とけいのじかん4
再発見
時計マニアと一口に言っても実は十人十色の楽しみ方があり、
また、その趣向の向く方面も多岐にわたる。
でも大きく分けると、
時計を集める人と、時計を次々買い換える人がいるようだ。
集める人はひたすら集めるのが好きで時計を買うらしい。
そのうちに自分でもいくつあるのか分からなくなっているのではないか。
でも、年代とかバリエーションとか色んな種類の時計を
集めて並べたら壮観だろうと思う。
この気持ちもよく分かる。
一方で買い換える人は、とりあえず手に入れ使ってみて満足したら、
その時計を手放して新しい時計を買うようだ。
後者のタイプの人にとってはリセールバリューが重要な問題で、
この点はロレックスがやはり一番らしい。
若しくはネットオークション等で売って資金にする人もいる。
世には魅力的な時計が溢れているが資金は限られているし、
人生は短い、色んな時計と触れあおうと思えば実に合理的な方法だ。
どちらかと言えば私は前者の集めるほうだと思う。
あれこれ買い替えるよりも一つのものと、じっくり長く付き合っていきたい。
それに、あるブランドの、年代、デザイン、カラー等のバリエーション別に
集めたくなる気持ちもよく分かるし、
機械的進歩の足跡をたどるのも一興だろう。
そうは言っても、
財布の実力の範囲で楽しもうと思えば無暗に数も増やせない。
使いこなせないほど物を所有すると罪悪感が湧いてきたりもする。
だから一応は慎重に数が多くなり過ぎないよう自制しているつもりだ。
まあ、あくまでつもりの話でジリジリと増殖しているのが事実である。
そうして時計を集めているうちに、よく使うものと、あまり使わないものが
自然と出てきてしまう。
でも、どこかが気に入ったから手に入れたので、
基本的には好きな時計に違いない。
あまり長く放置しておくのも問題だからと時々思い出したように使ってみる。
改めて使ってみると、新たな魅力を再発見することもよくある。
例えば、このシチズン・ドレッセルもそんな一つだ。

私はアラビア数字の時計は以前それほど好きでなかった。
だから商店街の古い時計店で、この腕時計を見つけた時も
それほど欲しいとは思わなかったし、当時は不動品だったので尚更だった。
でも、ある日突然欲しくなって手に入れた。
しばらく気に入って使っていたのだが、
リューズの角が立ち過ぎていて手の甲側に当たると、けっこう痛いのである。
ミミズばれのようになることもあった。

手巻きの時計だからネジを巻いているうちに
リューズの表面が減って丁度よくなるかとも思ったが
それを待たずに自然と使用頻度が下がり
収納ケースの中で眠っていることが多くなった。
たまにケースから取り出してもネジを巻いて机の棚に飾っていることが多かった。
でも、それではもったいないので何とかうまく使えないものかと思案して、
手首の少し上側に巻いてみたら案外いい感じだ。
でも、やっぱり手の甲にこすれると痛い。
サンドペーパーでエッジをなめらかにしようかとも考えたが、
変にキズをつけても嫌なので、
自分の爪の表面をヤスリ代わりにして少しずつ研磨してみた。
はじめは、けっこう削り粉がでて、
このままでは爪が薄くなり過ぎるだろうと心配になったが、
徐々に爪にキズもつかなくなってきている。
その作業もあまり根を詰めないでテレビを見ているときなどに
気が向いたらコツコツ磨いてみた。
おかげで今では、ほとんど気にならなくなった。
前にも書いたが私が私淑(ししゅく)している赤瀬川氏がいかにも好きそうな
全アラビア数字インデックス、ノンデイトの手巻き式腕時計だ。
視認性はもちろん高いし数字も大きめで、
デザインもちょっとシャレているのがお気に入りだ。
石の断面図のような文字盤もきれいだ。
でもこの材料が石なのか貝なのか、それとも昆虫のハネなのか
情報がまったく無くて不明なままである。
それからケースの材料も普通のステンレススチールではない気がする。
色味が微妙に異なるように見える。
でも裏蓋にはオールステンレススチールとある。
材料の調合の問題かとも思うが、文字盤の材料も含め、
40年前のマイナーなモデルの仕様について資料を探すのは面倒だし難しい。
それに全数字の手巻きと言ってもセイコーのロードマーベルや、
同じシチズンの国鉄ホーマーに比べると知名度や人気は雲泥の差があって、
その点、ちょっと引け目を感じることもある。

でも、私の場合、時計道楽を続けて知識や経験が増した結果、
他人の評価が気にならなくなってきている。
そういうものを踏まえた上で、
今は自分が気に入っていれば、
それがガッチャであれマイナーモデルであれ
良い時計なのだと思うようになった。
もちろんバッタもん(ニセモノ)の類は論外である。
その点だけはよくよく注意していきたい。
(;・`д・´)
帰ってきたユミさん
ええっ! ユミさんそれはバッタじゃなくてテントウムシでしょう!?

※
このキャラは“電波人間タックル”というそうです。