とけいのじかん5
JET退院する
ローターの回転がいまいちになってしまい入院していたシチズン ジェットを今日引き取ってきた。
結局、自動巻き機構を一度外して組み直すことで問題が解消されたようである。
先日、ルチクルさんもジェットムーヴメントは構造上、部品を留めているネジが緩んでしまいローターの回転がわるくなるケースというのはあると話していたが、その通りの原因だったということだろう。
とにかく購入当時と同じように「ジャラララララ♬」と音をたててローターが回転するようになった。
ジェットには手巻き機能が付いているから手でゼンマイを巻いておけば普通に動くには動くのだけれど、この作動音がジェットの名前の由来であり特徴でもあるから、やっぱり、この音がしないと何だか物足りない。
オーバーホールはどうするかと聞かれたが、今のところ精度は安定しているし、リューズ操作をしても整備が必要なほど油切れを起こしている様子もないので今回は見合わせた。
しかも今回も自動巻き機構の点検と再組立て料金をサービスして頂いた。しがない庶民としては実にありがたい。
困ったときにかけこめる時計の病院があるというのは、好事家にとっては本当に安心できる。今回もホッと胸をなでおろした。
しかし、こんな恵まれた環境もいつまで続くだろう。こちらの店主さんも御高齢である。店もあまり儲かっている雰囲気ではない。
近年、世界の各時計メーカーは販売も整備も独占しようと、こうした市井(しせい)の時計店をどんどん切り捨てている。
機械式時計を本当に文化の一つだと思うのならば、各時計メーカーは、もっとすそ野を広げる活動を長期的な視野を持って行うべきではないだろうか。
例えば整備士の育成なんかにもっと力を入れて取り組むべきだろう。
一人の機械式時計愛好者として私は常々そう考えている。
このままでは、しがない地方の時計愛好者は、やむをえず自己メンテの道に踏み込まざるを得ない日が遠からず来るのではないか。
ふとそんな思いに駆られることもある。
それはさておき、この年代の自動巻き腕時計は今時の最新モデルにはない独特な魅力がある。
それは、ただ単に昔のものが懐かしくていいというわけではなく、自動巻きという先進的な機構がようやく国産の腕時計でも量産機に採用され、欧米の先進的な時計メーカーに追いついてきたぞという、当時の関係者たちの充実感というか、勢いというか、やる気のようなものが、この小さな腕時計一つからも感じ取ることができるからだと自分では思っている。
当時は「もはや戦後はとうの昔に終わり新しい時代が到来しているのだ!」と腕時計も胸を張っていたのだろう。
(`・ω・´)b
