視線工事があらかた進んで、室内の形ができてくる頃に必ずキッチンに立ってみます。確認しているのはそこに立った時に見える風景。背伸びしたり、膝を曲げて、そこに暮らす奥さんの目線を想像します。食事の準備、食後の洗い上げ、そんな家事の合間に目にする風景を想像しながら照明の位置や家具の大きさを微調整していきます。住宅の計画では「家事をしながらTVが見られる様にしたい」との声もよくありますが、そういった要望が無い限りはキッチンに立ったときの視線の先には青空だったり季節ごとに姿を変える自然が見える計画を心掛けています。