ルカの朝は早い。
まだ暗いうちからひとり早起きして、ママが起きてくるのを待ちわびている。
ルカがごそごそする気配や耳をパタパタする音がママの目ざまし時計だ。
【東山の夜明け。右下あたりに清水寺がある。】
空が明るくなり始める6時半、ママと朝のお散歩に出る。
ママはぎりぎりまで寝ているから猛スピードで用意して、起床5分後にはルカと玄関を出る。
用意と言っても、ママはほとんどパジャマ姿に何か重ね着した格好だ。
寝起きの髪とすっぴん顔は深めにかぶった帽子でうまく隠している。
10年以上犬を飼っていると、この辺りの要領はすこぶる手際よい。
【朝は車がとばしているから気をつけようね】
【道を急ぐルカ】
目指すは、大きいお寺の参道、ご近所のワンコたちが集まる朝ワン街道だ。
その界隈はお寺関係のおうちが多く、早朝からママさんどうしの立ち話や
ワンコの吠える声がにぎやかだ。
【いつものビーちゃん（右）】
【悠然としたピレネーのジョリー君。ひたすらまとわり付くルカ】
【黒ラブのハナちゃん。いつもやさしく遊んでくれる】
6時台は大型犬が多い。
小さなルカは一生懸命とび上がって朝のご挨拶をする。
7時になると同じくらいの大きさのワンコが出てくる。
今度はジャンプしなくていいけど、リードが絡まないか心配だ。
【朝の挨拶はお尻の嗅ぎ合い】
どの子のママさんも、もうこの時間にきっちりと頭と顔が出来ていると、
寝起き5分で出てきたルカママは感心する事しきりだ。
お散歩から帰ってきたルカは、足を拭くやいなや、朝ごはんに猛ダッシュ。
いつもわずか40秒で飲み込むように完食する。
【ママのお化粧を指南する】
【ママの読書に付き合うルカ】
退屈なルカはお昼ねしてしまうが、すぐまた起きてきてママに遊びをねだる。
取り合わないと、だんだん目つきが悪くなりイタズラを始める。
【かまってほしいルカはスリッパをかじり出す】
夕方のお散歩には少し時間が早いけど、待ちきれないルカはいつもの鴨川に
連れて行ってもらった。
川風が寒くなってきて、ルカにはTシャツが丁度よい頃だ。
時間が早いので夕方のお友達には会わない。
その代わりにルカが見たことのない変なものが走っていた。
好奇心旺盛なルカは吠えながら追いかけた。
【いつもの鴨川で】
【行ったり来たりする怪しい物体（芝刈り機）を追い吠える】
【川面には冬のマガモが遊ぶ】
この時期、鴨を狙って大鷲が上空を旋回している。
急降下して頭上すれすれまで降りてくると、人が両手を広げたほどの大きさがある。
【鴨川上空を舞う大鷲】
2年前にはノーリードで遊ばせていたチワワが飼い主さんの目の前でさらわれた。
【「あーこわかった」】
鴨川は芝刈りと大鷲であきらめて、ドッグカフェさん にお邪魔することにした。
ドッグカフェさんは初代看板犬のハニーちゃんが先日亡くなられたばかりで、
ルカにとっては初めての弔問だ。
【大好評の犬用バナナヨーグルトケーキ】
【一瞬でたいらげた】
【すっごく美味しかったよ！！また来ようね】
家にもどったルカは自分からベッドに入り、何だかお疲れの様子。
【「ねえねえ、そのチワワの子どうなったの？」】
怖いもの知らずのルカにも一つ不安ごとが出来た。