基本、弾数は自分で覚えておくもの
これに正解を即答できるAPSのジャッジは相当なベテランだ。試合中のこの質問に対して撃った弾数を答えるのか、残りの弾数を答えるのか、多くの人は判断に迷うだろう。一瞬、どっちのこと? と思う。
例えばすでに3発撃ったとしよう。前者なら「3発です」後者なら「2発です」、こうなる。別な表現で「4発目です」という答えも間違ってはいない。なぜなら「~目」という数え方は未完了を示すこともあるから、言外には「3発撃ちました。現在のあなたは4発目を撃とうしています。残りは2発です」という意味合いがあると思う。ここまでサラッと文章に目を通しただけの人は、3発、2発、4発とごちゃごちゃするから答え方を統一したらええねん、と考えるかもしれない。
それはさておき、ジャッジから4発目です、と伝えられても選手はその意味を深く理解できる余裕はあまりない。ほかのことで頭がいっぱいだからだ。
ゆえにジャッジは先の問について正確に答えるなら「今3発撃ちました。残り2発です」のほうが混乱を招きにくい表現になる。
しかし冒頭のように、選手の口数少ない質問に釣られてジャッジも、簡潔に答えてしまうときもあるだろう。そしてジャッジも緊張するものだ。他人の点数を判別するのだからプレッシャーもかかるし、慣れていなければなおさらだ。または一方的な主観でこっちだろうと決めつけで答えてしまうかもしれない。選手は撃った弾数をたずねたつもりが、ジャッジは残りの弾数を答えたらお互い「え??」ってなるだろう。
いずれにせよ、選手とジャッジが弾数を共有できていないことは悲劇につながる。ルール上は選手がジャッジに弾数をたずねることが許されているから、ジャッジ側にきちんとした対応が求められるのは仕方のないことだ。自分も気を引き締めてその機会があるとき任にあたりたい。
ちなみに4発目という表現には誤解を生じさせる余地が残念ながらあると思う。選手に「4発撃ったのだ」と誤認されないともいえない。それで残り1発しかないと選手が思ったとしたら……。他人事なら笑い話だが、自分のことだしたらゾッとする。
基本、弾数は自分で管理するもの、その認識を忘れないでおこう。自分のAPS-3はクリアマガジンを5発入りに加工して、さらにフォロアーに目印を入れて4発目と5発目の残弾を確認しやすくしている。