夏の間にすくすくと成長した草を刈る。



まるで占領された土地を奪い返したような気分だ。



自分が歩いた後に道が開ける。



人と植物の縄張り争いの中で自分が成し遂げた成果のように。







雑草と呼ばれる群れの中にも



きれいな花が咲いている。



誰が植えたわけでもないのに



たくさんの草の中で



なおさら美しく咲いている。



たくさんの人の中で脚光を浴びる人が存在するように。





残念ながら私も雑草だ。



それも弱くて地味な雑草だ。



いつか花を咲かそうと夢見ても



花の咲かない雑草だ。



ちくしょう…。