だからといって、なんで・・・。



夕方まで元気に散歩に行ったじゃないか・・・。



夜、急に息があらくなり



動けなくなった。



あきらかに様子がおかしい。



これは死ぬかも知れないと感じた。









ずいぶん長生きしたんだから



もう頑張れなんて言えない。



苦しんでいてもどうすることもできない。





もし、自分に命をすぐに終わらせる力があったら



いっそのこと楽にしてあげたいと思った。



苦しまぎれに私の手を咬んだ。



血が流れ落ちる。





痛いけど今は平気だ。



もういいよ。



ありがとう・・・。





口元に水をあげると、一瞬ゴクリと飲み込んだ。





そして愛犬コタローは動かなくなった。



終わった・・・。





・・・・、



・・・・、



ひとつの命が。