CC  はかなりのこわおもてで、大阪に行くとすべてのオヤジがヤクザ屋さんに見えるように彼もまるでマフィアである。そんなモアイのCC が困ったと相談にやって来た。心臓外科の看護助手をする傍らパートタイムで働く彼には3人の小さな娘がいる。奥さんは大手の不動産会社に勤めるバリバリのキャリアウーマンで同じアフリカ出身の同郷者である。その彼女を支えて、主夫として頑張ってきた彼に、近頃、自分でもビジネスをしたいという願望が目覚めてきたというのである。

そこで昨夜の一件、奥さんがひょんなことから職場で見つけた大きなチラシ物件をテーブルの片隅で見つけた彼にこれが俺のビジネスだ!と稲妻が走ったんだという。

強面のくせに、少し自信なさしげな可愛さのあるCC. アフリカからきている同胞たちに家を貸したいのだという。

彼の情熱話を聞いてる間に、ド派手な花柄をまとったモアイ像のおばあちゃん版が出てきた。そのおばあちゃんを私が詳しく説明すると、途端にモアイ顔のCCは泣き崩れてしまった。

なんでMにそんなことがわかるの?それって僕のおばあちゃんなんだけど。途端に背後にいるCC のおばあちゃんが話し出す。

CC、もう心は決まってるんでしょ?あなたの事業がうまくいくように、おばあちゃん手助けするから大丈夫って言ってるよ。またまたCC、今度はごうごうと鼻水をすすすりながら泣き出した。

 

実はうちのおばあちゃんアフリカの泥と木枠で作る窓を作るのが得意で、シングルマザーの家にいつも窓を直したり、作ったりしてあげてたんだ。シングルマザーは大変だからって晩年はアフリカの小さな家を買い足して、シングルマザーに借しだしてたんだよ。僕もそんなおばあちゃんみたいになりたくて、そのゆめを昨日あの物件を見た途端思い出したんだ。

モアイの鼻にティッシュを差し出しながら、それじゃ、私に相談するまでもないじゃない。おばあちゃんが答えを教えてくれてるよ。ブンと大きな音を立てて鼻をかんだモアイはすっきりした顔で ありがとう。Mとかろやかに出て行った。これ、おばあちゃん。と見せてくれたその写真。やっぱり花柄に、大きな長髪を巨大にお団子にまとめた彼のおばあちゃん。まるでCCがドレスを着ているみたいだ。と妙に納得した私である。私たちの住んでる地球 はまるで大きな村のよう。どこに行こうがおばあちゃんの愛は変わらない。私はそんなおばあちゃん予備軍を心の底から応援したい。