今回のプロジェクトで、いろんな取材を受ける。
1話ごとに違う会社が作る話題性は本当にありがたい。
当然のことながら、各社がパートを分けて作ることは
調べればあまり珍しいことではない。
珍しいのは、CGで各社がリレー方式で作り、
各社の名前を前面に出すことだと思う。
その中で、良く聞かれる質問がある。
各話のテイスト合わせの問題。
完全にテイストを合わせると、各話の個性も無くなる。
だから、合わせようとは思わないが、全部テイストが違うと、
シリーズとしての作品性がおかしくなる。
答えは、今回、お願いしている会社は、
その次元で競い合っているわけではない。
演出家なら、まずシリーズ、世界観、ストーリーの流れを
大事にし、自分の担当回で、よりストーリーに自然に描く
ことに重点を置いている。
自分の回だけ、テイストを変えて目立とうとする会社が
仮にあったとすれば、目立つが、その会社の
演出能力が逆に疑われる。
今回、すでに7話まで完成目前だが、
どの会社も、本当に演出能力が高い。
無意味にド派手にやる会社なんて無い。
でも、その回にしか出てこないキャラクターを大事に
演出し、シリーズ通してのキャラクターの個性も
ちゃんと維持している。
低レベルに、「各話好き勝手やって下さい」
なんて、今回限りのイベントに終わってしまう。
クオリティ争いなんて、時代とともに意味もなくなる。
今回は単なるイベントにはしたくない。
CG業界にいる演出家思考の
クリエーターを紹介する目的がある。
演出力を競いたい。
ストーリー、シリーズ、作品性を大事に出来るクリエーターに、もっと大きなチャンスを上げて、ビックになって欲しい。
だから、関係者の中には映像素人もいるけど、
そういう方こそが、不自然に思ったらNGだし、
まず自然に流れを見せれないのは、演出家としても厳しいと僕は思う。
各社にも取材が入っていますが、出来れば、
ルックや技術とかではなく、感情芝居に
質問を頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。