当クリニックの教育で重視しているのが「あり方教育」です。
と言いましても、「あり方なんて教育できるのだろうか??」という葛藤と常に戦っています。
「やり方教育」には答えがありますが「あり方教育」には答えがありません。
「やり方教育」のように答えがあるものは、正しくできるようになるまで繰り返すしかありません。
数回でできるようになる人もいれば数十回かかる人がいても、最終的には、殆どの人ができるようにはなります。
しかし、「あり方教育」に関しては、価値観教育のようなものなので、押し付けることができないです。
「あり方教育」とは、ある種の「洗脳」のような気がします。
お客様(他人)のためになることを教育するという目的は同じでも、何をもってお客様の為なのかで意見が分かれることがあります。
マニュアルにできる「お客様の為」の項目はいいですが、「行い」でなくお客様の為の「思い」を教育することは難しいです。
同じ行動をしても、どういう「思い」でそうしたのかを確認することはできません。
「あり方教育」とは「何をするか」よりも「どういう思いでするか」にこだわることだと思います。
同じようなことをしてもお客様に喜ばれるか叱られるかは、お客様に対する「思い」が違っているから、発生する結果が異なる場合があります。
人間は、「自分が一番大切だ」と考える生き物だと思います。
しかし、仕事においては、そういう気持ちに抗って、お客様や仲間のことを優先して考えなければなりません。
そこで、どのレベルまで自分ファーストを抑えて、お客様ファースト、仲間ファーストにできるのかを、指導していかなければなりません。
あまりにも自己犠牲を強いれば、社員の一部は反発して退職していきます。
だからと言って緩すぎると組織の体をなさなくなります。
私の中で、「あり方教育」とは、自分の弱さ、汚さに気づくことのような気がしています。
人間は弱い生き物です。
自分の弱さを自覚することで、弱いからこそ周りに流されないように生きていく必要があるのだと思います。
当クリニックでは、2週間に1度、自分と向き合ってもらうためにスタッフに日々の「気づき」をクリニック内で投稿してもらっています。
めんどくさい作業かもしれませんが、流されながら無意識で生きるのではなく、意識して生きていくことで、自分と向き合うことができるようになってくると思っています。
私は、生きていくうえで「自己肯定感」が大切だと思っていますが、自己肯定感っていうのは、最終的には自分の弱さや汚さに気づいて、その弱さを受け入れることができるようになることではないかと思っています。