6月頃の話なんですが、下校指導で門に立っていたら、3年の生徒から『勉強のやり方がわからない』という話が出ました。
担任に話をしておきますと伝えてその場は返しました。
その後担任と話をしたのだけど、よく話を聞くと
・提出期限内には宿題はやってくる
・塾に通っている
・学校購入の問題集をやっているが解答の書き写しが多い
以前も書いた話なのですけど、勉強の本質は『自分で学習』です。
これを書いたらまた、色々コメントされそうですが。
学校は勉強を教えてくれるところ
教員は確かに教えますが、頭の中に叩き込むのは本人です。
『生徒にわかりやすく教えるのが教員の仕事。』
確かにそうなんですけど、正直教科書以上に優しく書いてあるものってあるのでしょうか。参考書はもっと詳しく書いてあります。
教科書が読めないということは、その内容を読み取る基礎がないわけです。読み取れるレベルまで戻る必要があるのです。勉強は筋トレと一緒。毎日の積み上げでしかありません。
顕著なのは数学ですが、中1の教科書の内容が読んで理解できないのなら、算数に戻るべきです。しかし、中学校の時間枠に個別対応の時間はないのです。よく、これをいうと、教員の怠慢だとか言われる方がいるのですけど、その時その時に遊びで対応をとってこなかったのは生徒本人ですし、それを知って見ぬふりをしているのは保護者です。今も学校がコンビニ並みに24時間営業だと思っている方が多いのですが、教員は生徒の学習に対して個別対応するのが当たり前という考えを持たれますが、限界があることを知ってください。前提ですが、そもそも学校には決まった枠の時間しかないのです。家庭で許しているゲームやYouTubeの時間で学習時間を確保してもらうしかないんです。家庭で好き放題させて学校で時間を作れは無理です。
理解できるまで進級しないという選択もありますが、日本は海外とは違い進級を希望する家庭が多いです。海外は学習内容が理解できているかですので留年します。
ここで一貫して書いているのは、
家庭で時間を確保してください。
今の現状に合わせて教材を選び、まず一冊必ずやり切ってください。
全てを理解したら、次の段階に進んでください。
それを繰り返すだけです。
教材をあれこれ手をつけるのがいちばんの愚策です。
受験はここに、学校別の対策であったりをいれていくのです。王道は地道に積み上げるしかないのです。
結局これをはずれると、やりきっていない問題集ばかりが積みあがり、かつ前半の問題しかやっていないという何も変わらない状態になるわけです。家庭学習で対応できないから塾に行かせているといわれますが、塾も学年対応で内容を進めますから、相応の理解力がないのなら同じ結果になってしまうのです。
受験生になると、受験勉強という名の勉強をしますが
受験は、各教科の標準以上を問う試験です。基礎問、基礎問以前のことは当たり前の前提なのです。
だから、やり終えた問題集の山が積みあがり、自信になるわけです。
生徒から相談を受けたのは私なので、担任と合わせて再度生徒を呼び、成績の状況と教科の実態を伝え、上記のことを伝え、教科にばらつきがあるので、教科別でスタサプ(学校採用のもの)でやるべき問題を伝えました。後日、『気がついたら家での勉強時間が6時間で母親に大丈夫か心配された』と話が出ました。そこに対して生徒にどう感じたかを聞いたところ『勉強は自分でやるべきものだということがわかりました。間に合うかはわかりませんが、追いつけるようとりあえずやります。』
3ヶ月たち、自分で予定を立て今もコツコツ勉強を続けているようです。本人の話では、塾のクラスも上位クラスに変わったと言ってたのでまあ理解したのだろうと思います。
これを書くと、個別の生徒優遇だとか書く方もいるので書いておきますが、個別の課題は出していません。初めに自分の立っている位置を伝えただけです。そして、何が足りないのかを自分で受け入れて学校の教材をやりはじめただけです。うちの学校は、中間期末でミスった問題は、スタサプの該当問題を伝えることになっているので他生徒との差別化はありません。また、勉強とは何かについても全体で話をしているのでそこも差別化はないです。本人に再度同じ内容を伝えただけの話です。
勉強の仕方がわからない
よく聞く言葉です。
読む書く聞くこれを通じて、
・自分が知らない知識を使えるように頭の中に入れる。
・問題に対して適切に知識を引き出す練習をする。
勉強の仕方は、個人差がありますが結局、コツコツやったかやらなかったかだけです。
使っているペンを変えてもそのペンはあなたの頭に知識を与えてくれません。
ノートも然り
道具は道具です。環境も大事ですが、基本中の基本は勉強の本質です。
自分のやり方でいいので、頭に入れる作業をしたか・してないか、頭から出す練習をしたか・してないか。それだけです。
時間がないなら、他を削る。
他人を責める時間があるなら、自分の今を見て始めた方がいいのかなと思います。