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無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

 今日と明日の2日間、東京・有明の東京ビッグサイトで「ハムフェア2011」が開催されています。ここでは各アマチュア無線機メーカー、受信機メーカー、アンテナメーカー、販売店やクラブなどがブースを出展。日本のアマチュア無線で最大のイベントです。

 その中で、エーオーアールをはじめ、複数のブースに気になるチラシが置いてありました。それによると、『周波数帳』がiPhoneアプリになるというのです。
 今まで持ち運べる周波数データといえば、『ラジオライフ』の毎年2月号に付録する『ラジオライフ手帳』や、毎年8月に発行の『周波数バイブル』くらいしかありませんでした。しかも、できる限り荷物を軽くしたいときには、紙(本)という性質上多少なりともかさばってしまうのです。
 だからといって、周波数データをネットに頼っても総合的なサイトは皆無。意外とネットは使えません。仕方なく、必要なデータを携帯電話のメモ機能に登録したり、スマートフォンでファイル化したりするしかありませんでした。
 ところが、いざそれをやろうとするとデータ量の膨大さで心がくじけてしまいます。iPhone限定ですが、そんな手間を省くアプリが登場することになったようです。

 チラシでは、iPhoneアプリ版にはさまざまな検索機能が用意されています。GPS機能を使い、現在地で受信しうる無線局をジャンルごとに検索できるほか、キーワードやジャンルなど、紙ではなしえなかった検索も実現。単純に周波数順データをデータ化しただけの2011-2012年版CD-ROMに比べても、格段に機能が向上しているようです。
 アプリそのものは無料のようですが、データは全国を6エリアに分けて販売する模様。全国一括購入では2800円を予定しているようです。個人的には、もう少し安くしてもよさそうな気がします。

 秋には登場予定とのことですが、惜しむらくはiPhoneだけになっていること。せっかくなので、Androidにも対応して欲しいという声が多く聞こえそうですね。

【18:06追記】
 その後ネットで検索をかけたところ、iPhoneアプリ開発元であるハンズエイドのニュースリリースが出てきました。詳細は下記リンクをご覧ください。
国内唯一の周波数辞典「周波数帳」が iPhone/iPod touch 用のアプリになります!
 台風6号が日本の南岸に接近しています。風雨が強くなることが予想されるので、受信機を活用して最新の情報を入手してください。
 沿岸の地方では国際VHFなどの船舶無線で波の情報を、それ以外の地方では防災行政無線や消防無線などで土砂災害や河川の増水などの情報を得ることができます。また、鉄道無線やバス無線でも、風雨に伴う運行状況を把握することが可能です。
 皆さんも、傍らに受信機を用意し、正確な情報の入手に努めましょう。
 昨年7月4日には首都圏JRの列車無線がデジタル化され、その5日後の7月9日には旅客一斉情報もデジタル化されました。早いもので、アナログが停波してから1年がたちます。

 運行情報はウェブでも確認ができますが、必要最低限のことしか書かれていません。詳細を知るには、やはり列車無線を聞くのが一番なのです。
 しかし、それが今ではかなわなくなってしまいました。どの列車がどれだけ遅れているのか、今乗ろうとしている列車が今後どうなるのか、一般市民には知るよしもありません。
 残された道は、駅員連絡用で各駅に配備された簡易業務無線を受信することぐらいでしょうか? 駅ごとに周波数が違うため、それを把握する必要があります。
 主要駅は『ラジオライフ』でも掲載されたことがありますが、まとまったリストになっていません。また、複数波対応の簡易無線機だと簡単に周波数切り替えができるので、1つの駅で複数の周波数を使い分けることも考えられます。
 いずれにせよ、簡易業務無線の周波数をスキャンする必要があるでしょう。

 ところで、鳴り物入りで運転台に備えられた子機も、東京駅での成田エクスプレス併結作業以外に活用事例が聞かれないのが不思議です。Cタイプ無線機である子機を使い、運転台のデジタル無線機を介して指令と通話することを想定しているはずですが、使われたという情報が一切ありません。一部の子機は運転台から撤去されているようなので、何か不具合でもあったのでしょうか?
 また、役目を終えたアナログの旅客一斉情報の受信機が、未だに撤去されずに運転台に取り付けられたままになっています。デジタル化されたらさっさと撤去するかと思われていただけに、なぜまだ設置しているのか理由が気になるところです。

 あれから1年が経過しましたが、今まで入手できた情報が入手できない状況がストレスとなってしまい、「デジタル化ショック」の傷が癒えていないような気がします、個人的に(苦笑)。
 航空無線の中でも、無線航行でフライトを支え「縁の下の力持ち」ともいうべきVORとNDB。無線航行の近代化、高度化に伴い、相次いで廃止が予定されています。
 ここで、2012年3月までの廃止計画をご紹介します。なお、一部のDMEを併設したVORは、DMEだけの運用になるようです。
廃止日VORNDB
局名ID周波数(MHz)局名ID周波数(kHz)
2011年6月30日信貴VORSIE111.6新潟NDBGT253.0
2011年7月28日高松VOR
秋田VOR
浜松VOR
TZC
ATE
LHE
117.5
116.1
110.0
粟国NDB
久米島NDB
大島NDB
八丈島NDB
AN
KX
XA
HC
268.0
295.0
214.0
340.0
2011年11月17日   喜界NDBKI382.0
2011年12月15日   佐渡NDB
上五島NDB
波照間NDB
NI
CA
HR
369.5
367.0
332.0
2012年1月12日那須VORNZE114.8館山NDB
福江NDB
PQ
FU
373.0
263.0
2012年2月9日   鹿児島NDB
永良部NDB
沖縄NDB
南大東NDB
宮古島NDB
HK
ON
OK
MD
MY
390.0
398.0
308.0
405.0
340.0
2012年3月8日   熊谷NDB
名古屋NDB
大宮NDB
荏田NDB
AY
KC
MI
RB
283.0
360.0
228.0
357.0

 自宅でも受信できていた荏田NDBや館山NDBが廃止になってしまうのは、実に残念です。特に館山NDBは、出力が5kWと強いため首都圏の広範囲で受信可能でした。
 受信していてもIDがモールスで流れるだけですが、上空の航空機に向けて電波を出し続けてその存在をアピールする「電波の灯台」の役目を果たします。VORやNDBが続々と閉局となるのも、時代の流れなのでしょう。
 求人情報のサイトで、このようなものを発見してしまいました。職種名は「列車無線のシステムエンジニア」となっており、以下のような職務内容です。
  • 首都圏の大手私鉄の顧客向けに列車無線のデジタル化に向けたシステム開発を行って頂きます。要件定義、プロジェクト管理、顧客提案における技術的サポート等を行って頂きます。
  • 協力会社を含む十数名、数十億規模のプロジェクトが多く、期間は1年位になります。
  • 今後の戦略:電鉄各社の更新のタイミングに、クライアントの仕様に即したソリューション提供の実現を目指します。
  •  ほかにも複数の求人情報サイトにも掲載されていますが、これらは求人元の記載はありません。その気になる求人元はNEC。「ピーギャラ」という空き線信号を開発し、首都圏の大手私鉄にそのシステムを納入した、あのNECなのです。
     この募集要項を読む限り、NECとしても列車無線のデジタル化に取り組むことがうかがえます。それに備えての人材募集のようです。

     もちろん、現在運用されているいわゆる「NEC方式」の列車無線が、今日明日にでもデジタル化されるというわけではありません。ただし、デジタル化の準備がメーカー側でなされていることに留意しなければならないでしょう。
     NEC方式は、東急が最初に導入してからおよそ20年が経過しています。そろそろ、システムの更新を検討してもおかしくない時期です。我々も覚悟はした方がいいのかもしれません。
     5月2日付の官報によると、6月2日から高知空港の管制が変わるようです。具体的には、高知TWR以外は関西空港のレーダー管制圏に入ります。
     AIPによると、周波数は現行と変わらず、コールサインのみが変わるようです。一応、以下に現行と6月2日からの高知空港の周波数を掲載します。
    現行6月2日から
    コールサイン周波数(MHz)コールサイン周波数(MHz)
    高知APP/RDR125.0
    124.8
    261.2
    121.5(E)
    243.0(E)
    関西APP/RDR125.0
    124.8
    261.2
    121.5(E)
    243.0(E)
    高知DEP124.8(P)
    125.0
    261.2
    121.5(E)
    243.0(E)
    関西DEP124.8(P)
    125.0
    261.2
    121.5(E)
    243.0(E)
    高知TWR118.75(P)
    126.2
    261.2
    121.5(E)
    243.0(E)
    高知TWR118.75(P)
    126.2
    261.2
    121.5(E)
    243.0(E)
    高知ATIS126.45高知ATIS126.45
    ※(P)は主用波、(E)は非常用。

     一方、上記の官報の次のページではNDBを2局廃止する告示もなされています。それによると、札幌NDB(357kHz/ID:SP)と羽田NDB(337kHz/ID:HM)が6月2日に廃止されるようです。
     精度が高い航法の普及によって、NDBは今後も廃止が計画されています。受信してもIDをモールス信号で流しているだけですが、長波から中波にかけてのパイロット局がなくなるのは時代の流れのようです。
     暫定復活と停波を繰り返していたJJY福島局「おおたかどや山標準電波送信所」は、4月25日にまた停波してしまいました。今回の停波は、この日12:06分の落雷によるもの。詳しくはこちらをご覧ください。
     停波の原因が落雷となると、アンテナや送信機に不具合が発生しているとも限りません。実際に現地へ行って確認する必要があるものの、福島第1原発の警戒区域にあるがためそれすら困難な状況です。
     これは、停波の長期化を意味します。早ければ数日で対応可能になるかもしれませんが、数週間から数か月単位の期間を要する可能性も否定できません。

     停波から点検までに時間がかかるか、このような事態が頻発するようなら、福島局の移転も検討した方がいいのではないでしょうか。もちろん、移転先の用地確保や予算などの問題もあります。
     ただ、原発問題はいつ収束するか先が見えません。仮移転だとしても、準備期間と収束までの期間を天秤にかけた場合、仮移転の方に分があれば検討に値するでしょう。
     正確な時を刻む電波時計が生活に密着して久しい昨今、標準電波の停波が生活に与える影響も甚大です。早急な福島局の復活を願ってやみません。
     昨日停波したJJY福島局「おおたかどや山標準電波送信所」は、18:49ころに暫定的に復活した模様です。詳細はこちらをご覧ください。
     復活まで時間がかかると思われましたが、速やかに対応したようです。今後も、不測の停波があるかもしれません。電波時計の電波が拾えていないと思ったら、情報通信研究機構(NICT)標準電波の送信状況をチェックしましょう。
     4月21日に復活したJJY「おおたかどや山標準電波送信所」は、4月23日17:10ころに停波した模様です。情報通信研究機構(NICT)標準電波JJY送信情報には、詳しい原因は明記されていませんが、停波したことが記されています。
     復旧見込みは未定とのことですが、おおたかどややま山標準電波送信所が福島第1原発の警戒区域にあることから、エンジニアが送信所に行くこと自体が困難な情勢です。復旧までには、相当な時間がかかることが予想されます。
     3月12日から、東日本大震災による原発事故で避難指示が出されていたため停波していたJJYの福島局こと「おおたかどや山標準電波送信所」。その情報は以前お伝えしましたが、4月21日13:54に復活した模様です。
     JJYを運営する情報通信研究機構(NICT)によると、あくまで「暫定的に送信を再開」したとのこと。NICTの日本標準時グループのサイトに、詳細が記されていました。
    おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は暫定的に送信を再開しました

     おおたかどや山標準電波送信所では、福島第一原子力発電所の周辺地域を対象に避難指示が出されたことを受け、標準電波の送信を3月12日19時46分から停止していましたが、必要な措置を実施し、4月21日13時54分に暫定的に送信を再開しました。

     今後、落雷や停電等により停波を余儀なくされる可能性もあります。標準電波をご利用の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願い申し上げます。

     なお、はがね山標準電波送信所(60kHz)は通常通りの運用を行っています。

     福島局が復活したことにより、東日本でも安定してJJYを受信することができるようになったのです。特に、初期の電波時計は福島局の40kHzしか対応しておらず、九州局の60kHzは受信できません。そのため、停波していた約40日間は時刻合わせができずに、日に日に狂ってしまったのです。
     しかし、暫定的とはいえ復活したことで、古い電波時計でも正確な時を刻むことができるようになりました。一応の復活で、一安心といったところでしょう。
     
     ただし、本日0:00をもって、福島局を含む福島第1原発の半径20km圏内が立ち入り禁止となる「警戒区域」に設定されました。このことが、福島局のメンテナンスに少なからず影響を与えると思われます。
     落雷などで停波した場合、速やかに復旧できないことが予想されるのです。このあたりが、「暫定的」としている理由なのかもしれません。