ダイアナ先生は、10歳の時にカナダに移住しています。彼女は、来た頃から、子供達にご自身が夏休みに過ごした大学主催のキャンプがとても良かったから、行けば良いのに、私が手配をヘルプするから、と、言って下さっていました。


最初は、まさかね、面倒だし、何より、私があちらで一人で生活しながら車の送迎と言うハードルがあります。旦那さんは当時、夏休みを取れるか、取れないか、くらいの激務でした。


大切な事は大変でも、後回しにしない。

鉄は熱いうちに打て


子供達に英語のみの環境で一定期間過ごさせること。体力、精神的に負担が少なく、しかも思春期に入る前に、そう言う環境にぶち込める期間は非常に限られています。個人差もありますが、全く英語が分からない状況で、恥じらいも無く、何となくやり過ごせてしまう年齢は、大体五年生まで、そこを超えると羞恥心が勝って、英語が分からない事を恥じて防衛反応でバリアを張ってしまいます。ゴールドコーストに来ていた六年生達が正にそうでした。


自我が猛烈に目覚める前、と言うのも大切です。連れて行くのならばお兄ちゃんは、ギリギリの年齢に来ていました。ダイアナ先生が勧める理由は、単純な英語語学学校ではないこと。スポーツを中心に、色んなアクティビティを英語でしてくれて、もちろん、海外でそんなキャンプは山ほどありますが、ネイティブでない子供達も受け入れてくれる、しかも小学生と言った小さい子達を、と言う、とても珍しいキャンプでした。実際、そこに斡旋してくれる業者さんも居ましたが、当然ながらパッケージですので、子供をツアーに乗せるのみです。そこには体調管理、精神的なケア、何より、支えと言うものはありません。高校生などはあえて、その方が良いかも知れませんが、ニュージーランドで毎晩ホームシックになってツアコンのお姉さんに電話してくる子供達の話を聞いていたので、自分で連れて行けないのならば、行かせるつもりはありませんでした。と言うか、行かせる意味が見出せませんでした。


https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E5%A4%A7%E5%AD%A6

 



このキャンプは、地域に開かれた大学として夏休みに託児を学生さんたちが請け負う、と言うものですが、恐らく教職などを目指す学生さんもいるし、大学院生もいる立派は教育機関のキャンプです。そして、破格に安い。確か、二人で二週間、午前、午後のプログラムに入っても十万円も行かなかったと思います。しかも、大学の広大で本格的な施設や敷地を使って、様々なスポーツや活動をしてくれる、と言うものでした。


キャンプに入るのは二週間、時差を慣らすために三日前からカナダ入り、また、キャンプが終わった日曜日に出発することにしたので私達三人は、二十日間、バンクーバーの隣の市にあるパーナビと言う市に滞在する事になりました。


まずは、プログラム選び。最初の一週間は、ESL、

English as Second Language に入ります。細かい年齢設定などがあり、2歳差なのに同じクラスに入れません。プログラムディレクターにメールをします。


ほとんど、英語が話せない子達なので、兄妹で、一緒にして貰えませんでしょうか?


いや、むしろ、話せないのならば、違うクラスにしましょう。コーディネーターは、話せない子に慣れているので大丈夫です。その方がお子さん達の学びになります。


と言うことで、いきなりバラバラで一週間過ごすことが決定。話せない子達前提のクラスなので信じて、ぶち込むことにしました。


二週間目。ここからが、この留学の真骨頂。現地の子供達に混ざって、普通に活動します。沢山のプログラムラインアップから、やはり運動系の方が言葉が通じなくても、何とかやっていけるだろう、と言うことで、


お兄ちゃん 

午前 テニス 午後 ボールスポーツ全般


娘ちゃん 

午前 大学のダイビングプールでの水泳

午後 ロッククライミング


にしました。


お兄ちゃんの方は、本人の好みや年齢設定も問題無くすんなりと決まりましたが、娘ちゃんのクラス決めが難航しました。彼女が熱望した、ロッククライミングのクラスは、9歳から、で、彼女は、8歳。ダイアナ先生が何度も、プログラムオフィスに電話して掛け合ってくれましたが、やはり安全上、年齢制限は厳しい、との返答でした。





当時、娘はバレエをやっていて体幹が出来ているのと、身が軽いから、さぞかし楽しめるだろうな、と、思いました。何より、この規模のクライミングウォールは、日本には中々ありません、カナダの大学施設ならではの体験。後、数ヶ月で、9歳になる、母としても、諦め切れません。


やっぱ、無理かな。でも、どーしても、この壁に登りたい。


ね、折角、行ったからには、ね。凄いよね、この高さ。


うん、高いところ大好き。めちゃカッコ良い。絶対一番上まで登りたい。


そこに、娘は、英語のハードルはありません。もう、このクライミングクラスに入りたい、だけ。やりたい事が英語で行われるのならば、気にならないのでしょう。


プログラムディレクターにメールします。


○日本から行くこと

○娘は、このクライミングクラスを

熱望していること

○バレエをやっていて、体幹はあるので運動能力的に迷惑はかけないと思われる事

○後、数ヶ月で9歳になること

○安全上の理由が問題ならば、私が付き添えること


返信は、直ぐに来ました。


検討しましょう。ただ、クラスに入れたとしても、お母さんの付き添いは不要です。専門のスタッフを付けます。大学運営局の許可次第なので、お待ち下さい。


そこから一週間、返信がありません。これ、外国あるあるの、放置になってるな。そう思ったモンペの私は、毎日、あちらのオフィスが開く時間帯に電話しました。居留守を使われること、数日間、最後の決め手は、


運営局のトップの方とお話したいのですが、お名前教えて貰えますか。


秒で、いつもメールで、やり取りしていた担当者のディレクターが電話口に、出てくれました。


やっぱ、いるんじゃん。。


話す事が出来てからは、スンナリ話が進みました。その電話で、その場でプログラム登録を手続きしてくれました。


御礼を言って、電話を切ろうとすると、


僕達も、小さな勇敢な日本人の女の子が来るのを楽しみにしているよ、あんな高い壁をどうしても、登りたいなんて、珍しいよ。そして、彼女のために、お母さん、諦めないで電話して来てくれて、ありがとう。貴方も勇気のあるお母さんだよね。


ありがとうございます。凄く喜ぶと思います。


帰宅した娘に、話したら大喜び。まーだ、英語なんだけど、と言う事はピンと来てません。それで良い。行ってみてから、英語だった、で、良いのよ、この歳は。


と、思いながら、あえて、そのキャンプに向けての英語準備などはせず、淡々と毎週のレッスンをするのみにしていました。


参加するプログラムが決まったので急いで飛行機を予約し、次は滞在先の家探しです。これもダイアナ先生の全面的なアドバイスから、かなり高額になってしまいましたが、車で20分くらいのコンドミニアムを借りる事になります。私がGoogle mapで見る限り、大丈夫そう、と、彼女にリンクを送ると、土地勘のある彼女は、


ここは、ダメ。治安が悪い。

高速乗らないと、渋滞しで1時間はかかるよ。高速は辞めておいた方が良いよ。


などと、中々オッケーが出ません。彼女も探してはくれましたが、中々難しい。大学の寮に入ることも考えましたが、


大学は、山の上にあって周りに何も無いから、不便過ぎるよ。


とのこと。結局、オッケーが出たのは、駅直結のコンドミニアム。実は、今回の留学で、最も高くついてしまいましたが、


○バスタブがある事、

○ホームステイなども考えましたが、

キッチンをフルに使わせてもらう事

→滞在中は、完全な日本食再現を目指していました。


などを、最優先した結果なのでしょうがないと思います。20万以上だったかな。半額くらいで沢山の選択肢がありましたが、結果、まだまだ小さい子供達が快適に二週間、通える環境を整えるのには、必要経費だったのかな、、と、思います。


タワーとタワーの間には5階に美しい植物に囲まれた空中庭園があり、丁度ラベンダーが真っ盛りで、帰りに積んで帰って枕元に置いて寝ました。日の長いカナダの夜に、お風呂もご飯も済ませてから、エレベーターで庭園まで行き、安全に、沢山遊ばせたり出来ました。一日、緊張して過ごして来た子供達はここてゆっくり遊んでリラックス。フィットネスクラブ内には、ジャグジーもあったので、夏でも、夜になると冷えるカナダでは、有り難かったです。







ここ、ビルの5階です。プライスレスですね。。