
花火大会が終わった。
浴衣姿の女の子たちを追い越して歩く。
突然静かになった暗い道を
みんな帰って行く。
ほどよく人が集まる場所は楽しい。
毎日ほど顔を見ている人たちなのに出会うと話がはずむ。
たわいもない話をして
意味もなく笑って別れる。
でも知った人に会うと嬉しい。
久しぶりに会った友だちが孫を連れていた。
つい最近まで子どもだと思っていた子が「結婚するんです」と言ってきた。
この間まで母親に抱っこされていた子が
やんちゃ坊主みたいな顔をして店先でかき氷を食べていた。
人はどんどん変わっていくけれど
花火大会の後の帰り道は昔と変わらない。