少しだけひんやりとした空気の中を




ふわふわとキンモクセイの香りに誘われて




魔法にでもかかったように、その木の前に立ち止まった。









夏のはじめにワサワサと大きく枝を広げたこの木を



嫁がえげつなくスリムにしてしまった。



「スッキリしたやんー」



「ありゃま、大丈夫か?」








その時は心配したが、ずっと忘れていた。



いい香り。









季節はもう秋に衣替え。





例年通りなら、このキンモクセイは2度咲く。