まずは住宅設計。
設計事務所としてのメインの仕事です。
明るく・開放的で・心地よい住宅を心がけて計画していますが私が特に住宅を計画する上で大切にしているのがプランニング(間取り)です。
お施主様にヒアリングを重ね、要望を間取りに落し込むのはもちろんですがこちらからもいろいろな提案をさせてもらっています。
ハウスメーカなどのように『自由設計』の名の下にお客様「希望通り」に書かせた下書きをそのまま清書することなど絶対にありえません。
もしそれをそのまま使うことがあったとしてもとにかく一緒に考えます。
野村総研が2005年に実施した「住まいのリフォームに関するアンケート調査」では築5年未満にリフォームを行った方の4割以上が内装のリフォームだったというデータがあります。
築25~35年前後にピークを迎えるといわれているリフォームですが大金を投じて建てたマイホームに5年も経たずに内装のリフォームを行う方がいるのです。
家作りに関する大量の情報を集め、雑誌を読み、モデルハウスをまわり、インターネットで情報収集をして、何回も営業マンと打合せを重ねて理想通りに建てたはずの家なのに5年未満でリフォームが必要になってしまうなんて…あまりにもったいないことだとと思いませんか。
そうならないように間取り決定までには時間をかけます。
何度も生活スタイルを検証して家族一人一人の顔を思い出しながら。
朝、昼、夜、休日、祝日、、、、いろいろなシーンで家族がどんな動きをするのか考えます。
更にお施主様が「今」望んでいる事をとりいれながら「将来」の希望も予測し確認します。
家族構成も、生活スタイルも、要望も20年、30年の間に変化するのでそれを想像し長い間快適に過ごせるようにするために考えます。
例えば今「将来のためにバリアフリーを、」と希望されたとして段差の解消は新築時に行いますが
廊下・トイレの手摺はどうしましょう?
右半身麻痺と左半身麻痺では取付け位置が異なります。
ただ足腰が弱り立ち上がるのにどちらでもいいから欲しいのでしょうか。
そもそもトイレまでは歩いて行ける場合のお話ですか?
車いすならかえって廊下の手摺は邪魔になります。掃除も面倒ですし
手摺の取付け位置に下地だけ入れておく方法もありますよ。
とできるだけ判断材料をお渡しして一緒に考えます。
家は古くなっても、時間が経つほどに愛着がわく建物であってほしいから。

介助が必要になったら取り外す予定の棚 c2006APROJECT