「このバイク、買うてくれへんか?」



軽トラックの荷台にそいつはのっていた。



「このバイク、買うてくれへんか?」



そう言いながら、そのバイクは荷台から降りてきた。










「このバイク、エンジンがかからんねん」



「そこそこ旧車やから、部品もないかも知れん」



「このバイク、買うてくれへんか?」



そこそこの値段やけど、



ちゃんと動くかわからへんけど



何か縁があってうちへ来たんやから買うわ。



ちょっとだけ夢広がるし。









そして、この家の住人になった。



春までにはエンジンをかけてみたい。