その日はあっという間にやって来ます。私は仕事をしていましたが、その日は休むつもりでした。パパは予め送迎のために休みを取ってくれていました。

 

ママ、この日仕事休むね。

 

え、どうして?

 

だって、試験の日だし。

 

でも、8時に送ってくれてからママ仕事行って来たよ、どうせソワソワするんだから。

 

確かに。

 

娘ちゃんの受験校は奇しくも私の職場から一駅でした。車で送り出した後、職場近くまで送ってもらい、そこからスタバでお茶してから出勤しても余裕です。なので試験当日はオンサイトの出勤にしました。

 

朝。お弁当はリクエスト通りのものを作ります。食べても食べられなくても、とりあえず持っていく。幸い、ガチの塾で、毎週日曜日に全く同じスケジュールで過去問を解く、をして貰っていたので娘ちゃんも慣れたものの様でした。別立てで書きますが、都立高校一群を目指すならば定評の塾、うまく波に乗れると合格までの道筋をしっかりスケジュールしてくれる凄い塾です。

 

いざ、出発。娘ちゃんのリュックはパンパンです。お弁当の入る余地がない。そんなに見る暇はないけど心配になったら見れるように入るだけ入れたのでしょう。そのモリモリのリュック姿を見て、直感的に、

 

もしかして行けるかも、ワンチャン

 

と思いました。

 

お弁当、じゃあ、ママのトートに入れて別に持つか。これが後で、致命傷になるとも知らず、出発です。車送迎禁止と書いてあるのでかなり手前で止めて、「〇〇高校入学試験」の立て看板を通り過ぎる動画を取ります。お兄ちゃんの時も本気で嫌がられましたが、今回も。相当嫌がられ、さらに入り口立っている先生にも白い目で見られました。

 

大きなリュックの背中を見送り、やれやれ。まだ8時過ぎ。予定通りスタバに行こうか。普通に走れば5分ですが何故か物凄い遠回りをして美しい並木の大通りに車を停めてスタバに向かいます。駐車料金を入れたパパが後ろから、

 

後部座席にあるカバン、ママの?

 

いえ、私のカバンはここに。はっ!!!

 

そう、娘ちゃんのお弁当です。急いで車を発進させ高校に戻ります、時計を見ると8時半過ぎ。試験は9時から開始です。停まる信号も長く感じる中、パパは、

 

ま、前の席にかなみちゃんいるし、何とかなるかな。

 

同じ中学から受験してくる子です。彼女は大舞台の日にそんなに仲良くない子の両親から、

 

悪いけど、お弁当分けてね。

 

という念を送られているのでした。(かなみちゃんも見事合格しています)

 

今度はほとんど高校の入り口乗りつけました。急いでかけより、まだ立て看板の横にいる先生に

 

すみません、お弁当忘れていきましたっ!

 

受験番号分かりますか?

 

えっ? な、無いです、受験番号?

 

もの凄いキレ気味に言い返してしまってから、少し離れて停車しているパパのところに走って戻りながら叫びます。パパぁ、受験番号出して!

 

パパも良くその速さで出せるよなと思いますが、私が車に着いた頃にはスマホに表示されていました。そのスマホごと奪いとりまた走って戻ります。出勤予定なのでヒール。

 

先生に、震える手でスマホを見せるとA4横に細く羅列されている受験番号の中から直ぐに見つけて下さり、

 

お名前は?

 

高木です!

 

その白くて美しい数字しか印刷されていない紙の右上に先生は、大きく高木!と書きました。

 

本人にお届けします。名前を書かれてしまった辺りから、高校に入れて頂く親だった立場を思い出し、ペコペコしながら、最後も深くお辞儀しました。先生も必死で去って行かれました、校門から見上げて見れる大きな時計は8時45分前を指していました。

 

お弁当忘れたのもそうだけど、受験番号尋ねられて、は?そんなもん分かりません的に逆ギレして、あの受験番号の紙に名前大きく書かれたよな。態度の悪い親の名前。。。

 

もし、落ちたら、ママのこの暴言と失礼な態度で落とされたんだよ、って言おう。

 

そんなことを思いながら、しぶとい両親はまたスタバに向かうのでした、

 

続く。