こんにちは。公認心理師の石川美樹です。
現在、私は足の障害を抱えており5分以上歩くことができなくなってしまったんです。(3年ほど前から)
病名は、左足指のジストニアといい、足指が硬直し捻れてしまい、硬直した変な状態で歩いてしまうので、痛みがとてもひどく、とほほ、、、な状態です。
誰よりも旅することが好きで、何十キロも歩いても全く平気だった私が、人生とは不思議なもので、180度違う人生の後半戦です。
それでも、なるべく毎日5分は歩きたいなと思い、
早朝に外へ出るようにしています。
今日は、外へ出たのが朝の5:30くらい。
いつもの道は、駅へと向かう道で、日曜日なのにすでに人通りは意外と多かった。
犬の散歩の人、小さいスーツケースを転がして歩いてる人、日曜出勤だろう人々たち。
そんな私の前を歩いているけ人たちが、
ある地点にくると、皆が、右を向いて何かを見てるんです。しかし,見たら通り過ぎる。
「なにがあるんだろ?」
と、その地点に来て、私もみんなが見ていただろうそこに目を向けると、
なんと、人が倒れているではありませんか!!!
一瞬、「酔っぱらいかな?」と思ったけど、
倒れるような形でうつ伏せになっていたので、
私の目には酔っぱらいが寝ているようには見えなかったのです。
私は、みんなのように立ち去ることはできず、
その倒れている人に声をかけてみると、
ゆっくりと、
「●●スーパー(24時間営業)で買い物して、、、、、(はぁはぁと息苦しそう)
帰ろうと歩いていたら、
私にも、、、、わからない、、、、こんなに、、、、なっちゃった、、、、」
と、息も絶え絶えに答えてくれました。
私はすぐに救急車を呼んで、救急車が到着するまで10分間、その方と一緒にいてあげたのですが、
とても心配だったのでしょう。
その方は、私の手をずっと握りしめながら、
「ありがとうございます。ありがとうございます。
お姉さん(もうおばさんだけどね)。優しいです。
ありがとうございます」
と、多分、助けを求めたくても声も出ず、 みな通り過ぎる中、
自分がどうなってしまうかと、不安だったことでしょう、、、、。
無事、救急搬送され、
私も落ちいて家に帰り、
「なんで、日曜日の早朝とはいえ、
あれだけ人通りの多い、場所で、誰も助けず通り過ぎることができたんだろ?
あ〜、冷たい世の中になってしまったな、、、」
と、思っていたのですが、
待てよ、、、、
確か、社会心理学を学んでいる時、【傍観者効果】というのを学ばなかったか?
傍観者効果とは、簡単に説明すると、
ある出来事(事件や緊急事態)に対して、自分以外に傍観者がいると、率先して行動を起こさなくなる心理のことです。
今回の出来事の場合、
私の前を歩いている人も、その前の人も、倒れている人を見てもみんな通り過ぎるから、
「多分、そんなに緊急事態じゃないから、
みんな、通り過ぎるんだろう」
とか、
「こんなに朝早くても人通りも多いから、
もし緊急事態だったら、
私じゃなくても、誰かが、気づいて助けてあげるだろう」
という心理が働いて、通り過ぎていってしまう、、、。
今朝の一件は、
果たして、世の中の人々が冷たくなったからだろうか?
もしかしたら、私も陥ってしまうかもしれなかった、
傍観者効果という誰にでも起こり得るかもしれない心理のせいだったのだろうか?
どちらにしても、
今朝のあの方が、無事で笑って帰宅されていることを願っています。