日本は世界一の長寿国だから、歯も健康に違いない?
日本が世界でも有数の長寿国であることは確かですが、歯の方は決して長寿国ではありません。日本では80歳での残存歯数が4~6本であるのに対し、スウェーデンなどの予防先進国では、80歳で20本もの歯が残っています。 日本人がスウェーデン並みに歯を残せるようになる頃にはもしかすると平均寿命は90歳になってるかもしれませんね。
レントゲンは体に悪いからできるだけ撮らない方が良い?
2004年1月に、日本国内のがんの3・2%は放射線診断が原因とみられるとの報告を英国の研究者が発表し話題になりました。ただ、歯科のレントゲンの場合、胸部CT撮影の4万分の1以下ですし、デジタルレントゲンの場合にはさらにそれの10分の1の被爆量しかありません。歯の病気の診断にはほとんどの場合レントゲン写真が有効です。診断にとって必要な場合には、レントゲン撮影をしたほうが、患者さん、医者双方にとって有益な結果をもたらすことでしょう。
麻酔はできるだけしない方が良い?
歯医者さんの注射は痛い!というイメージがあると思うのですが、現在の最新のシステムを利用した麻酔注射は本当に痛みがありません。神経に触るような痛みに怯えながら治療されるよりは、無痛麻酔を使ってリラックスして治療を受けられるほうが精神的にも肉体的にも良いと思われます。欧米ではほとんど全ての処置に麻酔をして痛みをなくしてから治療をするそうです。 アップルデンタルクリニックでも4歳の女の子が麻酔を受けています。
歯が1本抜けても他の歯に影響は無い?
歯はそれぞれ形が違うように、歯の種類によってちゃんと役割があります。家に喩えると奥歯は柱で、前歯は屋根のようなものです。奥歯を1本失うと、その上の歯、横の歯の位置が移動し、その影響でかみ癖が変化し、口の中のバランスが大きく崩れてしまいます。
正面から見た顔の形にも影響しかねません。1本の歯を失うということはそれだけ重要なことなのです。
歯が悪くても、全身には影響しない?
最近、メディアでも多く取り上げられているように、虫歯や歯周病は全身の健康に大きく影響しています。足の先の血管からも歯周病菌が検出されるそうです。糖尿病、動脈硬化、早産、心臓疾患、脳疾患、バージャー病etc たかが歯とあなどっていると、命をおびやかす大変な病気になるリスクが高まりますよ。
かぶせたところはもう悪くならないので大丈夫?
かぶせた金属自体は虫歯にはなりませんが、それを支えている歯は同じペースで悪くなっていると思ったほうが良いでしょう。かぶせた歯はほんらいの健康に比べて、虫歯への抵抗力が下がっています。その分、悪くならないような更なる努力が必要なのです。歯を治療しても、治療する前と同じ生活習慣ならば、これまで以上のペースで歯が悪くなっていくことは必然なのです。
自分の噛む力が歯を悪くしている?
現代食は軟らかいため、食事の際に歯にストレスはかかりません。起きているときに、歯が接触するのは15分程度だといわれています。それに対して、無意識の中で起こる歯ぎしりや食いしばりは、自分の体重の2倍以上の力が2時間以上かかるといわれています。
無意識のはぎしりや食いしばりが歯を悪くしているのです。
歯は老化によって悪くなる?
歯は老化が直接的な原因で悪くなるわけではありません。実際、予防歯科が進んでいる国では、歯が多く残っているご高齢の方が大勢いらっしゃいます。予防次第で長く大切な歯を守ることができるのです 。
虫歯や歯周病は遺伝でなりやすさが決まる?
虫歯になりやすいタイプの人は歯周病になりづらく、歯周病になりやすいタイプの人は虫歯にはなりづらいのです。虫歯菌と歯周病菌は同時には活動できないようです。小さい頃から虫歯で 歯医者さんに行ったことが無い人でも、歯周病が進んでいる場合があるので気をつけてください。
虫歯や歯周病は予防できる?
虫歯や歯周病は本来はもっと稀で希少な病気なはずなのです。正しく 歯医者さんを利用して、予防歯科を実践すれば虫歯や歯周病を予防することはそんなに難しいことではありません。これからは治療よりも予防の時代です。
治療が終わればもう歯科医院に受診しなくても大丈夫?
治療の終了が予防の始まりなのです。歯科医院を定期的に受診し、プロのクリーニングを受けることこそが予防への第一歩です。1回の予防は100回の治療にも勝ります。
痛くならなければ、虫歯や歯周病は進行していない?
虫歯や歯周病が痛くなるということは相当悪化している証拠です。できるだけ自分の歯を残していくためには、痛くなる前の受診が大切なのです。
後で痛くならないように、神経は先に取ってしまった方が良い?
以前は、歯をかぶせる前に神経をすべてとっていたということもあったそうですが、
現在はその逆です。歯の神経をとると、枯れ木のようになってしまいます。歯の中に栄養がいかなくなるため、将来的にさまざまなトラブルに見舞われます。歯の神経はなるべく保存していくことが大切なのです。
神経の無い歯は何度でも差し歯にできる?
やはり限界があります。骨の上に健康な歯の部分が高さ3mm以上はないと保存は難しいとされています。短くなりすぎた歯は、痛くなくても抜いたほうが良い場合もあるのです。
親知らずは抜いてしまった方が良い?
親知らずがまっすぐ生えていて問題ない状態の人は1%もいません。現代の人は顎が小さくなり、親知らずは生えてこないか、生えていても斜めになってかみ合っていない場合がほとんどです。1番奥にあるため、最初に虫歯や歯周病になりやすく、手前の歯を巻き込んで悪くしてしまう場合もあります。合理的に考えると抜いてしまった方が総合的に見て良いのですが、心情的には一時期の痛みを生じるため様子を見ましょうということもあります。再生医療に役立てるという話もあるみたいなのですが、まだまだ先の話のようです。
痛くならなければ、虫歯や歯周病は進行していない?
虫歯や歯周病が痛くなるということは相当悪化している証拠です。できるだけ自分の歯を残していくためには、痛くなる前の受診が大切なのです。
後で痛くならないように、神経は先に取ってしまった方が良い?
以前は、歯をかぶせる前に神経をすべてとっていたということもあったそうですが、
現在はその逆です。歯の神経をとると、時間とともにどんどんもろくなってしまいます。
歯の中に栄養がいかなくなるため、将来的にさまざまなトラブルに見舞われます。歯の神経はなるべく保存していくことが大切なのです。ところが歯の神経は一度細菌感染を起こしてしまうとほとんど治すことができなくなります。痛くなってから治療していては神経は残せないのです。定期健診をしっかり受けて、痛くなる前の小さな虫歯を見逃さないようにしていきましょう。
口臭の原因のほとんどは歯周病菌である?
口臭の原因のほとんどは歯周病菌から発生するメタンガスや硫化水素です。自分の口臭に気づく人は少ないのですが、他人の口臭を不快に思っている人は多いようです。30代以降の約8割が歯周病であることを考えると、口臭予防にはまず歯周病治療を行うことが大切なのです。
ものを食べるたびに、私たちは虫歯になりかけている?
口の中に食べ物が入るたびに、歯の表面にいる細菌が酸をだし歯を溶かし始めます。食べるたびに、軽い虫歯になっているのです。ただ、唾液が酸を中和し、CaイオンやPイオンが歯の修復をするため、元の状態に戻るのです。これを再石灰化といいます。歯は毎日、溶けて治っての繰り返しをしているのです。この繰り返しのバランスが崩れることによって、虫歯が進行してしまうのです。
歯がしみるのは虫歯のせい?
もちろん虫歯でも歯はしみますが、すべてそうというわけではありません。歯は力のストレスがかかるとしみるようになります。歯磨きのときに強く磨きすぎている場合、歯ぎしりや食いしばりなど噛み締める力が強すぎる場合、歯周病のときなども歯はしみるようになります。ただ、治療をすれば治るものがほとんどなので、 早めに歯科医院にご相談ください。
良く効く薬を使ってうがいをすれば虫歯や歯周病にはならない?
虫歯や歯周病の原因となる細菌は歯の表面でバイオフィルムというネバネバした塊となっています。薬を使うと表面の細菌の1部には効果があるのですが、塊の内部のほとんどの細菌には無効なのです。バイオフィルム化した細菌は、歯ブラシや専用の器具でこすりとるしかないのです。
カルシウムを取らないと歯が弱くなる?
骨の中のカルシウムは常に入れ替わりますが、歯のカルシウムはほとんど入れ替わりません。そのためカルシウムを多く摂取すると歯が強くなるということはないのです。ただ、唾液中のカルシウムの量が多いと歯は再石灰化しやすくなりますからカルシウム不足はよくないです。
歯磨き中に歯ぐきから血がでても特に問題は無い?
突然皮膚から血がでてくることがないように、健康なお口の中の粘膜からも 血はでないのです。ただ、細菌の攻撃をうけて、炎症をおこしている状態の歯ぐきからは出血します。
歯磨き中の出血は、歯周病の証拠です。早めに治療を行いましょう。
歯の矯正は子供の頃にしかできない?
大人でも可能です。私自身も成人矯正治療経験者ですし、84歳の女性の矯正治療の実績はあります。矯正治療に年齢の制約はないのです。
入れ歯があれば、元の歯と同じように噛める?
部分入れ歯だと、元の歯の2分の1、総入れ歯だと元の歯の4分の1しか力が出せないというデータがあります。どんなに優れた入れ歯も自分の歯には勝てないのです。入れ歯にならないように予防しましょう。
1度作った入れ歯や被せ物は壊れることはない?
飾っておくのであれば大丈夫ですが、毎日使っていればいつかは壊れますし、修理が必要なことも起きてきます。ハードに使用している場合は、なおさら壊れる可能性が高くなります。どんなに高価な自動車でも家でも、人間が作ったものはいつかは壊れるのです。なるべく長持ちさせるためには、定期的な管理と修理が必要なのです。
インプラントはすぐにダメになりやすい?
ちゃんとした診断のもと、治療を施し、治療後のメンテナンスがあれば、悪くなるものではありません。
10年後の維持率が95%以上とされています。自分の天然歯でも10年何も起こらないとは限りませんよね。95%という数字はほぼ自分の歯と同じと考えていいと思います。
失われた歯を回復する治療はインプラントしかありません。お口の中全体の健康を考えるならば、インプラントは1番確実で、結果的に1番安い治療なのかもしれません。 なぜなら他の健康な自分の歯を守ることになるからです。
悪い歯を取って置くと、周りの骨が無くなってしまう?
歯を失うと歯を支えていた骨はやがて吸収して無くなってしまいます。入れ歯を入れていても同じことです。GBRという骨を再生させる方法もありますが、確実性に欠けます。それよりも、骨を失う前にインプラント治療を施すことにより骨の吸収を防ぐことができます。歯周病でグラグラの歯を周りの歯がすべて溶けてしまうまで放っておくよりも、早めに抜いてインプラント治療をし骨を保存したほうが良いというのも1つの考え方です。
インプラントは歯周病になりやすい?
以前はそう考えられていましたが、インプラントが普及するにしたがって現在の標準的なインプラントの場合は天然の歯よりも歯周病になりづらいのではないかという話がでています。確証たるデータがそろっているわけではありませんが、理論的、経験則的には考えうることです。特にタバコを吸わない人はその傾向が顕著に見られます。21世紀に入りインプラントは劇的に進歩を遂げた証拠だといえます。
虫歯や歯周病は感染症である?
簡単に言うと、虫歯は虫歯菌によって 歯が溶かされてしまう病気、歯周病は、歯周病菌によって支えている骨が溶けてしまう病気です。小さい頃に家族、主に母親から感染すると言われています。虫歯や歯周病の予防には細菌をコントロールすることが大切なのです。
歯ぎしりはほとんどの人がしている?
歯ぎしりは程度の差はあれほとんどの人がしています。寝ているときに行うことと、音を出さないこともあるため、自分も他人もほとんど気がつきません。でも、ほとんどの人に、歯ぎしりをしないと現れない痕跡が歯の表面にあるのです。歯ぎしりはストレス解消のために行うことが東京大学医学部の研究で明らかになっていますが、過大な力が歯やかぶせものに加わるため、歯やかぶせものの破折、歯周病の悪化を招きます。重篤な人にはナイトガードという寝るときに付けるマウスピースを作製する場合があります。 今まで気にしたことがない方は一度歯科医院で診てもらうといいでしょう
.歯ブラシだけですべて磨ける?
どれだけ上手い人でも歯ブラシだけでは、歯の隅々まで磨くことは不可能です。
歯と歯の間などは、フロス、糸ようじ、歯間ブラシなどの専用の器具を使う方が効果的です。実は自分の口の中は自分が1番見えないのです。ですからセルフケアに頼るだけではダメで、定期的にプロのクリーニングを利用して初めてお口の健康は保てるのです。