アダルトチルドレン(アダルトチャイルド)についても相談者が名乗ることが多いので、これもシリーズで載せてみます。

抑うつ症状や摂食障害、リストカット、対人恐怖症、依存症、自分に自信がないなどの症状がある方はこちらをご一読ください。

               思い当たることがありませんか?

 

 

■AC(アダルト・チャイルド)  ※医学的な病名ではありません

 

  アダルトチルドレンとは苦しい家庭環境で育った子どもが20歳ぐらいになって出てくる様々な精神症状を言います。出てくる症状は不安が中心で、パニック障害や摂食障害、強迫性障害、境界型人格障害、新型うつ病、強迫神経症など多彩な症状を呈します。

苦しい家庭環境での生活では子どもの時に力いっぱい生きようとする子どもがあります。

しかし、両親からの愛情が得られずまた満足できない家庭環境を自分の力でどうにかしようと努力する子どもの姿(インナーチャイルド)がいます。

それを抱いたまま大人になってしまいます。

インナーチャイルドはその時の理想とした両親(インナーペアレント)とが大人になっても心の奥深く残ってしまいます。

 

 

アダルトチルドレン研究者のウォイテッツは次の

      13の心理的特徴を書いています。

 

①正しいと思われる事に疑いを持つ
②最初から最後まで、一つの事をやりぬくことができない
③本音を言えるようなときにウソをつく
④情け容赦なく自分を批判する
⑤何でも心から楽しむ事ができない
⑥自分の事を深刻に考えすぎる
⑦他人と親密な関係を持てない
⑧自分が変化を支配できないと、過剰に反応する
⑨常に承認と称賛を求めている
⑩自分を他人とは違っていると感じている
⑪過剰に責任を持ったり、過剰に無責任になったりする
⑫忠誠心に価値がないことに直面しても、過剰に忠誠心を持つ
⑬衝動的である。行動が選べたり結果も変えられる可能性があるときでも、お決まりの行動をする。

 

インナーペアレントはお父さんからのCP、お母さんからのNPを受けて健やかに育つはずが、悩んだ結果ACだけが高くなってしまします。

 

  CP(批判的親)

    厳しい心。自分の価値観を正しいものと信じて譲らず、責任を持って行動

    し、他人に批判的である。この部分が低いと、ルーズな性格になる。

 

  NP(養育的親)

    優しい心。他人を思いやって行動し、保護的で親切である。この部分が低

    いと、冷淡な性格になる。

  A (大人)

    合理的な心。現実を重視しており、物事をきちんと計算して行動し、合理的

    である。この部分が低いと、非合理的な性格になる。

 

  FC(自由な子ども)

    自由奔放な心。明るく無邪気でユーモアがあり、わがままで自己中心的で   

    ある。この部分が低いと、閉鎖的でネクラな性格になる。

 

  AC(順応した子ども)

    従順な心。他人に嫌われたくないという気持ちが強く、言いたいことを言わ

    ずに我慢してしまい、妥協的である。この部分が低いと、マイペースな性

    格になる。
      

   

      


 

     

●あなたの性格を形成する3つの要素

NPO法人 アプローチ会のブログ

 

アダルトチルドレンではお父さんからの性格形成にようする教育やお母さんからの教育が充分に行われていないという現実があります。そのために子どもはお父さんやお母さんの顔色をうかがって何も決定できない、あるいは意思に反してイエスと言ってしまったりするようになり、あのときノーと言っておけばよかったなどと悩む性格になります。

 

最近特に精神的に不安定な人はACが高い人が多く、境界型人格障害とか、新型うつ病なども決まってこういうパターンになります。

   真ん中のA(アダルト)は合理的な心。現実を重視しており、物事をき

   ちんと計算して行動し合理的である。この部分が低いと非合理的な性

   格になります。

合理的に考える能力が乏しくなってしまっています。その結果ウオイテッドが言うような13の特徴を示す子どもになってしまします。

 

 

 

 


 

●AC(アダルト・チャイルド)   

   Adult Child of Alcoholics         (アルコール依存症家族で育った人)

   Adult Child of Dysfunctional Family  (機能不全家族で育った人)

 

上のように本来はアルコール依存症の家族で育った子どもを指した言葉でした。

アルコール依存症の家族で育った子どもは、両親のどちらかがいつも飲酒をしている姿を見ながら育ち、お酒で両親がケンカしたり、両親から罵声を浴びせられたり、せっかんされたりして辛い思いをします。

 

その結果、大人になって特有な症状を呈する場合をAC(アダルトチャイルド)と言います。

 

特有な症状には次のようなものがあげられます。

          ①生きづらさ

          ②憂鬱

          ③人間関係が不得意

          ④むなしさ、不安感 など

 

そして、パニック障害、強迫性障害、不安性障害、境界型人格障害、両親と同じような依存症等になると言われています。

 

アルコール依存症だけでなく機能不全家族で育った人も広い意味でACと言われます。

上の2つは両親は子どもに危害を加えるわけではないですが、子どもが良い子になろうと努力したり、不安な生活を送るためになるわけですが、親が子どもに暴力をふるったりせっかんしたり、放任や溺愛をした時にも大人になって同じような状態になると言われています。

       

 



アダルト・チャイルドという言葉を生みだしたのはソーシャルワーカーのクラウディア・ブラックです。アダルトチルドレンとは「問題状況の中を一生懸命生きて大人になった人」という意味で、決して「大人になっても心は子どものままで大人になりきれない人」という意味ではありません。

 

近年では「幼少時代から親の正当な愛情を受けられず、身体的・精神的・心理的虐待または過保護・過干渉を受け続けて成人し、社会生活に対する違和感があったり、子ども時代の心的ダメージに悩みや苦しみを持つ人」を総称し、メンタルケア(心理療法)が必要な人をアダルトチルドレンと呼ぶこともあります。

 

あなたが、機能不全な家庭に育ったと感じたらACなのかもしれません。

ですが、逆にあなたが満足するようなすべてを与えることができる家庭も存在しないでしょう。ですから決してACを盾に自分の家族への暴言を合理化したり、暴力を肯定したりしないように注意してください。

もちろんルールや最低限のマナーを守って場所とタイミングを考えて、話し合ったり嘆いたりするのは人間として必要なことです。ですが、ACは免罪符ではありません。ここを肝に銘じてください。

 


 

アダルトチルドレンは回復します


アダルト・チャイルドという言葉を生みだしたソーシャルワーカー、クラウディア・ブラックはACの回復ステップを次のように提唱しています。

 

         1.過去(子ども時代)を探る

         2.過去(子ども時代)と現在をつなげる

         3.自分の中に取り込んだ信念に挑む

         4.新しいライフスキルを学ぶ

 

●第一段階:否認を解く

     ACの人は、人のせいにできなかったから ここまで苦しかったのです。

通常、人のせいにするということは、自分の責任を果たさないということで、よくないことですがACはそうではないのです。

何でも過剰に責任を感じて生きづらさを感じてきたのですから「親が悪い」と親のせいにすることは全然悪くないのです。

「今まで自分が辛かったのは、親が悪かったのだ」と思えれば、心が軽くなると思います。

一人で無理な時はカウンセラーにかかったり、自助グループに参加するのもよろしいでしょう。

 

     親に拘束され、支配され、苦しんできたことを認めること。

          これが回復への第一歩です。

 

 

●第二段階:否認していた怒り・抑うつ感・罪悪感・絶望感を表現する。

      ACの人は、感情を表に出すことが苦手です。

      しかし、感情を出し切ることで、心は軽くなります。

  方法としては、粘土や箱庭などで感情を表現する「アートセラピー」

  ヨガや太極拳、ボディムーブメントなどの「ボディセラピー」

  傷つけた親宛に出さない手紙を書いたりする「ジャーナリング」などがあります。

 

いずれも個人で行うよりも、グループセラピーの方が安全であり望ましいとされています。

そして本当の意味での嘆きや悲しみを、最終的に実感するには「グリーフワーク」(悲哀の仕事)が重要になってきます。

 

      理想化され、幻想化された親を捨てるのです。

   心の中にいた理想化された親を捨て、現実の親と上手に付き合えるよう

   になることが理想です。

 

 

●第三段階:理想化していた親の代わりになって支えてくれる人を探す

   第二段階で理想化された親を捨てたら、今度は親を探します。

ただ、カウンセラーや自助グループにそれを頼るならば、一生カウンセリングが続いてしまいます。

      ならば、自分が自分の親になればいいのです。

      自分を愛して、自分を育てれば良いのです。

ACの人は、自己評価が低いので、いつも陽性の肯定感を与えてあげればよいのです。

      そのままの自分で良いこと

      生きているだけで良いこと

      機能不全家族の中を生き抜いたサバイバーであること
      自分で自分を勇気づけてあげましょう。

 

 

 

●第四段階:現実に適応できる自分に変えていく

  これから自分はどうしたらいいのか。新しい価値観、やり直しのきく人生を見つけると人は変われます。