木曜日の夜中に自宅に戻り、次の金曜日は朝からベンチャーキャピタルが来社しての交渉がありました。2011年も8月になると、私の近辺ではずいぶんと落ち着きを取り戻して、資金調達の話しもできるようになりました。
もっとも、ベンチャーキャピタル各社は真剣に投資先を考えている訳ではなく、そろそろ仕事をしなければ自分達の立場も危うくなるので、経済産業省と神奈川県の委託事業を遂行している当社は、格好の”仕事先”だっただけでした。いくつかのベンチャーキャピタルがアポイントを求めてやって来ては、事業計画書を観てあれこれ注文を付ける。そして自社開催のセミナーへの出席を要請する、自分の選んだ会計士を連れてきて、彼を使えと言う。実に様々な提案、干渉をするのだけれども、一向に話しが前に進みませんでした。
業を煮やして、
「弊社に投資していただける考えがあるのですか?」
と単刀直入に聴くと、だいたい次のどれかの答えが返ってきて話しはそこまでになりました。
「まだ、アーリーステージ(事業が初期段階)なので、装置ができたら検討させて下さい。」
”当社の現状は、一番最初に説明してあるはずだ。装置を構築するための資金調達だと言ってもあるのに今更何を。”と思うのですが、これは一番ましな返答でした。中には、
「弊社は半導体業界には投資しません。」
まさに、”だったら今まで何しに来ていたんだ”という怒りがこみ上げてきます。
そして、ベンチャーキャピタルを相手に資金調達に苦労しているベンチャー企業の社長さん達の殆どが聴いていると言われる台詞があります。
「上手くいったら、投資させてください。」
果たして、上手くいってからベンチャーキャピタルに頭を下げて投資をお願いしたいベンチャー企業の社長がいるものでしょうか?
結局、この年の夏から秋にかけては、ベンチャーキャピタルを相手にしたプレゼンテーションの準備と実施、事業計画の練り直し等にかなり多くの時間を割かれました。しかし、資金調達は上手く行かず、交渉相手のベンチャーキャピタルを主力取引銀行系の1社に絞って交渉を続けることにしました。
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