音割れベースって最高ですね!!
元々ボカ学のコンピアルバムに収録した曲なんですが、投稿直前にむしゃくしゃしてそのVersionからかなり音を悪くしました。コンピご購入してくださった方はどっちのVersionが好きでしょうか。
appyの作品としては「野良文学」「Idol」「返信まだ?」の系譜です。
合成音声キャラが自分にとってなにかというのを考えて、キャラソンというかイメソンというかをHIP HOPで書くシリーズですね。
ボカ学でりむるのコンピを作ろう!となった段階で、自然とこのシリーズで書こうということになりました。
りむるの公式設定が以下の通りです。
「りむる」とは
全世界型企業“GR社”が生み出したクローンである。
そしてオリジナルの「りむる」を元に
「分散型自律ゴーレム りむる」が量産され、
個人もしくは組織がオーナーとして管理・所有している。
「分散型自律ゴーレム りむる」は疑似的に音楽を感受する
人の心「MusicCrystal」を有しており、
共鳴する音楽によって千差万別に変化する。
なんか、まず、初見時に、妙に「合成音声ライブラリ」であることを意識した設定だなと思って、その歩み寄られたぶん、逆に公式設定から距離を置きづらく感じました。
数多存在するりむるの中の1人で
真新宿GR学園のメンバー。
人の不幸を切に願っている。人から嫌われることが大好き。
よくわからない生物(?)を連れており、
意味もなく殴る蹴るなどの暴行をはたらく。
そして、「人の不幸を切に願っている。人から嫌われることが大好き。」という設定が、なんとなく、自分とシンクロするところがありました。勿論ひとの幸せを願う善の人間性にも僕にはありますけどね。でも、思ったんですね。
ということで、今作は公式設定に対して忠実でありつつ、自分とシンクロして、「憑依」みたいな気持ちで、この曲をそのまま自分が歌っても問題無いくらいの歌詞にしようと思いました。
「分散型自律ゴーレム りむる」が本当に存在していて、疑似的に音楽を感受する人の心「MusicCrystal」に共鳴して、歌を歌ってくれている……!というきもち
りむるちゃんとは人の不幸を願っているとか、高圧的とか、そういう細かい性格の部分でも似ていると思うし、あと、僕は東京の街では新宿が一番好きなので、そういった面でもそうかも!
そして、「自分がクローンであること」「自分が多くの人間のうちのひとりであること」も近いものがあると思っていて、今作は「あたし代わりが利かないバージョン」と自己肯定する歌にしようと思いました。
りむるちゃんとシンクロしながら、「これからも頑張っていきますよ」という曲です。
自分が自分であることを誇る。HIP HOP用語でセルフボースティングとも言いますね。
ひとの自己肯定・セルフボースティングってカルチャーショック的なおもしろさもあると同時に、滑稽でおもしろいという部分もあると思っていて、そういう部分を意識して、かなり個人的な話を一切希釈せずにそのまま出しました。
「書き出し中やるマリオピクロス」とかですね。マリオピクロスやってるひとのほうがイケてるかのように歌っています。こういう無茶苦茶なかっこつけかたをすることで、聞いたひとがおもしろがって勇気づけられるようなことがあったらいいなと思います。(でも、マリオピクロスってイケてると本当に思うけどね)
「「終点」じゃなくてやる大乱闘」も好きなラインです。
終点ばっかりじゃなくて、「大乱闘スマッシュブラザーズ」をやろうよってずっと思ってました。
アイテムありで複数人で多彩なステージを遊ぼうよ、と。情報過多でぐちゃぐちゃになるのがあのゲームのおもしろさだと思っているので、かなしいよ、おれは。
電音部の音楽性といえばDJっぽさでありエレクトロであり、しかもりむるの所属する真新宿GR学園はかなりHIP HOP寄りということで、音楽性の面でも今回は必然性があると思っています。僕自身がHIP HOPファンなので、オタクのみんながHIP HOPに親しみを持ってくれるようなコンテンツってそれだけで特別視してしまうところがあるというか、電音部に対してリスペクトを送りたいという気持ちもありました。
勿論、ボカロでHIP HOPをやるという勢力は昔からずっといましたが、りむるファン経由でも合成音声でHIP HOPをやるアイロニカルさが伝わっておもしろがってもらえるといいなと思います。
ボカ学で『電音部 ULTRA EXPO 2024』に出展させていただいた際、沢山のりむるのオタクの方が初見でCDを買ってくれました。りむるファンのかたに満足していただけるようなものになっているといいなと思います。
りむるファンに聞いてもらうことを意識して、もろにボカロっぽいフレーズをイントロにしました。ボカロ出身のアーティストだぞ!というのを誇示したかった。
そして、ボカロファンの皆さんにはこのリフで高速ボカロックが始まるんじゃないんかーーい!と思ってほしかったです(おもしろいから)。意外性を狙いました。
以前安見すやから「appyさんはキャラのイメージと相反するものを書くのが好き」と言われたことがありまして、今回は相反してないぞ!と思うのですが、いかがでしょうか。
というのも、りむるの公式案件のボカロ曲は電音部の固まった音楽性から離れて自由になろう!という逆張りの精神で作られているなぁというのを後で気がついて……「Version」は逆張りの逆張りになっちゃっているなぁと思っています。宿命なのかもしれない。
イラストはさくさくまさん。「憑依」を見事に体現してくださいました。
いつもいつもキャラクターを魅力的に描くのがめちゃ上手くて、「うちの◯◯」の魅力を引き出してくださってありがたいかぎり……!
appyの「憑依」を上手いこと散りばめてくださっておりますので、よくよく見てみてね。
手とか目線とか、すごいインパクトあって求心力がある。うれしい。
あと、今回appyとりむるのロゴを出すから……ということで、さくさくまさんのロゴもこの機会にと作っていただきました。今後のさくさくまさんの作品で見かけることがあるかも!
低音がドカドカなる音楽性です!ボカクラとかDJでも流したいですね。「バージョン」「酸素」「イェー」のコールアンドレスポンスができたらうれしいなと思ってるので、定着するといいなぁ!!!
appy