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無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

 長波帯を使う誘導無線は、微弱な電波も相まって線路沿いでないと受信できません。携帯できるような長波用のアンテナは、ティーアール無線研究会のIRアンテナしかありませんでした。ただ、このアンテナはBNC接栓なので、最近のハンディ受信機の主流であるSMA接栓には、変換コネクターを使用する必要があるのです。
 この製品が唯一の「誘導無線用」をうたうアンテナでしたが、ここ最近相次いで新製品が登場しています。今回は、その情報をお送りしましょう。

 まず、マイクロ・パワー研究所のハンディ受信機用地下鉄誘導無線対応「高感度バー・アンテナ」です。アンテナ本体につまみが付いており、目的の周波数に合わせて感度を調整するようになっています。
 また、受信機にはアンテナ本体から伸びるケーブルで接続。SMA接栓なので、最近のハンディ受信機に直接つなげられます。
 大きさは大小2種類があるようで、当然大きな方が感度が上のようです。価格は大小どちらも5,000円で、別途送料500円がかかります。

 一方、『ラジオライフ』8月号に掲載されていたのは、KRFの地下鉄誘導無線用同調式アンテナ「IR-700」です。IR-700にもつまみが付いており、感度を調整する仕組みになっています。アンテナ本体から伸びるSMA接栓のケーブルで受信機に接続するのも、高感度バー・アンテナと一緒です。
 IR-700は秋葉原の老舗無線ショップ、富士無線電機で取り扱っており、価格は7,350円。なお、検索してもメーカーサイトや製品情報はネット上にはありませんでした。かろうじて、三才ブックス営業部のブログ「ラジオライフとゲームラボの営業ブログ」に掲載があるのみです。

 ところで、この2製品を見比べると、そっくりではありませんか! 対応周波数に若干の差はありますが、もしかしたらOEMなのかもしれません
 でも、気になるのは価格差。全く同じものだったら、私なら安い方を選んでしまいますが‥‥。

 いずれにせよ、なかなか受信しづらい誘導無線が聞きやすくなるのはいいですね。JR列車無線の完全デジタル化が目前に迫っている今、誘導無線に目を向けた方がいいかもしれません。

【2014年1月30日追記】
 現在は「ミズホ通信研究所」ブランドで販売されているマイクロ・パワー研究所のハンディ受信機用地下鉄誘導無線対応「高感度バー・アンテナ」は、KRFの「IR-700」とは無関係とのことです。訂正いたします。
 完全デジタル化が迫っている、首都圏のJR列車無線。いよいよ7月に、7号線区のデジタル化が実施されるようです。

 7号線区のデジタル波の周波数と対象区間はこちらをご覧いただくとして、7号線区のデジタル化は今までと様子が違います。これまでの流れでは、試験的に出ていたデジタル波はいったん停波し、デジタル化実施前に再開局していました。これにより、おおよそのデジタル移行日が推測できていたのです。
 ところが、今回は完全デジタル化直前ということもあるのか、7号線区のデジタル波は停波していません。このままデジタル化してしまいそうな勢いです。
 ただ、やはり7号線区は7月上旬にもデジタル運用を開始する見込み。さらに、後を追うようにして数週間で旅客一斉情報もデジタル化する予定です。
 運転台に取り付けられた旅客一斉情報の受信機は、アナログ機とデジタル機が隣同士で並んでいますが、一部の車両ではスペースの都合で、デジタル機を覆い被せるようにアナログ機を設置しているものもあります。この状態だと全車両の取り外しは一朝一夕では無理のような気もしますので、旅客一斉情報だけは1週間程度アナログとデジタルの同時運用になるかもしれません。

 いよいよ、「その日」が近づいてきてしまいました。残り少ない時間を、ワッチに注力しましょう!
 防護無線は、危険を認めた乗務員がほかの列車にその危険を知らせるためのものです。防護無線を受信した列車は、ただちに非常停止させなければいけません。
 この防護無線、到達距離はおおむね1kmを想定しています。ところが、それを大きく上回るような「事件」が起こってしまいました。
電車無線、10キロ先に届いて非常停止 電離層で反射か

 27日午前8時半ごろ、大阪府高槻市のJR京都線摂津富田駅近くを走行中の西明石発京都行きの普通電車(7両編成)の運転士が、踏切内に男性が立ち入っているのを発見。同線を走る他の列車を緊急停止させる電波「防護無線」を発信したところ、約10キロ離れた同府枚方市内の学研都市線を走っていた複数の電車も受信し、非常停止した。男性にけがはなかった。京都線は3分後に運転を再開したが、学研都市線で尼崎発京田辺行きの普通電車が津田―藤阪間(ともに枚方市)に約20分間停車、計5本が運休するなど約1万人に影響が出た。

 JR西日本によると、同じ路線を走る列車が使う防護無線は通常、半径1キロ程度しか届かない。今回のトラブルの原因については、夏の大気中にできる「スポラディックE層」と呼ばれる特殊な電離層が電波を反射し、通常より遠くまで飛ばしたのではないかとみている。

 JR西は「広い地域の電車が止まりお客様に迷惑をかけたが、安全性には問題がない」としている。
 以上は朝日新聞のものです。本来は1km程度しか飛ばない防護無線が、10kmほど離れた無関係の路線にまで及んでしまいました。

 ただ、気になるのはその原因。JR西日本は異常伝搬、すなわち「Eスポ」と略されるスポラディックE層を原因としているのです。
 確かに、この時期はEスポが発生しやすいシーズンではあります。ただ、Eスポは1000km先の電波を反射させるものであって、10km先の電波は反射しません。

 したがって、可能性として高いのは地形的なものと考えられます。防護無線を発報もしくは受信した列車が、周囲に障害物がなく見晴らしのいい場所にいたのかもしれません。
 事実、1986年には当時の国鉄常磐緩行線綾瀬駅付近を走行していた列車から防護無線が発報、10線区23本の列車が止まってしまいました。車掌が誤って防護無線機に触れてしまったために発報されたものでしたが、問題は列車のいた場所。列車が当時の営団千代田線をまたぐ高架付近にいたこともあり、想定以上に電波が飛んでしまい他線区にまで影響してしまったのです。
 本日の一件は、朝日新聞以外にも産経新聞読売新聞のサイトにも掲載されています。ただし、地形的な可能性に言及しているのは読売新聞だけです。
 周辺に大きな障害物がない場合にも防護無線が遠方に届くといい、神戸方面を走る東海道線の列車が作動させた防護無線が大阪湾を飛び越え、無関係な大阪府南部を走る阪和線の列車に伝わるケースもあるという。
 読売新聞は、異なるアマチュア無線局1万局との交信でもらえるアワード「よみうり1万局賞」の発行元。Eスポ以外の可能性を掲載したのは、そのせいかもしれません。

 いずれにせよ、電波伝搬の不思議を垣間見ることができた事件ですね。

【5/28 4:43追記】
 その後、朝日新聞のサイトでは2段落目が以下のように訂正されました。
 JR西日本によると、同じ路線を走る列車が使う防護無線は通常、半径1キロ程度しか届かない。今回のトラブルの原因については、大気中にできる電離層が電波を反射し、通常より遠くまで飛ばしたのではないかとみている。
 「Eスポ」の記述がなくなっています。どこからか「こんな短距離の伝搬はEスポではありえない」とクレームが入ったのでしょうか?
 前回に引き続き、アルインコDJ-X11の使用感などを検証していきます。今回は、誘導無線の感度をチェックしてみました。
 検証では、通話がないときでも常に無変調が出ている以下の3路線で行っています。
  • 東京メトロ東西線(基地局185kHz)
  • 東京メトロ千代田線(基地局245kHz)
  • 京急本線・空港線(基地局130kHz)
 いずれも、駅構内および車内で内蔵バーアンテナをONの設定にして受信しました。

 まずは東京メトロ各線。ホーム上でも、十分な感度で受信できました。一方、車内でも駅間で誘導線が横に張られている限りは、何の問題もなく受信できます。駅で誘導線がホーム下にあっても、駅間より多少感度は落ちるもののしっかり受信できました。
 これなら、ティーアール無線研究会のIRアンテナが必要ないくらいです。もちろん、IRアンテナを使えば感度も上がることを付け加えておきます。

 今度は京急です。さすがに、京急はホーム上でも内蔵アンテナではあまり受信できません。ときどきスケルチが開くのみで、IRアンテナの助けを借りないとダメなようです。
 駅構内でこのような状態ですから、車内でも内蔵アンテナでの受信は困難を極めます。意外と京急は受信しづらいですね。

 なお、余談ですがNDBの受信実験も行いました。受信対象は、373kHzの館山局。IDはPQで、出力は2kWです。東京23区北西部の自宅から、短波ラジオであるイートン社の「G6 AVIATOR」と比較をしてみましたが、結果は惨敗でした。
 G6 AVIATORでは中波ラジオのカブりを受けてかろうじて受信できましたが、DJ-X11では内蔵バーアンテナでも、IRアンテナでもダメ。ノイズのみです。
 DJ-X11のAMは信号強度に応じて変調音の大きさが決まるようで、微弱な電波だと音量が小さく聞こえます。それなので音量を最大にしてみましたが、NDBの信号をとらえることはできませんでした。

 最近の広帯域受信機は、長波の受信感度がよくなってきています。一応、DJ-X11でもそれがある程度証明されたといえそうです。
 昨年末登場したアルインコの広帯域受信機、DJ-X11。「電池の持ちがいまいち」と評されましたが、以前にも書いたとおりファームウェアがアップデートされ改善されたようです。
 この機種には興味があったのですが、電源周りのマイナスポイントがあったため購入をためらっていました。しかし、改善が施されたということで購入を決断。早速、秋葉原のショップで購入しました。
 なお、現在店頭に並んでいるDJ-X11はアップデート済みです。仮にアップデート前のものを購入しても、PC接続ケーブルのERW-7もしくはERW-8を使えば自分でアップデートすることができます。

 ファームウェアのアップデート前は、エネループではフル充電しても1時間ほどしか持たなかったようです。そこで、今回は以下のような条件で連続受信実験を行いました。
  • エネループはフル充電直後のものを使用
  • FM局をシングルバンドで受信
  • 音量は12でイヤホン使用
  • 操作は一切しない
 「せいぜい半日持てばいいかな」ぐらいに思っていましたが、実際には23時間半も連続受信できたのです。何も操作しないのでバックライトも点灯しないという好条件ですが、意外にも長持ちしたので驚きました。
 これなら、実用上十分といえそうです。ただし、メーカーはエネループのような単3型充電池の使用を推奨していません。あくまでも「自己責任」でお願いします。

 今後、DJ-X11をあらゆる面で検証していきたいと思います。
 JR東日本が進めている、首都圏の列車無線のデジタル化。これまで6回にわたってチャンネルごとに行ってきたデジタル化も、7号線区を残すのみとなっています。
 その7号線区のデジタル波が、本日開局しました。周波数は、以下の通りです。
352.53750
352.65625
※周波数の単位はMHz。
※移動局の周波数は、上記周波数の16.5MHz下。


 これまでは3波開局していたのですが、今回だけは2波のみの開局となっています。空き周波数はあるはずなのに、2波だけなのは不思議です。
 7号線区は、現在A5chを使っている以下の路線が対象になっています。

中央・総武緩行線三鷹~千葉
横浜線東神奈川~八王子
武蔵野線府中本町~新松戸
新小平~国立
西浦和~大宮
青梅線立川~奥多摩

 順調にいけば、7月にもデジタル化する見込みです。ついに、カウントダウンが始まってしまいましたね‥‥。
 4月4日からデジタル化した6号線区ですが、ついにアナログが停波してしまいました。6号線区はA6chで、対象は京浜東北・根岸線のみです。
 元々、京浜東北線は自宅からでもかろうじて入感する程度でした。昨日までは空き線信号も入感していましたが、本日改めてA6chを受信すると入感しなくなってしまったのです。これで、6号線区はアナログに戻ることはなくなりました。

 いよいよ、最後はA5chを使用する7号線区のみです。残りわずかですが、心して受信しましょう。
 かねてからデジタル波が出ていた6号線区ですが、本日デジタル化しました。これに伴い、アナログ運用を行っているのはA5chを使う7号線区だけになっています。
 今後、7号線区のデジタル波は今月中に開局する見込みです。そして、6~7月にはデジタル運用が開始し、旅客一斉情報もデジタル化。首都圏のJR列車無線は、完全デジタル化を果たすことになります。
 残り少なくなったアナログ列車無線を、思う存分聞きまくりましょう。
 本日、京葉線のデジタル列車無線に不具合が発生した模様です。15:30ころに「京葉線の列車無線に不具合が発生したため、乗務員は業務用携帯電話の電源を入れるように」との指示が出され、旅客一斉情報でも同様の内容が流されました。
 しかし、その10分後には復旧したようです。詳細は不明ですが、デジタル化した列車無線のトラブルは初めてではないでしょうか?

 なお、本日からJR東日本でも振替輸送のパターンに名称をつけたようです。ただし、振替輸送の依頼先の路線名を旅客一斉情報で流すので、私鉄のように「パターン○」だけで終わらないだけ親切といえます。
 これまで停波していた6号線区のデジタル波が再開局したことを、先ほど確認しました。6号線区は、A6chを使う京浜東北・根岸線が対象です。以前にも周波数をお知らせしましたが、念のために再掲します。
352.53750
352.56875
352.66250
※周波数の単位はMHz。
※移動局の周波数は、上記周波数の16.5MHz下。


 気になるのは、デジタル化の日時でしょう。これまでの傾向から、4月4日初電からとなりそうな気がしますが、果たして‥‥?
 6号線区がデジタル化してしまうと、残りはA5chに相当する7号線区のみとなります。いよいよ、首都圏のJRが完全デジタル化する日が近づいてしまいました。それまでの間、聞けるものは何でも聞き、記録できるものは可能な限り記録していきましょう。