元広島の丸選手が、FA制度で巨人に移籍したことで、広島ファンの丸選手へのブーイングが起こるかどうかが大きな話題になっていました。
そんな折、先日3月5日にオープン戦とはいえ広島巨人戦が行われ、丸選手が打席に立った時に「広島ファンから暖かい拍手が起こった」ということがニュースで美談として取り上げられました。
物事というのは、心配したようなことは案外起こらないことが多いものですが、カープファンが暖かい拍手で迎え入れたことでいろいろ考えることがありました。
新井選手がFA制度で阪神タイガースに移籍した時には、広島阪神戦での広島の球場では、ものすごいブーイングがおきました。
それが今回の丸選手ではブーイングではなく拍手でした。
「この違いは何なんだろう??」と思うと、
⓵新井選手が阪神に移籍した当時は、広島カープは「万年最下位」候補のとても弱いチームでしたが、今ではセリーグで3連覇するほどの強いチームになったから、丸選手1人が抜けたぐらいでは、そんなに大きな影響を受けなくてすむという心の余裕がファンを優しくさせてくれているのだろうか……
②新井選手が移籍したごろは、今のようにカープ女子や家族連れでの観戦というよりも、昔ながらの男性のカープファンが大半なので、数少ない中心選手の新井選手が敵のチームに移籍したことで、「愛しさ余って憎さ100倍」という感じで、血の気の多い男性は怒りに任せてブーイングしたのが、今では女性や家族連れなどのお客さんが多いので温かい拍手になったのか………
③今回、丸選手が巨人に移籍した際に、新井選手は自分の経験も踏まえて丸選手には「どんな時でも俺はお前の味方だからな!」といったことがマスコミでも取り上げられたり、カープの選手もいろんなところで「丸選手へのブーイング」を控えるお願いをしていたことが影響したのだろうか……
人は自分の思うようにいかないことがあると、感情的になったり、誰かのせいにしたい生き物ではないだろうか。
全てのカープファンは丸選手には広島カープに残ってほしかったと思います。
しかし、そうならなかった時に、感情に流されそうな自分をコントロールできるのは「理性」です。
今回の一件は、人間的な視点からいうと、広島ファンは、感情的にならずに理性的な対応をされた方が多かったという点は凄く誇らしいことだと思います。
一方、戦略的な点からいうと、違う見方もあるのではないかと思います。
といいますのも、以前、カープの大瀬良投手が阪神の藤浪投手からデットボールを当たられた時に、「気にしなくていいよ!」というような態度をとった時に、コーチや監督から「優しすぎる!」「チームの士気にかかわる!」ということで、かなり注意をされたということが紙面に掲載されていました。
また、かなり以前ですが、FAで他のチームに移籍した選手に観客席から応援の拍手をしていると、試合後に監督が「今後は敵になる選手を応援するような拍手をされると、残っている選手の士気にも影響するので、できればそういう行為は控えてほしい」ということをコメントされていました。
外交の時にも感じますが、北方領土や尖閣諸島や竹島の問題で、人として正しい行動は「他人と争ってまで何かを手に入れること」ではないのかもしれません。
しかし、国を代表して交渉している時には「国益」ということを最優先して考えなければなりません。
個人的には、自分は譲ってもいいと思うけど、お国のことを考えれば、絶対に譲ることはできない、という板挟みでの葛藤があるのだろうなと感じます。
今回の丸選手への温かい拍手からいろんなことを考えてしまいましたが、一言でいうと「時代の流れ」で「価値観が変わってきている」ということのような気がした出来事でした。