幼稚園では、親と先生との個人懇談がときどきある。
大抵は、子どもはその間、同じ教室内で、おもちゃで遊んでいたりする。
年少のとき。
初めての個別懇談で、担任の先生と私が話す間、息子も教室内で、一人で遊んでいた。
当時、息子はほとんど言葉が出ていないころ。
担任の先生が、ほぼ一方的に、息子の様子を話してくださった。
・遊具で遊べず、外に出ても、一人でふらふら歩いているだけ
・きんちゃく袋にコップを出し入れできない(手先が不器用)
・みんなが先生に注目するとき、一人だけ、まったく注目しない
・朝の会、帰りの会に参加できない
・階段を降りられず、お尻をつけて降りる
・あれもできない、これもできない
私は、たとえば巾着袋だったら、もう少し大きめの袋にしてみます、とか、
家でも練習してみます、とか、
思いつく対応を話していた。
で、
懇談が終わって、さあ帰るよ、となったとき・・・、
息子が怒った!
離れて遊んでいたし、言葉も出ない子だし、まさか意味が分かっているとは思わなかった。
でも、息子は遊びながらもちゃんと聞いていて、ある程度の意味(というか、雰囲気かな?)が分かっていたようだ。
「あれもできません、これもできません」のオンパレードに、どうやら、「先生はぼくの悪口を言っている!」と思ったようだった。
(まあ、悪口じゃなく、全部ほんとうのことなんだけど・・・)
家に帰って、息子は荒れた。
私のことも、「ママ、きらいよー!」と言う。
「ママと先生が、僕のことを悪く言った。」
無言の息子からは、そんな空気感が漂っていた。
翌日、担任の先生に、ぷいっとそっぽを向くような態度を取り、”せんせい、きらい”というのを全身で表したらしい。
聞いても分からないだろう、と、あなどっちゃいけないな、とすごく感じた懇談だった。
それ以降、個人懇談には、絶対息子を同席させないようにしている。
その時間は、他の先生にお願いして、息子を別室で見ていただいている。
で、ときどき息子が、廊下を走り回って遊ぶうちに、私と担任の先生が話している教室に、ガラっと入ってきたりする。
担任の先生は、慌てて、ぱっと手帳を閉じる。
「息子くんは、字も読むので、手帳は絶対に見せられないんです。」と。
今の担任の先生は、息子が年少のときと同じ先生。
うっかり息子に手帳を見られて、怒らせてはいけないと、心に銘記してくださっているようだ。
いろんな配慮に、心から感謝。
それにしても・・・、
先生の手帳には、面談に備えて、絶対に見られてはいけない、息子の”できないことリスト”でも書いてあるんだろうか。
あの慌てよう・・・