

いつもの工場に持ち込み、現状確認してもらうとバルブのフィラメントが切れているとの事で交換してもらったが作業担当者からバルブのカプラーが高温で溶けていると報告を受けた。ZZRのヘッドライトカプラーはメインハーネスに直付けされている。配線の長さに余裕がないと最悪カプラーの為だけにハーネスを新品交換と言う悲劇が訪れる。これは滅亡への警鐘とも言える。何故ならZZR400N4のメインハーネスは既に生産終了品であるからだ。
とりあえずネット検索で使用するH4バルブ用のカプラーを探してみる。値段は200~300円程度の物であった。カプラーの交換だけで済めばどうと言う事ではない。早速近所の南海部品に探しに出たところ1個だけ在庫があったので購入した。
作業前日から使用する工具や、手順に関して何度も頭の中でシュミレートを行う。勿論万一の作業の失敗に備えての脳内演習も行った。夏場の軒下整備である。段取り良く作業を進めないと体力の消耗からケアレスミスを誘発してしまう。
担当者からの報告では焼けた接点は1箇所だけで残りは異常がない様だった。先ず現状を確認した上で接点金具を全て取り替えるか、腐食した物のみ交換するかを決める事とする。余計な汗はかきたくない。
前回のLEDランプ交換と同じ手順でメーターパネルを外すと焼け爛れたカプラーが確認できた。LOW側の接点金具が溶け落ちたナイロンの隙間から丸見えで簡単に金具がカプラーから外れた。しかし他の2個の金具は健在であったので交換はこの真っ黒に腐食した金具のみに決めた。
腐食した金具を切り離し、新品をコードに圧着する時にトラブルが発生した。コードの被覆の圧着は問題ないが、芯線の圧着が工具の形状の問題で上手くできない。なんだかんだこね回しているうちに接点金具の一部が欠損してしまった・・・。暑さとは異なる嫌な汗をかきはじめる。
何とか誤魔化しながらまだ残っている新品を取り付ける事ができた。これは前日の脳内演習の賜物であった。最初から全品交換予定で古い金具を切り落としていたら泣きながら赤い男爵に駆け込む事になっていただろう。古い方の金具は接点復活剤でクリーニングした後に新品と一緒にカプラーに組み込んだ。友人の整備士の助言通り導通グリスを充填してバルブに組み込んだ。多少ハーネスの取り回しに変更が出たが運用上は問題は無いだろう。
10万キロを支えたバルブのカプラーの熟れの果てを見ているとこれで電流が流れているとは思えない。目に見える部分の傷みと同様に内部も傷んでいくのである。人の体も機械も大して差がないと思うのは私だけだろうか?