フルメタルジャケット 海とサーファーが教えてくれた その15 | フルメタルジャケット

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こんな時代だけれど、日本のモノづくりを再起動したい。

[7].会社の発展と自信
 二つの委託事業の獲得に、SiCアライアンスへの参加、周囲の誰もが当社の飛躍的な進展に驚いてくれましたが、その当時が一つの頂点であったようです。会社のある神奈川中小企業センタービルの会議室に新しく加わった社員と役員全部に、相談役に顧問を加えた11人でキックオフミーティングを行いました。そこで中期計画を発表した私は、ビジネスの成功に対する確たる自信を持っていたと同時に、委託事業が終了する2012年の3月までに一通りの成果を出すことへの決意を述べました。
 
 新しい体制での開発が本格化した9月以降は、SiCやGaN等の新世代パワー半導体用フォトマスクの検査装置の開発を唯一の業務としてハードウエアグループ、ソフトウエアグループの二つの部門で順調に仕事が進みました。
 当社が開発を目指していた装置は、高度な、そして重たい技術開発を伴う最先端の装置ではありませんでした。新世代のパワー半導体用のフォトマスクといえども、ターゲットとする設計ルールは1μmから0.25μmであり、45nmから30nmの領域に到達しつつあるシグナル半導体と比較すると10倍以上大きなパターンを対象にしていました。
 そのために用いるのは過去の技術の焼き直しであり、高性能化と低価格化、小型化が進んだ汎用部品の積極登用と、スキルのある協力会社を集めてのファブレス生産のビジネスモデルを採用していました。そのために、開発スタッフにも、フォトマスク検査装置に精通した者や、CADに精通した者を採用し、当社の開発方針、手法をくどいくらい説明し、理解し納得した上で、開発を進めてゆきました。
 
 会社の規模が大きくなった中で、私は新しい仕事に追われました。規模が大きくなったと言っても協力会社からの常駐社員を含めて10人に満たない人数でした。しかし、私にとっては始めて自分で起こした会社であり、技術以外の様々な仕事や来客対応に時間を取られるようになりました。
 その中で、資金調達だけは相変わらず思うように成果が上げられませんでした。何も無く夢だけを語っていた時とは違い、国と神奈川県のそれぞれから委託事業という形で事業に対するお墨付きを貰い、会社としての体裁も整ってきました。また、開発には大手顧客もアドバイザーとして参加していただけるようになっていました。いつも助言を下さっている周囲の支援機関の方達も、これで資金調達は大丈夫だろうと言って下さる方がたくさんいました。それでも、ベンチャーキャピタルを相手にした交渉は一向に成果をあげていませんでした。そこで判ってきたことは、多くのベンチャーキャピタルは投資する意欲そのものが殆どない状況であったと言うことです。リーマンショックから僅か1年、彼等はまだまだ過去の投資の重荷を背負ったままで、新たな投資を検討するどころか自分達の生き残りに四苦八苦している状況であったようです。



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