4月には過去に務めていた会社の同僚達と集まっての飲み会がありました。その時も後半はサーフィン発電の話で盛り上がりましたが、みんなの結論は、この話を日本から立ち上げるのは無理だろうということに落ち着きました。私もそのことは十分に感じていました。皆が日本人でありながら、日本人のネガティブ思考、様子見主義を日ごろから痛切に感じています。
その後、数か月の間に「サーフィン発電」という言葉の登録商標を取得するとともに2件の特許申請も特許登録になりました。私はそれらの成果をサーフィン発電構想の資料に添えて大学、企業、マスコミ、公的研究機関、自治体、内閣府、地元有力代議士などを廻りました。そして12月には、海洋エネルギーの専門家の集まりの中でプレゼンテーションを行い、海洋エネルギー発電の一つの方式として認知されるまでになりました。
しかし、それで誰かが具体的に協力をしてくれたかというと、何もありません。誰もサーフィン発電を否定しないし、多くがこれは素晴らしいと言ってくれました。しかし、協力の話になると条件、いわゆるタラレバが必ず出てきます。私はそれを持ってそれを解決してくれそうなところに向かうのですが、そこでも次のタラレバが出てくるという繰り返しでした。十分に予想されたことと言え、これにはたびたび情けない気持ちになりました。
漏れ聞こえてくるのは、“これが成功するといいね!!”、“こんなに素晴らしい未来が待っている!!”とポジティブに考えるとこよりも、“そんなことに係って、もしうまくゆかなかったらどうするつもりだ!?”とか“失敗したら誰が責任を取るんだ!?”というネガティブで様子見思考に支配された社会のありさまです。そして、様子見社会のもたらすものは間違いなく衰退です。
かつては日本を代表する産業として、“産業の米”とも言われた半導体産業も様子見を続け、変革のタイミングを逃し、今は酷く衰退しました。この数年は電気電子産業も同じ道を歩んでいるようです。シャープに続き、ソニーもこんな記事が出るようになると(リンク)、良い面での日本を代表する企業としての復活はかなり難しいでしょう。あとは自動車がいつまで持ちこたえるかと、鉄鋼、重電、プラント業界の中の強靭な会社がいつまで世界の中で勢力を保ち続けられるかだと思います。
その間に柔軟性を持ちやる気に満ちた新しい会社が次々に育ち、世界へ出てゆかないと、日本は近い将来にとても貧しく不幸な国になると予想しています。
一方、ブログに書き続けることで、海外からは面白い反応が来るようになりました。学会などでの発表のお誘いです。もともとの専門が半導体業界でしたので、SEMIやSPIEからの論文発表のお誘いはいつもいただいているのですが、ある時期から海洋科学や計算科学、教育、エネルギー関連の分野のお誘いが来るようになりました。今ではサーフィン発電に関連しそうな分野から1日に3通ほどのメールのお誘いをいただくようになりました。
それじゃ、自分は何故に日本で頑張るのか?
それは自分が日本人であるとともに、海外に出てゆく資金が無いという切実な現実があります。債務整理も終わっていないし、クレジットカードも使えないし。
日本でコツコツと小さな実験と理論の構築を進めその情報を発信しつつ、いつか世界のどこかで花開くことを目指しています。それは日本でなくても良いし、他の研究者の手によるものであっても構わないと思っています。
それと共に、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での有名な講演、そこに出てくる“コネクティング・ダーツ(布石を打つ)”の考えも忘れてはいません。そう、誰も未来のことは判らない、しかし自分の信じる方向にいくつも布石を打っておくと、やがて進むべき道ができてくるという教えです。そこには観察はあっても様子見はありません。
この1年間は激しいストレスの毎日でした。そのためか、平静時の血圧が徐々に下がり続け、一時期は上の値が90を切るようになってきました。
やがて自分も意識障害を起こすレベルまで血圧が下がり、そして寝たきりになって、心不全から永い眠りに入るのかなと思っていたら、また持ち直して100を超えるようになってきました。私も案外しぶといようです。
今は、夕方5時から早朝5時までのアルバイトで頑張っています。仕事場への往復の通勤時間に3時間、それを合わせると後は食べて寝るだけの毎日です。それでも、そんな生活に慣れてきたこの頃はサーフィン発電のことを考える時間を見つけました。嬉しいことにネット上の協力者も現れました。
深夜のバイトの休息時間。クルマのシートを深く倒して身を沈め、夜明けを待つ東京の空を見ながら考え事を始めています。短い細切れの時間の積み重ねでも、いつかきっと大きな成果をもたらすと信じつつ。サーフィン発電とそれに続く水素社会の実現に。
いつの日にか、この国も目を覚ましますように。
その日まで心臓が持ちこたえますように。
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