少し前に「マスカレードホテル」を観て、「ホテルマンって大変だなぁ~」と思いました。
長澤まさみ演じるホテルマンと木村拓哉演じる刑事の役で、ぶっきらぼうな刑事とホスピタリティいっぱいのホテルマンとの対比がとても印象的でした。
確かに刑事がホテルマンのような対応をしていたら仕事にならないでしょうし、ホテルマンが刑事のように上から目線だったら、お客にとっては居心地の悪いホテルになってしまいます。
どこまでが事実なのかはわかりませんが、ホテルマンはお客様のわがままにとことん付き合っています。
刑事役の木村拓哉が「あんな理不尽な注文にまともにこたえていたら相手が図に乗るだけだぞ!!はっきり言ってやった方がいいのではないか?!」というコメントには「確かに!!」と思うこともあります。
刑事というのは、悪者を退治する職業です。「白か黒かをハッキリさせて、黒ならば罰する!!」のが刑事の仕事だと思います。
一方、ホテルマンにとって白か黒かは問題ではなく、たとえ黒でも相手に不快な思いをさせないことがホテルマンの仕事なんだと思います。
ホテルマンって大変だ、と思う反面、日々の仕事で相手の気持ちを推し量るのがルーティーンになっている人はどんなに人間的に素敵なんだろうかと思ってしまいました。
以前私は、自分の子供を幼稚園に送っていた時にお母さんにクレームを言われている保育士さんを見て、保育士さんって大変だなぁ、自分を抑えて偉いなぁ、と保育士さんを尊敬したものです。
歯科医師の場合には、出来ないことをやってくれとか、無理難題を言われればお互いのために治療の継続を断ることができますが、保育士さんには無理難題を言われても「それではご納得される他の幼稚園に行かれてはどうですか!?」ということは絶対にありません。
そんなことを言えば大問題になるような気がします。
営業の人と話をすることも多いのですが、ほとんどの営業の方はたとえ相手が間違っていたとしても自分の感情を抑えて、決して感情的にはなられない姿には本当に感心させられます。
「何のために仕事をするのか?」ということが私の中では永遠のテーマですが、その答えの1つが、「仕事を通じて、感情を理性でコントロールできる人間になっていく」ということがあります。
私の中では、ホテルマンや保育士さんや営業の方の多くは、かなり尊敬に値しています。
どう解釈すれば「自分は間違っていない!」という感情を封印出来て、冷静な対処ができるのかすごく興味があります。
自分の中で、「自分は正しい!」「自分は間違っていない!」と頭をよぎった時が危険信号だと思っています。
人は「自分は正しい!」「自分は間違っていない!」だから相手は謝るべきだ、素直になるべきだ等の流れが条件反射のようになってきます。
しかし、いろんな視点で見ていけば、絶対的に正しいことも少ないし、相手には相手の言い分があるものだし、そんな時に自分の感情に流されないで冷静な対応ができる人間にすごく憧れます。
人間には、本能的だったり、先入観にとらわれたりして条件反射をしてしまうことが多いですが、ホテルマンの方たちは、そういう条件反射のスイッチをOFFにできる能力があるのではないかと思ってしまいます。
若い時には、刑事役のキムタクのように白か黒かはっきりできる人をかっこいいと思っていましたが、歳と共に、たとえ黒だとしても相手を傷つけないような神対応ができる人にすごく憧れます。
自分の子供たちに身に着けてほしい能力の1つが「ストレス耐性」ですが、「ストレス耐性」というのは「物事の解釈力」なのではないかと思います。
物事を悪く解釈すれば、どうしても感情にスイッチが反応しますし、物事をいい方に解釈すれば感情よりも理性が発動してくれるのだと思います。