ACT175.続き妄想 LOVE・SICK ~君の虜~ 17 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel   


本誌続き妄想です。ネタバレNGな方は華麗にスルーしてくださいませ~。にへ





ばら LOVE・SICK ~君の虜~ 17  ばら


(SIDE 村雨)

昨日の夜、カインの声を聞いた瞬間、頭をガツンと…殴られた様な衝撃を受けた。

( 嘘…だろ? カイン・ヒールは…敦賀蓮? )

となると…彼女は…セツカちゃんは         

ハハ…まさか、同一人物だなんて…彼女の事ばかり思い出すわけだよな…。
セツカちゃんはずっと…俺の目の前にいたんだから…。

自嘲気味な笑いが…乾いていく      あの子は…アイツのもの…?

そう思うと…今までの自分の行動がバカみたいに思えた。
相手にされてないってわかってても…振り向かせたくて…
あの子は最初からアイツのものだったのに…。

って…ちょっと待てよ…なんで、敦賀蓮がカイン・ヒールを演じてるんだ?
おかしいだろう?敦賀蓮が…別人のふりをして映画に出るなんて…
そうだよ、それこそ、監督がソレを知らないわけないよな?

「!!」

そうか!わかったぞ…監督もグルなんだ…そうか、そういう趣向か…
…主役の俺にも秘密だなんて、まったく、近衛監督もやってくれるよな?

でも…敦賀蓮が別人を演じてるのはいいとして…なんで彼女まで…
いくら、つきあってるからって…そんなの事務所が許すなんてあり得ないだろ?

いや、あの社長なら…あり得…なくもないのか…?あの二人…社長の秘蔵っ子だしな?

そうは思っても…手を引くには…彼女への想いが大きくなりすぎていた…。

セツカちゃんもナツも…彼女の演じてる役の一つにすぎない…
俺が惹かれたのは…女優の京子なんだって…そう思った時、

今まで俺の前に立ちふさがってきたあの男に…俺はまた負けるのか…って
ここで諦めるのは…負けを認めることと一緒だと思った。
俺はまだ、…アイツに負けたわけじゃない。

そうだ…彼女がアイツのものだというんなら・・・奪ってやればいい。
俳優としてのポジションも…彼女も全部俺が奪ってやる…。

***

翌朝…遅れてスタジオ入りしたカインの横には、いつも通りの彼女がいた。
そんな彼女の姿をずっと目で追っていた。

あの子は…京子…セツカちゃんは…彼女が演じるかりそめの姿…。

今日のセツカちゃんは、何だか気だるそうで…ソレが二人の関係を肯定してるように思わせた。

つき合ってる恋人同士なら当然の行為…
だけど、昨日…俺を誘惑したナツのように…アイツをみつめたのかと思うと、悔しくて…堪らなかった。

どうしたら…あの子を手に入れられる?

その為には今のままじゃダメだ…セツカちゃんは…俺を見てはくれない。

だから            


撮影も順調に進んで…俺の出番が終わった時、スタジオを出ていく彼女をみた。
アイツは、まだ撮影中…今なら邪魔される事もない…そう思った俺は、静かに彼女の後を追いかけた。

一人になった彼女を視界に捉えると…じーっとその姿を見つめた。
確かに…あの子だ     …どうして気付かなかったんだろう…。
…彼女の演技の前に…完全に騙されてた。

俺を見上げて…いつものように無視して通り過ぎようとする彼女の腕を掴んだ。

シャラ…と音を立てたそのブレスレッドは…今までになかったもの。
これが…アイツからのプレゼントなんだと直感した。

二人の関係を見せつけられた気がして…イラッとした俺は、鋭い目線のまま…
彼女の耳元で囁いた。

「話があるんだ           京子…さん?」

その名前を耳にした瞬間、彼女の瞳が揺らいだ気がした。
傍目には気づかれない程度の…小さな揺らぎだったけど俺は見逃さなかった。
彼女の反応に確信を得た俺は…続けて云った。

「俺の楽屋に付き合ってくれる…?」

そういうと…彼女が反論する。

「なっ…どうして私が泰来の楽屋へ行かなきゃいけないの?
それに…アタシの名前は セ・ツ・カ よ?」

強気な口調…だけど、俺は知ってるんだ…。

「いいのかな…ここで話しても…君のお兄さんの話でもあるんだけど?」

そう云うと…彼女は、顔色を変え、無言のまま…俺の後をついてきた。
そして、楽屋に入った瞬間、俺は彼女を壁際に追いこんで…そのウイッグを奪い取った。

「どうして…こんなことを?…そうまでしてアイツのそばにいたかった?!」

思わず本音が零れた…どうして俺は…彼女とこんな出逢いをしなきゃいけなかった?
君がこんなことをしなければ…きっと俺は好きになんてならなかったのに…。
そんな怒りのままに…彼女にぶつけた言葉に対しても、彼女はすごくクールだった。

「…どこまで知ってるの?」

彼女の冷静な口調に…俺は落ち着きを取り戻す。
…そう、俺はこんな言い合いをするために彼女を呼んだんじゃない…。

「昨日、楽屋の近くで京子…ちゃんが出てくるのをずっと待ってた…。」
そう云うとひどく驚いた顔をした。そりゃそうだよな…あんな場面見られちゃ…

「なっ?!」

「まさか…あんな修羅場を見ることになるとは思わなかったけど…」

自嘲めいた顔でそう云えば…彼女はさらに驚いた顔をして言った。

「しゅ…修羅場?!」

「元彼と…彼氏なんだろ?あの二人…」

すごいよな…あんな二人を虜にするなんて・・・と思って沈んだ口調で云った俺に対して
彼女の返してきたリアクションは予想外のものだった。
「なっっ?!そんなわけないじゃないっっ!!
自慢じゃないけど!私は生まれてこのかた誰ともお付き合いなんてしたことないわ!!清く正しく美しく!の聖ガール!キョーコなんだからっっ!!」

ドンっと胸を張ってそう言い切る・・・彼女に思わず呆気にとられる・・・。

つきあって・・・ない?誰とも・・・?
その言葉に今までの暗くどんよりしていた気分がパァーっと晴れていく。
そして、自らをキョーコと言い切った彼女にクスッと笑いを零しながら云った。

「…そんな大きな声で云っていいの?」

ハッとした顔で周囲を見渡し慌てる彼女・・・が小さな声で改めて云った。

「…とにかく、それは誤解です!」

誤解・・・って言いきる彼女に…俺は、小さく息を吐く。
少なくとも彼らは・・・本気で君を取り合ってるようにしか見えなかったけどね・・・。
・・・となると、また疑問が残る・・・。
彼女が、セツカになった理由・・・・・

「・・・だったら…どうして?」

「そ…それは…」

そう云った後…困った顔をして口籠ってしまった彼女に…彼女が話しやすくなるようにと・・・
俺はこれまでの経緯についての推測を話して聞かせた。

「~だから、近衛監督なら…ありえるなって…思ったんだ。
彼の正体を…監督まで知らないってことはありえないからな…
だけど、君がカインと一緒にいる理由が恋人だからってことじゃないなら…」

ずっと・・・唇を噛んで、静かに聞いていた彼女が顔をあげて云った。

「…仕事です。私のミッションは…カインの秘密を守る事…だったのに…」

その言葉と同時にぶわっと涙を浮かべ…
仕事を全うできなかった自分のことを責める彼女の姿に、俺は…
彼女の頭をクシャリと撫でると・・・

「要は…俺が気づいたってバレなきゃいいんだろ?」

「ふぇ?」

俺を見上げた・・・彼女の潤んだ表情にドキッとした。
ここにいるのは素の彼女のはずなのに・・・やっぱり、可愛いと思ってしまう。
だから、彼女を宥めるように・・・優しい声でいいきかす。

「俺だってクルーの一員だ。この映画を成功させたい気持ちは一緒だからね…
君の事も…カインの事も…俺は何も知らない…それでいいだろ?」

そう云ってにこっと笑うと…彼女も笑顔を見せてくれた。
「…村雨さん、ありがとうございます…」

そう云って深々とお礼をする彼女を茶化すようにおどけて見せる。

「何だよ?他人行儀だな…泰来でいいって云ったろ?」
「でも、それはセツカでの話で…」

恐縮してそう云う彼女に…俺はにっこり笑って云った。
「うん…だから、君はセツカちゃんだろ?
そうだ!セツカちゃんに一つだけ…お願いがあるんだけど…」

「…何ですか?」

首を傾げて訊いてくる彼女に…俺は笑顔のまま罠を張る。
「君の・・・京子ちゃんの連絡先を教えてくれない?」

「…ハイ?」

ポカンとした顔で俺を見上げる彼女に…

「知らない振りはするけど…俺の主演映画でもあるからね?陰ながら…俺にも協力させて欲しいんだ。」

「……。」

驚いた顔で固まったまま・・・の彼女に拗ねた顔で云った。
「何だよ~その顔…傷つくな~」

そう云うと、彼女は慌てて何度も俺に謝ってきた。
そんなやり取りに…素のこの子は…礼儀正しいいい子なんだなって素直に好感をもった。
だから、昨日のリベンジ・・・ってわけじゃないけど…これは俺なりの宣戦布告・・・。

「昨日は振られちゃったけど…俺も、君みたいな妹が欲しかったんだ…」

君は困った顔をして・・・躊躇してたけど、帰り際…俺に連絡先を教えてくれた。
彼女から詳しい情報は訊き出せなかったけど…今日はこれで十分だ。

天下の敦賀蓮が片思い・・・とはね・・・それだけ手強いってことなんだろうけど。

彼女をかけたアイツとの勝負は…ここからが本番だ。


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ご好評いただいてる 『 LOVE・SICK ~君の虜~ 』

次は SIDE蓮 で みーの大好きな~展開を書いちゃうぞ。
うっふっふ~ 焦燥に駆られる蓮様ほど萌えるものはないw
かお キョコセツに近づいていく村雨くん・・・かお

盛り上がる村雨君妄想は…まだまだ続く…w

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携帯ユーザー様のINカウントがないと消えてしまう…ので…ショック! うっ…悲しい記憶がっっあせる

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