第一日赤病院から帰り何気にテレビをつけたら
「麦秋」が放送していて惹き込まれるように
最後まで観てしまいました。
小津映画では「東京物語」の次に好きな映画です
比較的裕福な大家族の何気ない日常生活を連続描写
してその中に戦争、家族を織り込んだ名作です。
物語の中心は長女紀子にあるように見せていますが
実は映画の軸は戦死した次兄が元になっています。
また彼女の縁談が話の中心のように見えて
家族の別れがメインテーマになってます。
例えば家族全員で撮る記念撮影
(戦前は出征時に家族写真を撮ってた)
は永遠の別れを意味しこの家族が全員で再会できない
暗示になっています。
長女が結婚相手をはっきり自覚するのは
戦地の次兄からの手紙です。
また最後の老夫婦の見る麦畑の麦は
次兄からの手紙に同封されていた麦穂から
多くの戦死した兵士を表しています。
映画の中に織り込まれた内容は一つ一つが深いです。
採点:☆☆☆☆★
※細かい採点付けられないので
☆5点満点(★は0.5点)で採点
及第点は☆☆☆