とけいのじかん2
黄金の輝きの行方
古来より人は黄金の輝きに魅せられてきた。
もちろん現代だって同様であろう。
黄金が嫌いな人は、まず、いないと思う。
ところが時代や民族性等の違いによって金色を
どのように日常生活に配するか、そのバランス感覚は異なってくるものだ。
現在でも中国あたりでは腕時計も、とにかく金色が好まれるそうだが
日本国では微妙である。
私個人の印象に過ぎないが、金色の腕時計は
年配の人が身に着けるものというイメージがあるし、
年齢にかかわらず、あまり金ぴかな品物を身に着けていると、
成金趣味でセンスが悪いと思われるのではないだろうか。
少なくとも、腕時計にハマり始めた当初、私は金色の腕時計を敬遠していた。
はじめて購入した時には、かなり悩んだ末の冒険だった。
ところが“案ずるより産むがやすし”というが、
実際に身に着けてみての感想は、デザインや色調に注意さえはらえば、
ファッションアイテムとして差ほど難しいものではないと思うようになった。
“人生行路諸事万端なんでも慣れが肝要”と言ったところだろうか。
もちろん、私の勝手な思い込みに過ぎず、
周囲の人達からは「趣味ワル~。ダサイ~!」と思われているかもしれない。
いずれにしても、上記のような理由からか、
オークション等でも金色の時計はあまり人気がないようだ。
結果的に、いつの間にか私のささやかなコレクションには
金色の腕時計が増えてしまった。
それでも未だに、あまりに金金ピカピカな時計には二の足を踏んでしまう。
そんな“成金趣味と思われるのが怖い症候群”の皆さんにもお勧めなのが
いわゆる古時計(アンティーク・ウォッチ)の金色時計なのである。
何故ならば、使い込まれ適度に経年変化した金色には、
かえって詫びた魅力が生じるからだ。
例えば、こんな腕時計はいかがだろうか?

これはモーリスの“グランプリ”と言う手巻きのモデルである。
モーリスと言われても、余程の古時計マニアでもない限り
名前すら聞いたことが無いだろう。
実際、“1970年代にはティソ社に吸収合併”されてしまったらしく
今では名前すら残っていない時計メーカーだからだ。
そう言えば「ライカもいいけど時計がほしい」の赤瀬川源平氏も
モーリスの懐中時計を入手した時に、
「どこかで聞いたような…」と記しているくらいだ。
もちろん、私は全く知らなかった。
ところが出品者の方の説明文には、
“服部時計店(現セイコー)でもモーリスの時計が売られていたよう
(当時のカタログに記載があるとのこと)で、
セイコーやシチズンにムーブメントのパーツを供給していた時期も
あった様です。
当時はかなり知名度のあるブランドだったようでした。
実際セイコーにはモリス型と呼ばれる腕時計用ムーブメントがあって、
1923年(大正12年)に先行試作された
セイコーの「グローリー9型」とモリス9型は
非常によく似ており、
日本の時計に多大な影響を与えた時計と
言ってもいいのではないかと思われます。”
とあり、我が国の時計史にも由来があるようだ。
また、実際にメーカーのロゴを除いた
全体的な印象は国産時計のような雰囲気があるし、
Sマークをつけたらセイコーの腕時計で通じる気もする。

確かムーブメントも同様だったと思うのだが、
自分のような素人が下手に裏蓋を開けると
傷をつけかねないので画像をUPすることができない。
まあ、中の機械が気になるというようなマニアの方は少ないだろうし、
そんな人なら“Cal..10.5CD 17石 18,000振動/h(5振動)”
とだけ記しておけば
自分で検索して調べることができると思う。
ちなみにリューズにもロゴがあしらわれている。
さりげないポイントだったりする

ともあれ、角々とした“社外品のエキスパンドブレス(伸び伸びバンド)”と
枯れた文字盤が相まってか、何となく品行方正な印象で
成金時計には見えない(と私は思っている)。
スイスメイドの時計にしては
あまり色気ムンムンという感じでもなく気に入っている。

文字盤は経年変化が著しい。
錆が原因と思われるポツポツやシミもある。
だが、そんな枯れた味わい深さも古時計の魅力の一つであろう。

実は、この時計、ブログ友達のとんぬらさんが
某オクに出品していたものである。
「機械式時計のムーブメントは…」は愛読しているブログの一つなので、
とんぬらさんが整備した時計を一本は手に入れたいと以前から思っていた。
結局それが、スイス メイド コレクション2号になった。
奇縁であろう。
そう言えば、
唐○ユミさんも眼鏡はいくつか持っているそうだが、
さすがに金縁眼鏡をかけているのは見たことが無い。
やっぱりコーディネートが難しいのだろうか?
