやむを得ないこととして、今後も毎年発行して欲しいものです。
     こちらのブログによると、JR東日本の新潟地区で列車無線のデジタル化が進行中にあるようです。それによれば、信越本線古津駅と亀田駅で、デジタル列車無線用と思われる鉄塔が建設されたというもの。アンテナの設置はまだのようです。

     一方で、新津駅にほど近い総合車両製作所新津事業所では、新潟地区向けのE129系がこの秋の完成を目指して製造中。1年ほど前に発表されたニュースリリースのイメージパースには、デジタル無線でダイバーシティを行うために設置される2本のアンテナが描かれているように見えなくもありません。なお、ニュースリリースのパースはPDFに埋め込まれて不鮮明なため、参考としてマイナビニュースに掲載された画像も合わせてご覧ください。
     イメージパースと、先のブログにある2枚目の写真を見比べると、中央の冷房装置のすぐそばにアンテナがあるように見えます。ということは、もしかするとアンテナは2本搭載なのでしょうか?

     もしデジタル化されるなら、いつどの区間が対象となるのか気になるところです。今後の動向を注意深く見守る必要があるでしょう。
     東海道線と宇都宮線、常磐線を連絡する上野東京ラインの試運転が始まっています。2014年度末の開業とアナウンスされているものの、具体的な開業日は発表されていません。

     試運転を行っているということは、列車無線も整備が済んでいるはず。現地に赴いて確認したところ、東京―上野間はD2chであることが判明しました。
     ちょうど、宇都宮線を東京まで延長した形です。東京と上野には、「無線切替」の標識が設置されています。特に、上野では三陸特でデジタル列車無線に出れるわけがない!!さんからいただいた情報にあるように、切り替えるべき路線が明記されているのです。
     高崎支社管内では「C→D3」のようにチャンネルで書かれていますが、上野では路線名となっています。東京支社管内では単に「無線切替」のみで、どのチャンネルに切り替えるのか明示されていませんでした。
     実際には、デジタル無線は走行区間で自動的にチャンネルを切り替えるため、あまり意味のない表記かもしれません。ただし、手動切り替えになった場合に備えて、複雑な運転系統となることからあえて路線名を入れたものと思われます。

     上野東京ラインの試運転に先立ち、東京─神田間で上野東京ラインと並走する中央快速線は、混信を避けるために思いもよらない方法をとりました。何と、東京─四ツ谷間をD3chに変更したのです。
     四ツ谷では、新たに建てられた「無線切替」の標識を見ることができます。デジタル化が完了して以降、本格的なチャンネル変更は今回が初めてではないでしょうか。
     
     デジタル化により基地局、移動局とも設定が簡単になったことで、こうした秘策も面倒ではなくなったようです。当分新路線の開業はありませんが、今後は1路線で区間により異なるチャンネルを使用することが多くなるかもしれません。
     受信機とパソコンの連携は、今の時代ではすっかり当たり前となっています。メモリーの読み書きやコントロール、受信データの解析など、受信生活を快適にするものです。

     このうち、アルインコDJ-X11のメモリー編集ソフト「DJ-X11 Clone Utility」が、Ver.3.02にアップデートしました。ファームウェアのVer.2.60Jに対応したようです。
     一方、エーオーアールは「ダウンロード」のページを整理。取扱説明書のダウンロードだけとなり、AR5000用の「AREX SYSTEM」や、AR8200/8600シリーズ用の「AOR Workshop」は削除されました。
     「AREX SYSTEM」は、攻めの受信を行うための機能が満載。しかし、WindowsXP以降には非対応でした。「AOR Workshop」は、エーオーアールのイギリス法人AOR UKが制作したコントロールソフトで、メモリーの読み書きも可能です。
     エーオーアール日本語サイトではこれらのソフトは削除されましたが、英語サイトでは「AOR Workshop」がダウンロード可能です。なお、英語サイトではWIndowsXP以降に対応していないとしていますが、少なくともXPでは正常に動作します。

     1000chもの受信機のメモリーをいじるのは、受信機単体では骨が折れる作業です。パソコンを使うことで、簡単にメモリーの書き換えが可能になります。
     受信機を持っている人は、たいていパソコンも持っているはず。まだ連携させていない人は、ぜひとも連携させてみましょう。受信の世界が広がるはずです。
     受信機の中には、一部周波数が受信できない歯抜け仕様として売られています。カタログスペックでも、その部分は受信できないことになっているのです。受信機のシリアルナンバーのそばに三角形に囲まれた「J」が書かれており、このマークを「Jマーク」、歯抜け仕様の受信機を「Jマーク付き受信機」と呼びます。

     そもそも、1990年9月に当時の郵政省が「一般向けに製造販売されている受信機は、電気通信事業用の電話の周波数が受信できない構造とすること」という行政指導を業界に行ったのが発端。「自動車電話やコードレスホンなど、有線電気通信のための電波を受信することは、電気通信事業法違反になる」という解釈によるものです。
     つまり、電話回線として使われる電波は、通信の秘密において電波法ではなく電気通信事業法を適用することを意味します。言い換えるなら、「受信したら内緒にしておけ」ではなく、「受信そのものが許されない」ということなのです。

     郵政省が「電気通信事業用の電話の周波数」として指定した「受信規制対象周波数」は、以下の通りとなります。
    対象周波数帯(MHz)用途
    253~255小電力型コードレスホン子機側
    262~266●沿岸船舶電話(新方式)移動局側
    271~275●沿岸船舶電話(新方式)基地局側
    380~382小電力型コードレスホン親機側
    412~415新幹線列車電話移動局側
    810~830●コンビニエンスラジオホン基地局側
    830~832●空港無線電話移動局側
    ●航空機公衆電話基地局側
    832~834●マリネットホン基地局側
    860~885☆自動車電話基地局側
    885~887●空港無線電話基地局側
    ●航空機公衆電話航空機側
    887~889●マリネットホン移動局側
    915~940☆自動車電話移動局側
    940~960●コンビニエンスラジオホン移動局側
     指定されたのが今から24年も前なので、現在では別用途に割り当てられているものが大半です。表のうち、「●」は別用途に割り当てられたもの、「☆」はデジタル化されたものを示します。
     別用途に割り当てられた周波数も、デジタル通信が行われているのが実情。もはや、規制自体が意味をなさなくなっているのです。

     そんな規制も、Jマーク付き受信機でも内部のチップを除去するなどの改造を施せば、規制対象周波数が受信できるようになります。いわゆる「フルカバー化改造」ですが、すでに改造済みで売られている受信機が結構あるのです。
     ショップに行くと、改造済みの受信機には箱に目印がしてあるとのこと。店員に「改造済みをください」と言えば出してくれますが、まれに無改造の受信機を売られることがあります。
     そうなってしまえば、改造するしかありません。多少の技術力があれば、『ラジオライフ』やネットでの改造方法を参考に自分で改造することができます。技術力がない場合は、購入したショップにお願いするか、腕に覚えのある知り合いに頼むことになるでしょう。

     さて、規制対象周波数の412~415MHzには、Cタイプの周波数が含まれています。それだけではなく、各種業務無線も該当するのです。有名どころでは、東京ディズニーランドの414.9000MHzも規制の対象になっています。
     受信機を買ってCタイプを楽しもうと思っても、フルカバー改造を行っていないために周波数が合わせられないという現象が起こってしまいます。412MHzの次が415MHzとなってしまい、414.4250MHzの入換波や414.5500MHzの上り波がスルーされるのです。先に述べたように、改造すればCタイプも全3chフルに受信できるようになります。

     もし、規制対象周波数の見直しが行われたとしても、ほとんどデジタル化した新幹線列車電話のうち、山陽新幹線だけが現在もアナログのまま。それが幸いして、列車無線の一斉指令も山陽新幹線は受信することができます。
     今後もアナログのままなら、見直されても規制の対象になるのは間違いありません。痛し痒しといったところですが、改造という一手間を加えればちゃんと受信できるので安心してください。
     台風8号は現在、沖縄に最接近。沖縄県では特別警報が出されるなど、厳戒態勢がとられています。
     気になるのは今後の進路。日本列島を串刺ししそうな勢いです。
     そうなると、常に最新情報を入手し、いつでも避難できる準備をする必要があります。ここはやはり、受信機を常時傍らに備えておくべきでしょう。

     それ以上に、気を付けなければならないことがあります。それは、台風接近で風雨が強まり、屋外に設置したアンテナなどが飛ばされてしまう危険性があるのです。どこかに飛ばされるだけならいいのですが、飛ばされた先で家屋や人に被害を与えないとも限りません。
     今のうちに、アンテナ周りの点検をすべきでしょう。エレメントやラジアル、コネクター周りにゆるみがないか、しっかり地チェックしておくことをお勧めします。