とけいのじかん5
風前の灯火
風前の灯火(ふうぜんのともしび)とは
「風の吹くところにある灯。危険が迫っていて今にも滅びそうなことのたとえ」である。
今や町の時計屋さんは正に風前の灯火である。
先日、オリエントスターの紹介をするためにアマゾンで調べてなおしてみたところ、商品レビューに「町の時計屋さんでOHを頼んだら断られた」というのがあって驚いた。
また、当ブログにいつもコメントを下さる方々も異口同音に、町の時計屋さんでも数千円くらいでは機械式時計の整備をしてもらえなくなったと書いている。
私の住んでいる町にも一軒だけ機械式時計の整備を請け負ってくれる時計屋さんがあるが、店主さんは高齢で息子さんも後を継ぐ気がないようだから、この先いつまで整備を請け負ってくれるか分からない。
しかも実は、こんな出来事もあった。
前々回で紹介したダイナミックオート45石は、けっこう高額で落札したSSケースの個体に問題があったので、ドナーを入手してムーヴメントをこちらの時計店で丸ごと入れ替えてもらった。
ところが数日後、ローターの回転音がしなくなったので不審に思い裏蓋を開けてみたら自動巻き機構を留めているネジの一つが抜けてローターにはさまっていたのである。
慌ててネジ穴に差し込んで留め直したのだが、数日後にやっぱりまた抜けてしまったので、もう一度、時計店で締め直してもらった。
その後は問題なく動いている。
やれやれと一安心してドナーの金色ケース個体の風防やケースをせっせと磨いていたら、今度はこちらのローター音がしなくなった。
ブログで紹介するのに裏蓋を開けてみたら案の定ネジが一本抜けてローターにはさまっている。
どうやら抜けたのはムーヴメントを本体に固定するネジのようである。
前回はすっかり周章狼狽(しゅしょうろうばい)してしまい写真を撮るのを忘れてしまったが、今回は二度目ということもあって冷静に対応できた。
こうして証拠写真も撮ったくらいだ。
まあ自分も少しは時計用工具をそろえているのでネジの一本くらいは閉められる。
それに、この前の一件で店主さんからネジ締めの力加減も教えてもらっていたので、けっこう力を入れてしっかり締め直した。
その後は特に問題はない。
こちらの時計店にお世話になるようになってから10年くらい経つが、今回のようなことははじめてだ。
店主さんも「けっこう手間がかかって苦労した」と言っていたから、やはり寄る年波には勝てなかったのかもしれない。
最期のネジ締めまで集中力が続かなかったのだろうか。
さて困った…いずれにしても、やはり町の時計店で安く機械式時計の整備をしてもらえるのも時間の問題だ。
かくなる上はやはり禁断の自己メンテの道に踏み出すしかないのか?
幸いダイナミックオート33石の分解図がトンボ本に掲載されていた。
後は工具をもう少しそろえれば何とかなるかもしれない。
しかし日々進む老眼に持病の肩こりという難問が立ちはだかっている。
更に新たにニャンズのイタズラという、やっかいな問題も加わった。
私が机に向かって何か作業をしていると、必ずニャンズが邪魔しにくるのである。
中でもキジトラのシマ子はイタズラ好きで、机の上に飛び乗ってきて興味津々に作業をのぞきこんでくるのだ。
ムーヴメントの細かい部品をピンセットでつまんで組み立てている最中に、あれをやられたら事である。
どこかへ部品をすっ飛ばしてしまって見つからなくなるかもしれない。
さりとて部屋から閉め出すと戸をガリガリと引っかいて「入れてニャ~!」とかえって大騒ぎする。
う~ん、これまた実に悩ましい問題である。
さて困ったものよ…
(;´Д`)






