計画から半世紀の年月を費やし
近畿では最大級といわれる『大滝ダム』の完成式典が行われたそうです。
昭和34年に吉野川周辺に大きな被害を出した『伊勢湾台風』の後
治水対策事業としてダム建設が始まりました。
『大迫ダム』と『津風呂ダム』というふたつのダムがありますが
双方とも農水省管轄の農業用水確保のためのダムということで
台風などで川が増水した時に、満水になったダムから放流量を増やすなど
問題点のあった中で水位の調整を目的として『大滝ダム』の建設が始まりました。
私が子どもの頃はダム建設に関わる人たちが町内に住み
その子どもたちも一緒に学校へ通っていました。
目的を持ち解決を目指す活気がありました。
長い建設期間内にも毎年のように河川の増水により
ダム建設のための土砂が流れ、川底が浅くなり
ますます増水すると水位が上がる悪循環の末
なぜ半世紀もかかったのか、半世紀もかけてする価値があったのか疑問も抱きますが
華々しく完成した記事が新聞に掲載されていました。
計画したら止められなかった…、
予算がついたら変更できなかった国の事業は
完成という成果を経て忘れられて行くのでしょう。
作る責任、作った責任、作ってもらった責任は
この先もけっして忘れてはいけないと感じます。

