ラーメン屋のカウンター席には



いろんな背中が並んで座っていた。



丸い背中、小さな背中、大きな背中が



個性たっぷりにラーメンをすする。



自分の背中は自分には見えない。



でもきっと自分も誰かに背中を見られている。





そういえばあの時、



ある営業マンの後ろ姿は肩で風を切るように自信に満ちあふれていた。



ある女性の後ろ姿はとても魅力的でいつまでも眺めていたいと思った。



子どもの頃、親父の背中は猫背だったが大きいと思った。



母親の背中はいつも動いていた。



今、自分の背中をまわりの人たちはどう見ているのだろう。



自分には見えないけれど



後ろ姿の格好いい人間になりたい。