今日は朝からずっと雨で、MAK127SPの検証もできないなと思ったけど、よくよく考えたら、雨が当たらない位置から強引に検証はできるのでは?と思ったのでやってみたらちょっと面白い事が新たに一つわかったので記録のために書いておきます。
300m先のアンテナを撮影。焦点距離は35mm判換算3000mmです。
これは窓ガラス越しでピント合わせしての撮影です。
クロップしたものがコレです。
そして窓ガラスを開けて直接撮ったものがこれ。
ピントが完全に外れてしまいました。
そして改めてピントを調整してみましたが、ガラス越しにピントを合わせたものと比べてもまったくダメダメです。
今回の検証で、MAK127SP自体には特に光軸ズレとかそういった問題は無いように思えたんだが、なぜ窓ガラス越しのほうがピント合わせがしやすかったのか?という謎が新たにでてきた。
今日は雨天。もしかしたら、300m先の物体をズームして撮影するということは、その300mの区間に落ちてくる雨粒による屈折の連続で、ある意味シーイングが悪化している状態というのは簡単に推測できるのだが、重要なのは、サッシを閉めてガラス越しにピントを追い込むほうが圧倒的にやりやすかったということだ。
ガラス自体はピッカピカではない。
ちょいと汚れたような状態なので、コントラストは低下する。
もしや、このガラス越しにより雨粒による光の屈折をキャンセルしてピント合わせを楽にさせてくれたのでは?と仮説をたて、実際にサッシを開けた状態と閉めた状態でのテストをしてみたが、明らかにサッシを閉めて汚れたガラス越しにピント合わせをしたら圧倒的に楽だった。
これじゃまるで簡易な補償光学じゃんw
まあだからと言ってガラス越しに月撮影すればいいって訳ではない。
ただ、雨の日に遠距離の物体に直接ピント合わせをしようとすると非常に合わせにくいというのは実感した。そしてなぜかガラス越しでやったらピント合わせがやりやすくなった。この違いは、どう考えても空間を埋め尽くす落下してくる雨粒による光の屈折や乱反射などを、汚れたガラスによってキャンセルされて、ピント合わせの障害が取り除かれたと考えるのが自然ではないだろうか、と。
非常に興味深い結果だった。
本来の目的はあくまでもMAK127SPの光軸ズレ疑惑を確認したくてやっただけなのだが、どうもそうではない感じもする。たまたまのミラーシフトだったのか、実はいつものように単にシーイングの問題だったのか…は解らない。
これは晴れた日に改めて検証してみたい。
そして夕方、雨が上がったので再度検証の為に同じ被写体でテスト。
こちらはサッシのガラス越し撮影
サッシを開けて直接ピント合わせして撮影
サッシを開けてピント合わせしようとするとどうしても揺らぎが多くなってしまってピント合わせがまともに出来なくなるが、サッシを閉めてガラス越しにすると、極めて揺らぎが低下するためピント合わせがしやすくなるのは事実だった。
特にこれは六角ナットの形状も認識できるほど解像している。300m先のアンテナだぞこれ。
ガラス1枚を隔てただけだぞ。なぜだ???
たまたま汚れたガラスだからうまくいったのか、それとも綺麗なガラス板でも同じ事ができるのか、謎はまた深まった。だが、ここに挙げたものは全て事実。
そしてこの解像力を見る限りやはりMAK127SP自体になんらかのトラブルが起こっていたわけでもなさそうだというのは解った。
2024/3/23 メモ
よくよく考えてみたら最近はマクストフカセグレンのMAK127SPを、一切、温度順応させず、室内から出して即撮影というスタイルになっていた。昔はちゃんと撮影する2時間くらい前から外気に晒して順応させていたが、近年はその手順を端折っていた。
そして昨日の検証も、室内で暖房入れた状態でガラス越し撮影、そしてサッシを開けて冷たい外気にさらされた状態での撮影。この瞬間に鏡筒は急冷され、「筒内気流」が乱れまくった事によりピントが合わせられない事態になっていただけの可能性も考えられる。
直後サッシを閉めての撮影ではピントは合わせやすくはなったが、一番最初の実験時より若干だが合わせにくくなった感じがしているので、乱れまくった筒内気流が落ち着いきつつある状態だったのか?そんな短時間で?という疑問もある。
次はこの筒内気流の問題という可能性を考慮しての検証が必要だ。
初心に戻ってちゃんと手順を守ったほうが良いというのもありそう。