ふふふ…本誌読んでらっしゃらない方には全くわからない話ですみませんと謝っておきますね。



でも本誌読んだ方なら解ってくれますよね!?



お~!!
ついに!?


…で。


え~っっ!?


一月半もお預け!?


あんまりや。(ToT)



………って感想です。



すみません、本当に解りませんよね。


指を絡め合わせ寄り添う形で辿り着いた社長室で二人を待っていたのは、毎度お馴染み豪奢な出で立ちの事務所社長、ローリィ宝田であった。



「おぅ、来たな?
…うん、この前の記者会見での京子の表情でまず卒業ラインだと分かっちゃいたがな。
おめでとう最上くん、蓮。
良かったなあ蓮、長年の片想いが実って♪
…とはいってもこっちで愛しの京子にまとわりつく鬱陶しい馬の骨が気になってやきもきしてたんだろうが。(^Q^)/^」



二人の様子に満面の笑みを浮かべたローリィは、そうと決まれば卒業式だ、盛大に祝ってやると嬉々として秘書に指示を出そうとしたが、蓮は恨みがましいジト目で見返しながらぶつぶつと文句を垂れていた。



「…どこまで千里眼か知りませんけど、そもそもやきもきしなきゃならなくなったのは社長が漸く彼女に追い付けると意気込んで渡米した俺を、掌で転がして遊ぶように工作したのがいけないと思いますが!?(`´)」



2年越しで再会してやっと想いを告げられたのにたった1週間で遠距離恋愛になったこっちの身にもなって欲しいんですけどと更にぶちぶちぼやく蓮にローリィはしょーがねーだろと悪びれる事なくサラッと開き直った。



「成績優秀すぎる彼女に惚れた自分の運の無さを恨めよ。
俺だってまさかたった2年でスキップして大学卒業して帰国するなんて予想してなかったんだよ。
ま、丁度良く話題に上ったことだし?
お前も遠慮なく馬の骨を蹴散らす大義名分欲しいだろ?
堂々と発表してそのポジションを確固たるものにしちまえよ。」



プカリと煙草を燻らせながらニヤニヤと笑うローリィから視線を外しながら、蓮とキョーコはお互いの意思を確認しあった。



「…良いよね、キョーコ。
俺は堂々と君の横に立つ権利が欲しい。
君の周りに群がる邪魔な馬の骨を正当に蹴散らす権利を、俺に頂戴?」



「えっ…と、馬の骨っていうのはよく分かりませんけど…わ、私こそ…いいですか?
久遠さん…蓮さんの、こっ、こっ、恋…っ人って宣言しても…っ。」



初々しく頬を染めつつ姿勢を正し、ソファーの上で蓮に向かって正座したキョーコは、三つ指ついて深々と頭を下げた。



「あの…ふ、不束ものではございますが、よろしくお願いいたします…。」



…それは宛(さなが)ら結婚の挨拶のようで。



正面に固まった蓮と真横のソファーに呆れ顔のローリィ。



「…おいおい、蓮が固まっちまっただろうが。
その挨拶は時と場所を著しく間違えてるんじゃねぇか、最上くん?
そりゃ結婚した後、二人っきりの部屋ん中でするもんだぞ?
予行練習か?」



目の前でやってくれるたぁなかなかのサービス精神だなとニヤニヤ笑いをしているローリィの表情と身動ぎもしないで目を丸くしながら固まった蓮を見て客観的状況を理解したキョーコは、瞬間湯沸し器の上を行くスピードで茹でダコも呆れる赤さに全身変化し、声も無くその場で卒倒した。



「ちょっ、ちょっと!!
キョ、キョーコ!?
しっかりして!!」



慌てて介抱する蓮の狼狽え振りにローリィが大爆笑したのはお約束である。




▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽




「…あの、さ…。
いっそ婚約会見にしてもいい?
恋人宣言くらいじゃ馬の骨増殖に拍車が架かりそうな気がしてきた…。」



気絶したキョーコをコッソリ毛布に包んでまんまとお持ち帰りした蓮は、ソファーに腰かけたままキョーコが目を覚ますまで抱え込んで久々の生キョーコを堪能していたのだが。


…漸く目を覚ましたキョーコのそれは嬉しそうな愛らしい微笑みにブッ飛びな一言をかましていた。



「えぇ…!?
こ、恋人期間、無しですかぁ…?」



未体験なドキドキ期間が少しは過ごせると思ってたのにとこれまた可愛い爆弾発言をかますキョーコに、蓮は苦笑を隠せなかった。



「…拒否されないのは嬉しいけど…そんな可愛い顔して拗ねないでよ。
心配しなくても婚約って近い将来生涯を共にしますって約束なんだし。
…それじゃ、ちゃんと予約させてくれる?
はい、かイエスしか受け付けるつもりないけど…コホン。
最上 キョーコさん。
…貴女を心から愛しています。
これからの人生をお互いに支えあい、高めあう生涯のパートナーになってください。
俺と愛に満ちた家庭を築いてくれませんか。
………返事、貰える?」



「……それ、返事以前に確認だと思いますけど…。
私で良ければ…喜んで。
後でアメリカのパパたちにちゃんと報告しましょうね?」



クスクスと本当に嬉しそうに笑いながら、目尻に浮かぶ涙を拭うキョーコの笑顔に幸せを噛みしめ、その華奢な身体をすっぽりと腕の中に納めてプロポーズ成功の余韻に浸る蓮だったが、同時に海の向こうの超重量級の愛情持ちの両親への報告は、どんな余波を巻き起こすか考えるだけで気が重いとも思っていた。










あと一話くらいで終わる…かなぁ?





「知らねぇよ。
アイツが何考えて言うこと聞かなくなったかなんて、そんなのどうでもいいし?
アイツは俺のなんだから、俺の言うこと聞きゃいいってのに…。」



最後の方をぶちぶち愚痴ってた俺に、何故か監督も真山も久我もお互い顔を見合わせて首を横に振り、仕事に入ろうと話を切り上げた。



それからは特に問題もなく撮影が進み、予定時刻前に終わらせることが出来たのだが。



スタジオから出ていこうとしていた俺を真山が呼び止め、さっきの話だけどと前置きしてから言いにくそうに口を開いた。



「…不破くん、君さ、…俺たちが言った意味、ちゃんと考えてみてよね?
どうしても理解できないと思ったら、…他の人にも訊いて?
少しは参考になるかもしれないし、さ。
  じゃあお疲れ様でした。
  良い感じの画が撮れたと思うんだ。」



また機会があったらお願いしますね、と営業らしい言葉を付け足し、真山は俺と付き添っていた祥子さんに頭を下げてから監督たちの方に戻っていった。



撮影が始まる前の彼らとの会話を、席を外していたため聞いていなかった祥子さんは首を傾げていたが、俺が大した話じゃないと誤魔化すとそれ以上聞いてはこなかった。



………のだが。



無事撮影を終えたCMが映像としてネットやテレビで見られるようになってしばらくした頃、あの製菓会社の同級生、真山から事務所経由で会いたいと連絡が来た。



どうせ売り上げがアップしたことの報告だろうなと気にも留めずに、俺は祥子さんにOKを出したが、顔を合わせた真山の口から発せられた言葉は俺の予想し得ないものだった。



「やぁ、その節はどうも。
幼馴染みの誤解、解けたかなぁと思って。
少しは考えた?」



「…はぁ?
んなの考える必要がどこにあんだよ。
そもそもアンタ、一体何しに俺に会いに来たんだ?」



下らねえ話題で野郎と面付き合わせる趣味はねぇんだけどと仏頂面で答えると、真山はやっぱりと盛大な溜め息を吐いた。



「…いや本当はね、なかなかいい感じでCMが売上に貢献してくれたから次回もお願いするつもりで来たんだけど…その辺りの勘違いを直してないとなると…ちょっと困った事になるなぁと思って。」



訳が分からず首を傾げた俺と意味の解らない祥子さんの前に新しいCMの絵コンテを差し出した真山は、今度は幼馴染みと遊ぶ、をテーマにしてるからとテーブルに拡げたコンテを指で突っついた。



「気心の知れた相手とじゃれ合う砕けた雰囲気出して貰いたいとの監督の意向なんですよ。
その為にも幼馴染みの認識が周囲とずれてないか確かめておいてくださいね。」



詳しい内容は契約書に改めて出しますと言い置いて、真山は帰っていったのだが…。



「…何だったのかしら、今の真山さんの話。
ねぇ尚、この前の撮影の時、貴方真山さんたちとどんな話したの?
次の仕事に拘わる大切なことだわ、詳しく話して頂戴。」



祥子にマネージャーとしての顔をされてしまってはうやむやにするわけにもいかず、結局尚は真山や久我との会話の洗いざらいを白状することになったの…だが。



「…今さら私がこんな事言うなんてと思うでしょうけどねぇ…。」



尚の話を聞き尽くした祥子が頭痛を堪える様な仕種で頭に手をやったのを、尚は不思議そうに眺めていた。



「…尚。
貴方、すっ~ごぉ~く、変。」



真山さんや久我くんの言い分が正しいと私も思うわと一番身近にいた祥子に真顔で断言され、尚はあからさまに絶句していた。



「…いいわ、この際だから若いうちにかける恥はかいときましょ!!」



恥かくなら一蓮托生だわいらっしゃいと有無を言わさず半ば引き摺るようにして祥子が連れてきたのはあるトークバラエティーの控え室。



番組内での話をより円滑に盛り上げやすく進めるために大部屋の控え室にトークに参加する面々が一堂に介しコミュニケーションを図って欲しいとのプロデューサーの意向もあり、大物から無名の新人まで一室に集まった部屋であった。


そこで祥子は控え室内で一番の大物タレントに事情を話して協力を乞うたのである。



「…は~、成る程ねぇ。
そりゃ困るわなぁ。
分かったよ。
アカトキさんには世話んなってるし、一肌脱ぎましょ。」



「本当にお恥ずかしい話で申し訳ありませんが、私が言ったところであの子が納得するとは思えません。
より多くの皆さんから指摘された方がいい薬になると思いますので、ご迷惑をお掛けしますがよろしくご指導の程お願いします。」



「……あなたも苦労するねぇ。
  ああいう世間と常識を弁えない坊やを預かると、さ。」



一応挨拶は済ませたものの、後は顔見知りのタレントと雑談に花を咲かせ、こちらを見向きもしない尚を横目で眺めつつ、大物タレントは目の前に立つ美人マネージャーを苦笑混じりに労っていた。







………うぇ~ん。(ToT)


魔人さまの予言が的中…というか呪(まじな)いが利いちゃった!?



後編へ続くのです!!