秒速で700mぐらい、時速に直すと2500kmくらいで走る乗り物が開発されていました。
この開発の指揮を執ったのが小沢久之丞(おざわ・きゅうのじょう)教授。
名城大学理工学部教授になった昭和24年に「音速滑走体の構想」を発表し、昭和34年に初実験が行われました。
真空状態の中を走らせることで空気抵抗を無くし高速化を目指しました。
実験で使用した乗り物は全長1m、直径8cm、重さ6.7kgでロケットエンジン搭載、昭和45年の第5回滑走実験では中にカメとカエルが乗り込み、1600mのコースを3秒で滑走しました。
確かに速い!
しかし、止まることができずにそのままストッパーに激突、実験動物は天に召されました。
昭和47年の第7回目の実験では見事成功、実用化に向けて開発が進む…といきたいところですがスタートするときに30Gぐらいの重力がかかって内臓破裂の危険があるので、実際に人が乗ることができるかどうかは…。
さらに金銭面や騒音などの問題で実用化の目処が立たず、小沢教授の死と共に開発は消滅しました。
小沢教授は旧陸軍の爆撃機「飛龍」を設計し陸軍大臣賞を受賞しています。