こんにちは。公認心理師の石川美樹です。

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さて、今回のお話は、

 

怒りの下には必ず悲しみがある

です。

 

 

怒りの下の悲み

私への相談内容のトップ5には、「【怒り】の感情をコントールしたい」という方が多いのですが、その怒りのインナーチャイルドを深く見ていくと、必ずと言っていいほど、その下に大きな【悲しみ】を抱えているんです。

しかし、その悲しみを幼少期に素直に表現できず、心の奥に仕舞い込んで鍵をかけ、出ないように出ないように頑張っており、それが今大人になって【怒り】に変換されているケースがとても多いのです。

よって、セッションの前半部分では、まずは表面の怒りのインナーチャイルドの癒しを重点に置き、悲しみのインナーチャイルドが、ちらっと「そろそろ出てきてもいいかな〜」というタイミングを待って、深いところにセッションしていくようにしています。 心が「あっ、私、本当は悲しかったんだ!」と自然と気づくまで、ゆっくり待ってあげることが肝心。その後に悲しみの感情の癒しが始まっていくのです。

ここで注意しなければならないのが、大元が悲しみだからといって、先に悲しみの感情にアクセスしてはならないことなんです。
こことても重要です。

心の奥深くでは、悲しみを表現することで傷を抱えてしまっているので、そこを無理やりこじ開けようとすると、心の抵抗に合ってしまいうのです。

 

怒りの下に悲しみを抱えたクライアントAさん

さて、クライアントAさんのお話です。
Aさんは、娘さんへの怒りがコントロールできないということで相談にいらっしゃいました。Aさん曰く、その怒り方が尋常ではないとおっしゃいます。

実は、Aさんは幼少期、母親の価値観と違った行動をするとボコボコに殴られ、反抗すると、部屋の隅に追いやられ、サンドバック状態になっていたそうです。
髪型も母親の言う通り、幼稚園にリボンをつけていくことも禁止、振る舞い、言動、一つ一つお母さんの価値観どおりでないとダメだったそうです。ですから、自分から「今日はこの洋服を着たい」とか、今日は友達と遊びたいと言うことですらNGで、しかし子供だからお母さんの価値観を全てわかるわけではなく、ぼろっと普通に言っちゃう。するとボコボコになっていたそうです。
そしてある時から、どうせサンドバックになるんだからと、怒りも悲しみも全ての感情を閉ざして、好きなようにボコボコ殴ってくれと母の気の済むまで殴らせていたそうです。

明らからに、その時に押さえていた感情、特に怒りが息子さんに吐き出されていると思えたので、Aさんの幼少期のインナーチャイルドを癒すことが大事な作業になるのですが、

そのAさんに、その頃のお話をお聞ききすると、ただ映画のストーリーを話すように、感情なく、淡々とお話するのみなんです。その時の感情をお聞きしても「う〜ん。覚えていていない」と、表面の怒りすらも出ないんです。しかし、

「その頃の怒りの感情が息子さんに向かっているよ。まずは、その怒りをどんどん解放してあげないと、息子さんがどんどん昔のAさんのように追い詰められるよ」

と、私が話すと「はっと 」され、
そこから、怒りの感情はどんどん解放へと向かっていきましたが、その下の悲しみの部分は、まだ映画のストーリーのように話され、かなり、心の奥に閉じ込めている様子が窺え、いまだに感情を出さず、母への恐怖から自分を守っているようです。だって、泣いたってさらにボコボコになるだけですから。
ボコボコにれるその状態を収束するには、悲しみの感情を閉じ込めないと生きていけなかったのです。

 

怒りの下に悲しみに気付き改善したAさん

あるセッションの日、あまりにも壮絶なAさんのお話を聞いていると、不覚にもセラピストの私が涙してしまったことがありました。
するとAさん。
 

「泣いてもいいんですね。先生のように素直に泣いていいんですね」
 

と、その時から、彼女の中から怒りの下にあった大きな悲しみが出てきたのです。
心の奥の「悲しみさん」が、ここでは泣いてもいいんだと許可を出してくれたのでしょう。

「私もみんなと同じように好きな服を着たかった」(涙)
「お母さんには、ただ優しく理解して欲しかった」(涙)
「お友達ともっとたくさん遊びたかった」(涙)
「お母さん、どうして、もっと優しく接してくれなかったの?」(涙)
「本当は、お母さんに、お前は優しい子だよと言って欲しかった」(涙)

などなど、溢れるように次々に出てき始めたのです。

この悲しみをたくさん素直に表現するに従って、Aさんは、問題であった、娘さんへ怒りの感情をぶつけることがほぼなくなったのです。

「先生、私、実は悲しかったのですね。今の思えば、幼少期のみならず、大人になってからもほとんど泣いたことありませんでしたが、今は、ドラマを見ては泣き、息子が部活で頑張っている姿を見て泣き、涙もろくなりました。それと反対に、怒りが出なりました。涙を出すことで、怒りが一緒に溶け出してくれているようです。先生、ありがとうございました」

と、セッションを卒業されていったのです。

いかがですか? 怒りの下の悲しみ。とても重要ですよね。
もし、あなたが怒りで困っていらっしゃる場合、その下に大きな悲しみがないか?
少しだけ、心の奥に問いかけてみてはどうかしら?


 

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